【2026年4月から増額】年金生活者支援給付金はいくら上がる? 低年金のシニアを支える月額基準と支給条件を確認
老齢・障害・遺族年金の受給者が対象。2025年から2026年の給付額の変化や支給要件、申請方法、毎年の手続きの有無までわかりやすく解説

【2026年4月から増額】年金生活者支援給付金はいくら上がる?低年金のシニアを支える月額基準と支給条件を確認
3月は年度末を迎え、新年度からの制度変更や年金改定が気になる時期です。特に年金を主な収入として生活するシニア世帯では、物価高の影響を受けて「年金だけで生活できるのか」と不安を感じる人も少なくありません。
こうした低年金の高齢者などを支える制度として設けられているのが「年金生活者支援給付金」です。この制度は、一定の所得以下の年金受給者に対して、年金に上乗せする形で支給される国の給付制度で、老齢年金だけでなく障害年金や遺族年金の受給者も対象となる場合があります。
2026年4月分(6月振込分)からは給付額の基準が見直され、金額が増額される予定です。
ただし、受給するには所得や年金額などの条件を満たす必要があり、場合によっては申請が必要となります。本記事では、年金生活者支援給付金の増額内容や支給要件、申請方法、毎年の手続きの必要性などを整理して解説します。
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年金額は人それぞれ|老後の収入には個人差が生まれる
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で15万円台です。

国民年金の平均月額(男女全体・男女計)

厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)
ただしグラフのように、厚生年金を月額30万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額3万円未満となる人まで、幅広い受給額ゾーンにちらばっています。
年金とその他の所得を含めても一定基準以下の所得となる場合、「年金生活者支援給付金」の支給対象となる可能性があります。
2026年度は増額へ|年金生活者支援給付金の月額はいくらになる?
年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得額が一定基準以下の年金生活者を支援するために、2019年にスタートした制度です。給付金は2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。
受給中の年金によって、以下3種類の年金生活者支援給付金があり、それぞれに、支給要件と支給額(基準額)が設定されています。
・老齢年金生活者支援給付金
・障害年金生活者支援給付金
・遺族年金生活者支援給付金
【2025年→2026年】年金生活者支援給付金の支給金額
2026年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から3.2%引き上げとなりました。

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
【2026年度】
・老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5620円
・障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
・遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円
老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。
上記はいずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分まとめて、年金に上乗せされます。上記の金額通り受給できる場合、1回の支給で約1万1000円、年額にすると約6万7000円受け取れます。
なお、「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4146円、障害年金生活者支援給付金5727円、遺族年金生活者支援給付金5228円です。
※2025年3月において認定されている平均給付金額です。
年金に上乗せ支給される条件|年金生活者支援給付金の対象要件
年金生活者支援給付金の支給要件について見ていきましょう。
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が479万4000円以下の人です。
給付金の判定に用いる所得は、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、扶養親族などの数に応じて、所得の基準額は上がります。
「老齢年金生活者支援給付金」については、本人の所得以外の要件がいくつか加わります。
「老齢年金生活者支援給付金」支給対象

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下
老齢年金生活者支援給付金の判定にも、障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
また「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生じないように、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
補足的老齢年金生活者支援給付金
昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。
申請しないともらえない?9月に届く「緑の封筒」の意味
年金生活者支援給付金を受け取るためには、請求手続きが必要となります。支給対象になったら自然に年金に上乗せされるわけではありません。
すでに年金を受給中の人で、所得が下がり年金生活者支援給付金の対象となった場合は、毎年9月1日以降、順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます)。
【毎年9月に順次送付】すでに年金受給中の人に「緑の封筒が届いたら」

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
※すでに年金を受け取っている方の中でも、繰上げ受給をしている場合は書類の様式が異なります。
なお、これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に、老齢基礎年金の請求書に同封されて給付金請求書が届きます。同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。
手続きは毎年必要?
年金生活者支援給付金は、一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続き不要で継続受給が可能です。
継続支給の判定結果は前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。支給対象外となった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。
なお、毎年度(4月分から)の支給金額は、毎年6月上旬に送付される「年金生活者支援給付金 支給金額(改定)通知書」および「年金生活者支援給付金 振込通知書」で確認できます。
はがき型請求書で申請|9月1日から順次送付、手続き方法は?
すでに年金を受給中の人が、所得の低下などにより新たに年金生活者支援給付金の対象となった場合、例年9月の第1営業日(2025年は9月1日)以降順次、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が発送されています。

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金手続きのご案内リーフレット」
同封のはがき(年金生活者支援給付金請求書)に必要事項を記入し、記載された提出期限までに届くよう、切手を貼って返送しましょう。
提出期限を過ぎてしまっても手続きは可能です。ただし、2026年1月5日までに請求書が届かなかった場合、請求した月の翌月分からの支給となり、「2025年10月分から2026年1月分」の年金生活者支援給付金は受給できなくなります。
なお、2025年1月以降に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は、スマートフォンとマイナンバーカードで「電子申請による提出」が可能となっています。
低年金世帯を支える「年金生活者支援給付金」2026年度の増額と受給条件を確認
年金生活者支援給付金は、所得が一定以下の年金受給者に対して年金に上乗せして支給される国の制度で、老齢年金だけでなく障害年金や遺族年金の受給者も対象となる場合があります。
2026年4月分からは基準額が見直され、給付額が増額される予定となっています。物価上昇が続くなか、年金収入だけでは生活が厳しいと感じている人にとっては、家計を支える重要な制度といえるでしょう。
ただし、この給付金は対象条件を満たしていても申請しなければ受給できないケースがあります。日本年金機構から9月頃に届く「緑の封筒」の案内や請求書はがき型の書類を確認し、必要な手続きを行うことが大切です。
3月は新年度前の制度確認をするよいタイミングでもあります。自分が対象になる可能性があるか、給付額や手続き方法を早めにチェックしておきましょう。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和7年度版)」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
・総務省「個人住民税」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金手続きのご案内リーフレット」
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