【いまどき70歳代の暮らしとお金】「平均貯蓄額」と「年金受給月額」はどれくらい?《夫婦二人の生活費》平均は月いくら?

シニアの医療費負担は年齢とともに増加。データで見る年代別の推移

【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均と中央値から見える、家計の現在地, 厚生年金の平均受給月額はいくら?男女差や受給額の分布から実情を解説, 厚生年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 国民年金の平均受給月額は?男女差と最も多い受給額帯をデータで確認, 国民年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 65歳以上・夫婦のみ無職世帯における家計収支の実態とは, シニアの医療費負担は年齢とともに増加。データで見る年代別の推移, 60歳以上における1人あたり医療費の推移

【いまどき70歳代の暮らしとお金】「平均貯蓄額」と「年金受給月額」はどれくらい?《夫婦二人の生活費》平均は月いくら?

桜のつぼみも膨らみはじめ、春の訪れを実感する日が増えてきました。

3月下旬、年度末のこの時期に、これからのセカンドライフについて思いを巡らせている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に、お金に関する悩みは尽きないものです。

「同世代の70歳代は、一体どれくらいの貯蓄を持っているのだろう」「今の年金収入だけで、この先の生活は本当に大丈夫だろうか」といった不安は、多くの方が抱えているかもしれません。

この記事では、70歳代の平均的な貯蓄額や年金の受給額、そして毎月の生活費といった公的なデータを基に、シニア世代の家計のリアルな姿を詳しく解説します。

ご自身の家計状況と照らし合わせながら、これからの暮らしをより安心で豊かなものにするためのヒントを探していきましょう。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均と中央値から見える、家計の現在地

金融広報中央委員会が運営する情報サイト「知るぽると」の「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」を参考に、70歳代で二人以上世帯が保有する金融資産の状況を見ていきましょう。

※この調査における金融資産とは、預貯金に加えて株式や投資信託、生命保険などを指します。ただし、日常的に決済で利用する普通預金口座の残高は対象外です。

【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均と中央値から見える、家計の現在地, 厚生年金の平均受給月額はいくら?男女差や受給額の分布から実情を解説, 厚生年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 国民年金の平均受給月額は?男女差と最も多い受給額帯をデータで確認, 国民年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 65歳以上・夫婦のみ無職世帯における家計収支の実態とは, シニアの医療費負担は年齢とともに増加。データで見る年代別の推移, 60歳以上における1人あたり医療費の推移

70歳代の貯蓄額(二人以上世帯)

70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は2416万円となっています。

しかし、平均値は一部の富裕層が金額を大きく引き上げている可能性があるため、より実態に近いとされる中央値も確認すると1178万円です。

世帯ごとの貯蓄額の詳しい分布は以下の通りです。

・金融資産非保有:10.9%

・100万円未満:4.5%

・100~200万円未満:5.1%

・200~300万円未満:3.7%

・300~400万円未満:3.9%

・400~500万円未満:2.9%

・500~700万円未満:6.4%

・700~1000万円未満:6.7%

・1000~1500万円未満:11.1%

・1500~2000万円未満:6.7%

・2000~3000万円未満:12.3%

・3000万円以上:25.2%

・無回答:0.6%

金融資産を全く保有していない世帯が10.9%存在する一方で、3000万円以上の資産を保有する世帯も25.2%にのぼります。

この結果から、70歳代の二人以上世帯では、資産状況に大きな開きがあることがわかります。

貯蓄額が300万円に満たない世帯が合計で13.3%いる一方で、1000万円以上の資産を持つ世帯も多数存在しており、老後の経済状況は家庭によって大きく異なるようです。

老後の資産形成は、現役時代の就労形態や退職金の有無、健康状態といった多様な要因に左右されます。

また、公的年金の受給額も、個人の加入履歴によって一人ひとり異なります。

もし貯蓄額に不安がある場合、年金収入のみで生活を維持していくのは簡単ではないかもしれません。

安心して老後を送るためには、各家庭の状況に応じた生活設計を立てることが重要になります。

健康なうちは短時間でも就労したり、不動産や投資から収入を得たりするなど、早めに対策を検討することが、将来の安心につながるのではないでしょうか。

厚生年金の平均受給月額はいくら?男女差や受給額の分布から実情を解説

続いて、厚生労働省が公表している「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、厚生年金の平均的な受給月額を確認します。

【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均と中央値から見える、家計の現在地, 厚生年金の平均受給月額はいくら?男女差や受給額の分布から実情を解説, 厚生年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 国民年金の平均受給月額は?男女差と最も多い受給額帯をデータで確認, 国民年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 65歳以上・夫婦のみ無職世帯における家計収支の実態とは, シニアの医療費負担は年齢とともに増加。データで見る年代別の推移, 60歳以上における1人あたり医療費の推移

厚生年金「平均年金月額&月額階級別受給権者」

厚生年金の被保険者にはいくつかの種別がありますが、ここでは主に民間企業に勤務していた方が対象となる「厚生年金保険(第1号)」の月額について解説します。

※ここで紹介する厚生年金の月額には、基礎年金である国民年金分も含まれています。

厚生年金の平均受給月額の内訳

・全体:15万289円

・男性:16万9967円

・女性:11万1413円

厚生年金受給者全体の平均月額は15万289円です。

男女別で比較すると、男性が約17万円であるのに対し、女性は約11万円と、5万円以上の差が生じているのが実情です。

受給額の分布状況:月額階級別の受給者数

・1万円未満:4万3399人

・1万円~2万円未満:1万4137人

・2万円~3万円未満:3万5397人

・3万円~4万円未満:6万8210人

・4万円~5万円未満:7万6692人

・5万円~6万円未満:10万8447人

・6万円~7万円未満:31万5106人

・7万円~8万円未満:57万8950人

・8万円~9万円未満:80万2179人

・9万円~10万円未満:101万1457人

・10万円~11万円未満:111万2828人

・11万円~12万円未満:107万1485人

・12万円~13万円未満:97万9155人

・13万円~14万円未満:92万3506人

・14万円~15万円未満:92万9264人

・15万円~16万円未満:96万5035人

・16万円~17万円未満:100万1322人

・17万円~18万円未満:103万1951人

・18万円~19万円未満:102万6888人

・19万円~20万円未満:96万2615人

・20万円~21万円未満:85万3591人

・21万円~22万円未満:70万4633人

・22万円~23万円未満:52万3958人

・23万円~24万円未満:35万4人

・24万円~25万円未満:23万211人

・25万円~26万円未満:15万796人

・26万円~27万円未満:9万4667人

・27万円~28万円未満:5万5083人

・28万円~29万円未満:3万289人

・29万円~30万円未満:1万5158人

・30万円以上:1万9283人

月額階級別の受給者数を見ると、最も人数が多いのは「10万円以上~11万円未満」の層で、111万2828人でした。

国民年金の平均受給月額は?男女差と最も多い受給額帯をデータで確認

次に、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、自営業者や厚生年金の加入期間がなかった方などが受給する、国民年金(老齢基礎年金)の月額について見ていきます。

【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均と中央値から見える、家計の現在地, 厚生年金の平均受給月額はいくら?男女差や受給額の分布から実情を解説, 厚生年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 国民年金の平均受給月額は?男女差と最も多い受給額帯をデータで確認, 国民年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 65歳以上・夫婦のみ無職世帯における家計収支の実態とは, シニアの医療費負担は年齢とともに増加。データで見る年代別の推移, 60歳以上における1人あたり医療費の推移

国民年金「平均年金月額&月額階級別受給権者」

国民年金の平均受給月額の内訳

・全体:5万9310円

・男性:6万1595円

・女性:5万7582円

国民年金の平均月額を男女別に見ると、約4000円の差があります。

この差は、保険料の納付期間や免除期間の違いなどが影響していると考えられます。

受給額の分布状況:月額階級別の受給者数

・1万円未満:5万1828人

・1万円~2万円未満:21万3583人

・2万円~3万円未満:68万4559人

・3万円~4万円未満:206万1539人

・4万円~5万円未満:388万83人

・5万円~6万円未満:641万228人

・6万円~7万円未満:1715万5059人

・7万円以上:299万7738人

国民年金の受給額で最も多いのは「6万円以上7万円未満」の層であり、多くの方が満額に近い年金を受給していることがうかがえます。

一方で、受給額が5万円未満の方も少なくなく、個人の納付状況によって受給額に差が出ることが特徴です。

このように、国民年金は一律の金額が支給されるわけではなく、一人ひとりの加入履歴に応じて支給額が変わる仕組みとなっています。

65歳以上・夫婦のみ無職世帯における家計収支の実態とは

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」を基に、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」における標準的な家計収支を確認していきましょう。

【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均と中央値から見える、家計の現在地, 厚生年金の平均受給月額はいくら?男女差や受給額の分布から実情を解説, 厚生年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 国民年金の平均受給月額は?男女差と最も多い受給額帯をデータで確認, 国民年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 65歳以上・夫婦のみ無職世帯における家計収支の実態とは, シニアの医療費負担は年齢とともに増加。データで見る年代別の推移, 60歳以上における1人あたり医療費の推移

65歳以上の生活費

収入:25万4395円

うち社会保障給付(主に年金):22万8614円

支出:29万6829円

うち消費支出:26万3979円

・食料:7万8964円

・住居:1万7739円

・光熱・水道:2万3540円

・家具・家事用品:1万1237円

・被服及び履物:5354円

・保健医療:1万7941円

・交通・通信:3万1325円

・教育:0円

・教養娯楽:2万6538円

・その他の消費支出:5万1341円

うち非消費支出:3万2850円

・直接税:1万2547円

・社会保険料:2万296円

家計収支

・ひと月の赤字:4万2434円

・エンゲル係数(※消費支出に占める食料費の割合):29.9%

・平均消費性向(※可処分所得に対する消費支出の割合):119.2%

このモデル世帯の月間収入は25万4395円で、その大半を公的年金などの社会保障給付が占めています。

一方、月間の支出は29万6829円です。内訳を見ると、食費や光熱費といった生活に必要な消費支出が26万3979円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万2850円となっています。

結果として、毎月の家計は4万2434円の赤字となり、不足分は貯蓄から補填する必要があります。

これを年間に換算すると、約51万円を取り崩す計算になります。

シニア世代は現役世代に比べて安定した収入を得るのが難しいため、このような慢性的な赤字は、長期的に見ると貯蓄を大きく減らす原因になりかねません。

現在の貯蓄額を考慮しつつ、家計の見直しや健康状態に合わせた短時間の就労など、可能な範囲で対策を講じることが、老後の生活を安定させる鍵となるでしょう。

シニアの医療費負担は年齢とともに増加。データで見る年代別の推移

【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均と中央値から見える、家計の現在地, 厚生年金の平均受給月額はいくら?男女差や受給額の分布から実情を解説, 厚生年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 国民年金の平均受給月額は?男女差と最も多い受給額帯をデータで確認, 国民年金の平均受給月額の内訳, 受給額の分布状況:月額階級別の受給者数, 65歳以上・夫婦のみ無職世帯における家計収支の実態とは, シニアの医療費負担は年齢とともに増加。データで見る年代別の推移, 60歳以上における1人あたり医療費の推移

年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)

シニア世代の医療費は、年齢が上がるにつれて増加する傾向が見られます。

厚生労働省の「年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)」によれば、60歳以上の各年齢層における1人当たりの年間医療費と、その中で「入院+食事・生活療養」が占める割合は以下の通りです。

60歳以上における1人あたり医療費の推移

・60~64歳:38万円

・65~69歳:48万1000円

・70~74歳:61万6000円

・75~79歳:77万3000円

・80~84歳:92万2000円

・85~89歳:107万1000円

・90~94歳:117万9000円

・95~99歳:125万8000円

・100歳以上:123万2000円

年間の医療費は、60歳代前半の38万円から90歳代後半には125万円超へと、約3.3倍に増加します。

この増加の主な要因は、「入院+食事・生活療養」に関連する費用です。

70歳代までは通院治療が中心であるものの、80歳代になると医療費の半分以上を「入院+食事・生活療養」が占めるようになり、90歳代ではその割合が70%近くにまで上昇します。

公的な高額療養費制度を活用しても、毎月の上限額までは自己負担が発生します。

さらに、食事代や差額ベッド代(全額自己負担)といった追加の出費が続く可能性も考慮しておく必要があるでしょう。

まとめ

本記事では、70歳代の貯蓄額、年金受給額、そして生活費に関する多様なデータをご紹介しました。

平均値を見ると不安を感じるかもしれませんが、重要なのはご自身の状況を客観的に理解し、実情に合った生活設計を立てることです。

公的なデータはあくまで参考情報として捉え、ご自身の価値観やライフスタイルを尊重しながら、今後の家計を見直してみてはいかがでしょうか。

例えば、固定費を削減したり、楽しみながら継続できる節約術を探したりするのも一つの方法です。

また、公的な支援制度や地域のサービスに関する情報を事前に集めておくことも、万が一の際に役立つでしょう。

穏やかで自分らしいセカンドライフを実現するために、まずは身近なことから少しずつ準備を始めてみることをおすすめします。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」

・厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」

・厚生労働省「年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)」

関連記事

【住民税課税世帯でも申請できる】給付金・手当・減免制度12選|知らないと受け取れない支援をチェック

【2026年度開始】75歳以上の後期高齢者も負担する「子ども・子育て支援金」月額の目安額はいくら?

【元機関投資家が決算分析】ANYCOLORの業績好調も株価下落はなぜ?知らない企業を分析するプロの手順とは