ホンダ・ヴェゼルRS、スポーツモデルが新登場! ベースモデルとの違いは?【試乗記】

ホンダ・ヴェゼル e:HEV RS(FF)/価格: 374万8800円 Photo by Hiroya Yamagami. Koujirou Yokota

ヴェゼルにスポーティなRS

内外装は、精悍でカッコいい

 ヴェゼルにスポーティなRSが追加された。RSは旧型でも好評を博し、シリーズ全体の15%のシェアを記録した人気グレードだ。新型ではさらに好調で、初期受注では22%もの販売比率を達成したという。RSはホンダにとって長い歴史を誇る栄光のネーミング。フィットやシビックでお馴染みだが、ヴェゼルへのRS設定を待ち望んでいたユーザーも多かったことが数字からわかる。ちなみにRSは、2026年に日本デビュー予定のCR-Vにもラインアップされるという。

 グランドコンセプトは「URBAN SPORT VEZEL」。都会的なイメージとスポーティさを追求し、ダイナミクス面は走る楽しさを追求した。ラインアップはFF(374万8800円)と4WD(396万8800円)。旧型ではFF専用で、北国のユーザーニーズに応えられなかったが、新型は万全の体制を整えた。駆動方式別の販売比率はFFが圧倒的に高く、8割を超えるとのこと。ちなみにRSはホンダコネクトナビ/ETC車載器/ワイヤレス充電器を標準装備。Zグレードと比較すると車両価格は48万円ほど高いが、実質的な価格差は25万円ほどと聞いた。「MORE PREMIUM、MORE SPORTY」をコンセプトにした内外装は、精悍でカッコいい。エクステリアは専用グリルと前後のエアロバンパーで独自性を演出。室内は黒を基調に、赤のアクセントで仕上げている。車高を標準車比で45mm下げ、一般的な立体駐車場に対応する1545mmに仕上げたのもポイントだ。

RSは専用セッティングのパワーステアリングとスポーツサスペンションで気持ちのいい走りを追求。車高は標準車比−45mmの1545mm。車高ダウンの内訳はサスペンション分が15mm、アンテナ分が30mm。RSは一般的な立体駐車場に対応する。

ボディカラーは写真のプレミアムレッドやスレートグレーパールなどモノトーン全5色。初期受注ではホワイトとブラックの人気が高い。RSのラインアップはFFと4WD(396万8800円)

RSはブラックを基調に各部にレッドのステッチを配した精悍仕様。ルーフトリムもブラックで統一。RSはナビ機能を内蔵したホンダコネクトディスプレイ/ETC車載器/ワイヤレス充電器を標準装備。Zグレードとの実質的な価格差は約25万円。ハンドリングはスッキリとシャープ。ドライバーの意のままに操れるのが魅力

シートは大型形状。サポート性/座り心地共に優秀。後席足もとスペースも広い。乗り心地は速度が上昇するほどフラットに変化する

ラゲッジスペースは広く、使い勝手優秀。シートバックを倒すとフラット空間が出現

 45mmの内訳は、ローダウンサスペンション分が15mm、アンテナ分が30mm。RSはアンテナをシャークフィン形状から、新開発のリアガラスプリント式に変更。ルーフラインが一段とスッキリとした印象を受ける。18インチアルミが専用のダークカラーとなったこともあり、RSはさりげなく“走りがいいクルマ”であることを主張する。そのこだわりは、ヴェゼルに詳しい人、つまりヴェゼル・ユーザーから羨望の眼差しを受けそうだ。

 走りの磨き込みも万全である。高速道路での安定した走りやワインディングでの軽快な走りを実現するため、電動パワーステアリングを専用セッティングとし、スプリングおよびダンパー特性を変更した専用ローダウンサスペンションを組み込んでいる。

 ちなみにパワートレーンは、e:HEVハイブリッド。もともと高い評価を受けているだけに、1.5Lエンジン(106ps/130Nm)+2モーター(131ps/253Nm)は、標準モデルと共通だ。

明確な走りの違い。引き締まった味わいが格別

乗り心地も悪くない。完成形といっていい

 今回は販売主力のRSとベース車のZを乗り比べた(ともにFF)。もともとヴェゼルにはいい印象を持っている。このクラスのSUVのベストバイだと感じていたが、Zに乗って、あらためてよくできたクルマであることを確認した。

 だが、RSはさらにいい。一級品のドライバーズカーに仕上がっていた。走りの違いは明らかだ。

 走り出してすぐに感じるのはステアリングフィールのよさである。RSはスッキリとしていて素直に切ったとおりに応答。軽やかな中にも適度な重さがある。一段と手応えも増したように感じた。

 Zはステアリングの中立付近をやや重くして、直進性を確保したり、挙動を乱れにくくしているように見受けられる。対してRSはローダウン化で重心が低下。クルマの基本特性として直進安定性やロール剛性が高まっている。だからステアリングの切りはじめに壁がなくひっかかり感がない。

RSの走りは一段と生き生き

ホンダは走りが楽しいクルマ作りが得意

 足回りも絶妙だった。ダンパーの伸び側と縮み側の減衰バランスにこだわってチューニングしたというサスペンションは、路面の凹凸に合わせてスッと動いてピタッと無駄な動きを収束させる味付け。アンジュレーションがある荒れた路面でも影響をあまり受けず、車速域が高まるほど、フラット感が増していく。

 Zは乗り心地が硬いと感じさせないよう、あるところまではソフトなのだが、その領域を超えると動きが渋くなる傾向が見られた。荒れた路面では意外と跳ねる。全般的にRSのほうが乗り心地がいい。

 パフォーマンスは相変わらず気持ちよかった。1.5Lのe:HEVの実力は十分で、リニアで力強い加速を味わえた。踏み込んだときの勇ましいサウンドもドライブしていて楽しい。スポーツモードを選ぶと、その楽しさが増し、回生の強さをパドルで4段階から選択できるのも便利だ。

 RSは全車ミシュランタイヤを装着。サイズは共通だが、銘柄が異なるタイヤを装着するZのほうが、ロードノイズが目立つ気がした。

 旧型RSのボディは欧州仕様がベースの専用設計だった。今回は足回りを変えた結果、リアのアーム取り付け部への入力が増えたため、その点を強化したという。この強化ボディは全ヴェゼル共通だ。

 全体として、Zもそつのないまとまりではあるが、RSの走りは一段と生き生きとしていた。専用セッティングのステアリングと足回りの効果は大きい。ヴェゼルRSに乗って、“ホンダは走りが楽しいクルマ作りが得意なのだ”とあらためて感じた。RSには現行ヴェゼル完成形のイメージがある。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也+横田康志朗)

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