「比例だけで45削減」維新プランを導入したら…さらに際立つ「野党の壊滅ぶり」衆院定数シミュレーション

17日、会談に臨む自民党総裁の高市早苗首相㊨と日本維新の会の吉村洋文代表(佐藤哲紀撮影)

 高市早苗首相(自民党総裁)と日本維新の会の吉村洋文代表は17日、国会内で会談し、連立合意に基づいて今国会で衆院議員定数を465議席から、1割にあたる45議席削減する法案を提出することで一致した。維新は比例代表のみ削減するよう主張し、今後の協議で詰めることになった。

◆「前回は野党に配慮したのに反対された」

 昨年12月に両党が提出した定数削減法案と同じく自動削減条項を付ける見通し。法施行後1年以内に、与野党の衆院選挙制度協議会で選挙制度や定数削減の結論が出なければ、公選法を改正して45議席を削減する規定を盛り込む内容。昨年提出された法案は、衆院解散で廃案となった。

17日、会談に臨む自民党総裁の高市早苗首相㊨と日本維新の会の吉村洋文代表(佐藤哲紀撮影)

 前回の法案は小選挙区で25、比例で20を削減する内容だった。今回、比例のみの削減を主張する理由について、吉村代表は会談後の記者会見で、前回は比例削減に反対する野党に配慮したのに、野党に反対されたと指摘。「やらない理由を並べているだけだと思ったので、(元々主張していた)比例で1割削減だ」と説明した。

 定数削減を急ぐ維新と、党内に慎重論も根強い自民の間では、法案成立を巡り温度差がある。衆院選前に開催された自民内の会議では、維新の求める自動削減条項は乱暴過ぎるなどと異論が噴出した。

 衆院選で大勝した自民としては、小選挙区を削るよりも比例のみとした方が影響が少なく、乗りやすいとの声も出ている。ただ、衆院議員全員に関わる事柄だけに、会談に同席した自民の鈴木俊一幹事長は「(削減の)中身は実務者で協議をして決める。今日何か具体的なものを決めたことはない」と述べるにとどめた。

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◆与党の議席率は合わせて8割超え

 日本維新の会が主張したように、衆院の比例代表定数を176から45減らして131にした場合、本紙の試算によると、2月の衆院選と同じ得票なら、自民党の議席占有率は小選挙区を含め、68%から72.9%に上がる。維新と合わせた与党では75.7%から80.5%になる。野党は壊滅的な敗北を喫する。

 自民は先の衆院選で小選挙区をほぼ独占したため、比例削減の影響は相対的に小さい。比例の議席は67から57に減るものの、小選挙区を含めた獲得議席全体で見れば3%減にとどまる。維新も本拠地の大阪を中心に小選挙区を制しており、議席減は11%だ。

◆参政党は議席4割減、れいわはゼロに

 一方、議席の大半が比例だった野党には大打撃だ。小選挙区と合わせた議席は、中道改革連合が24%減、国民民主党が29%減、参政党が40%減、チームみらいが27%減、共産党が25%減となった。れいわ新選組はゼロになる。

 衆院選では自民の比例獲得議席が名簿登載の候補者数を上回り、一部議席が他党に移った。そのため、試算では野党の減少率が実際よりやや高くなっている。ただ、「名簿不足」がない場合でも、比例のみの削減が与党に有利に働くことは変わりない。(長崎高大)

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