【シンガポール】10%以上の減収、3割が予想[経済]NNA中東情勢アンケート(中)

【シンガポール】10%以上の減収、3割が予想[経済] NNA中東情勢アンケート(中)

NNAがアジアで事業を行う日系企業に中東情勢の影響を尋ねたアンケートで、中東危機が今年7月ごろまで続いた場合、現地拠点の売上高が減少するとの予想が過半数を占めた。このうち10%以上減少するとの予想は30%を超えた。中東危機を踏まえ、現地拠点で着手した対策を尋ねたところ、「効率化によるコスト削減」や「代替部品・原料の導入」、「各種サービス・商品の値上げ」が多数を占めた。

「現在の中東危機があと3カ月(今年7月ごろまで)続いた場合、現地拠点の売り上げにどの程度影響があると予想しますか」との質問に、30.7%が「10%以上の減収」と回答した。「10%未満の減収」は26.3%で、合わせて57.0%が減収を予想した。一方、「わからない」も30.0%に上り、現時点で売り上げへの影響を測りかねている実態も浮かび上がった。このほか「影響はほぼない」が11.8%。「売り上げに追い風になる」はわずか1.1%だった。

回答者の国・地域別で、「10%未満の減収」と「10%以上の減収」の割合が最も高かったのはインドで70.0%だった。うち47.5%が10%以上の減収とみており、業績を悲観する傾向が他国・地域と比べて顕著だった。オーストラリアは68.8%、インドネシアは64.7%が減収を予想し、これに韓国(63.7%)、香港(61.1%)が続いた。

業種別で減収予想の割合が最も高かったのは、「繊維」の71.5%だった。繊維業界では原油価格の高騰で原材料価格も上昇しており、回答者からは今後懸念している影響として「染料、糸などの原材料のさらなる値上げ」(タイ/繊維)が挙がった。

繊維に次いで割合が高かったのは「鉄鋼・金属」(68.4%)。「石油・化学・エネルギー」も64.3%に上った。インドの石油・化学・エネルギー業界の関係者は、原材料費の上昇分を製品価格に転嫁できないことで利益率が低下することに懸念を示した。

■燃料節約「様子見」が圧倒的多数

アジアの国・地域では燃料節約のため、政府から在宅勤務の奨励などの通達が出ているところもある。アンケートでは、日系企業の現地拠点で燃料節約に向けた取り組みを実施しているかを尋ねた(検討中のものも含めて3つまで選択可)。

その結果、最も回答が多かったのは「現状では様子見」で583件に上った。中東情勢が目まぐるしく変化する中、多くの日系企業が燃料の節約に関しては事態を見守っていることが分かった。これに「政府から燃料節約の通達が出ていない」が113件、「節電の強化」が74件でそれぞれ続いた。

「社員の出張や移動の制限」(32件)、「在宅勤務の日数を増やした」(29件)といった回答は少数だった。現時点で原油価格の高騰が日常業務に及ぼす影響は限定的なようだが、「社員食堂での燃料使用量低減」(インド/石油・化学・エネルギー)、「通勤時の燃料費補助増額」(ベトナム/金融・保険・証券)といった回答もあった。

■対策「効率化によるコスト削減」が最多

中東危機を踏まえ、現地拠点で着手した対策(3つまで選択可、検討中の対策含む)を尋ねたところ、「効率化によるコスト削減」(262件)と「代替部品・原料の導入」(247件)、「各種サービス・商品の値上げ」(243件)が多かった。一方で、「人員削減やシフトの調整」は66件にとどまった。

中東情勢の先行きが不透明な中でも何らかの対策に乗り出している日系企業が多いことが見て取れたが、その他の回答では、対応について未着手または様子見との回答も30件余りあった。