【住民税非課税世帯】が対象の8つの優遇措置とは?《国民健康保険料の減額・介護保険料の負担軽減》などを見てみる!
- 住民税非課税世帯が受けられる8つの優遇措置とは?
- 1. 国民健康保険料の減額
- 2. 介護保険料の負担軽減
- 3. 国民年金保険料の免除・納付猶予
- 4. 高額療養費の自己負担上限額引き下げ
- 5. NHK受信料の免除
- 6. 0歳〜2歳児の保育料無償化
- 7. 高等教育の修学支援新制度
- 8. 自治体独自の支援策
- 住民税非課税世帯の定義と仕組み
- 住民税の基本:「均等割」と「所得割」とは
- 住民税が非課税となる3つの条件
- 【神戸市の例】住民税非課税の所得基準額の計算式
- 【神戸市の例】給与・年金収入別の非課税年収目安
- 配偶者や扶養家族がいる場合
- 住民税非課税世帯に関するよくある質問
- Q. 非課税世帯になると将来の年金は減りますか?
- Q. 預貯金が多くても非課税世帯になれますか?
- 優遇措置を理解して家計管理に活かそう
【神戸市の例】給与・年金収入別の非課税年収目安はいくら?

【住民税非課税世帯】が対象の8つの「優遇措置」とは?《国民健康保険料の減額・介護保険料の負担軽減》などを見てみる!
新年度が始まり、日々の生活にも少しずつ変化が訪れる4月は、1年間の家計計画を見直すのに適した時期です。
6月になると、前年の所得に基づいて計算された「住民税」の通知書が手元に届く方もいるでしょう。
この税負担の有無は、家計の支出に大きな影響をあたえますが、実は住民税が「非課税」になることで得られるメリットは、一時的な給付金に限りません。
この記事では、住民税非課税世帯が活用できる「8つの優遇措置」について、一つひとつ丁寧に解説します。
また、「年収がいくらまでなら対象になるのか」という疑問に対し、給与所得者から年金受給者まで、具体的なケース別に年収の目安を網羅しました。
制度への理解を深め、新年度の家計管理にぜひお役立てください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
住民税非課税世帯が受けられる8つの優遇措置とは?
住民税非課税世帯とは、世帯全員の所得が一定の基準を下回っている世帯を指します。
このような世帯の生活を支えるため、国や自治体は一時的な給付金だけでなく、さまざまな優遇措置を用意しています。
ここでは、その代表的な8つの制度をご紹介します。

【一覧表】住民税非課税世帯への優遇措置
1. 国民健康保険料の減額
・所得に応じて、保険料のうち均等割・平等割が「7割・5割・2割」のいずれかの割合で減額されます。この措置は自治体が自動で判定するため申請は不要で、年間の負担が数万円単位で軽くなることもあります。
2. 介護保険料の負担軽減
・65歳以上の第1号被保険者を対象として、介護保険料が減額されます。軽減される割合は自治体によって異なりますが、負担が大きく軽減されるケースもあります。
3. 国民年金保険料の免除・納付猶予
・経済的な事情で保険料を納めるのが難しい場合、申請により全額免除、一部免除、納付猶予のいずれかの措置を受けられます。この制度を利用すると、免除期間も将来の年金受給額に一部反映されるというメリットがあります。
4. 高額療養費の自己負担上限額引き下げ
1カ月あたりの医療費における自己負担の上限額が、課税世帯よりも低く設定されています。これにより、高額な医療費がかかった際の経済的な心配が和らぎます。
5. NHK受信料の免除
受信料が全額または半額免除されます。世帯に障がいのある方がいる場合や、生活保護を受給している場合などが主な対象です。
6. 0歳〜2歳児の保育料無償化
0歳から2歳クラスの子どもの保育料が無料になります。3歳からの無償化と合わせると、小学校に入学するまでの子育て費用を大幅に抑えることにつながります。
7. 高等教育の修学支援新制度
大学や専門学校などへの進学にあたり、授業料・入学金の免除や、返済不要の給付型奨学金を受けられます。経済的な理由で進学を諦めることがないよう支援するための制度です。
8. 自治体独自の支援策
水道料金の基本料金免除や、指定ゴミ袋の無料配布、公共交通機関で使える無料乗車券の交付など、各自治体が独自の支援策を実施しています。お住まいの地域によって支援の内容や金額は異なります。
住民税非課税世帯と聞くと、年金で暮らす高齢者世帯をイメージするかもしれませんが、失業中の方や育児休業で一時的に所得が減った世帯、所得が一定以下のフリーランスなども対象になり得ます。
それでは次に、住民税非課税世帯はどのような条件で決まるのかを詳しく見ていきましょう。
住民税非課税世帯の定義と仕組み
まず、住民税がどのような仕組みで成り立っているのかを理解し、どういった場合に住民税非課税世帯となるのかを確認していきましょう。
住民税の基本:「均等割」と「所得割」とは

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造
住民税は、私たちが住んでいる都道府県や市区町村に納める地方税の一種で、地域の公共サービスを支えるための大切な財源として使われています。
個人の住民税は、主に「均等割」と「所得割」という2つの要素で構成されています。
・均等割:所得の金額にかかわらず、一定以上の所得がある方に等しく課される税金
・所得割:前年の所得金額に応じて課される税金
この均等割と所得割の両方が課税されない状態を「住民税非課税」と呼びます。そして、「住民税非課税世帯」とは、その世帯に属する全員が住民税非課税の状態である世帯のことです。
なお、住民税には「所得割のみ非課税」というケースも存在します。
この場合に給付金などの支援対象になるかどうかは自治体の判断によるため、お住まいの市区町村の情報を確認することが重要です。
住民税が非課税となる3つの条件
では、具体的にどのような場合に住民税が非課税になるのでしょうか。
主に、以下のいずれかの条件に当てはまる場合に住民税が非課税となります。
・生活保護法にもとづく生活扶助を受けている
・障害者、未成年者、寡婦またはひとり親のいずれかに該当し、前年の合計所得金額が135万円以下である
・前年の合計所得金額が、居住する市区町村の定める基準額以下である
上記の1と2は全国共通の条件ですが、3の所得に関する基準額は市区町村ごとに異なるため注意が必要です。
【神戸市の例】住民税非課税の所得基準額の計算式
住民税非課税世帯となる所得の基準は、それぞれの自治体が定めています。ここでは兵庫県神戸市のケースを例に解説します。

均等割も所得割もかからない人(非課税者)
神戸市における「非課税となる所得の基準額」は、次の計算式で算出しています。
35万円×(本人+同一生計配偶者(※)+扶養親族数)+10万円+21万円
ただし、計算式の最後にある21万円は、同一生計配偶者(※)または扶養親族がいる場合にのみ加算されます。
※同一生計配偶者とは、納税義務者と生計を同一にする配偶者で、前年の合計所得金額が58万円以下の人を指します。
【神戸市の例】給与・年金収入別の非課税年収目安
住民税が非課税になる所得基準は、扶養家族の有無だけでなく、収入の種類によっても変わってきます。
所得は収入から必要経費や各種控除を差し引いて計算されるため、神戸市の基準を具体的な「年収」に換算して確認してみましょう。

住民税非課税世帯に該当する世帯
単身世帯の場合
合計所得金額が45万円以下の方が対象です。
・給与収入のみ:年収110万円以下
・年金収入のみ(65歳以上):年収155万円以下
・年金収入のみ(65歳未満):年収105万円以下
配偶者や扶養家族がいる場合
合計所得金額が101万円以下の方が対象です。
・給与収入のみ:年収166万円以下
・年金収入のみ(65歳以上):年収211万円以下
・年金収入のみ(65歳未満):年収171万3334円以下
例えば単身世帯の場合、給与収入のみであれば年収110万円以下、65歳以上で年金収入のみであれば年収155万円以下が非課税の目安となります。
同一生計配偶者や扶養親族がいると、非課税となる収入の基準額は上がります。
特に65歳以上で年金収入のみの世帯では、扶養者が1人いるだけで非課税ラインは年収211万円以下となり、単身世帯と比べて基準が大きく緩和されることがわかります。
このように、家族構成や収入の種類によって、住民税が課税されるかどうかのラインは大きく変わるのです。
住民税非課税世帯に関するよくある質問
制度を利用するにあたり、メリットだけでなく「将来への影響」や「資産の扱い」に不安を感じる方も少なくありません。
ここでは、特によくある2つの疑問にお答えします。
Q. 非課税世帯になると将来の年金は減りますか?
A:国民年金保険料の「免除制度」を利用した場合、将来の受給額は満額納付した時より少なくなりますが、未納のままにするよりは格段に有利です。
住民税非課税世帯になると、国民年金保険料の免除(全額・半額など)を申請できます。
「全額免除」が承認された期間は、保険料を一切支払わなくても、将来受け取る年金額には「2分の1」が国庫負担(税金)によって反映されます。
もし申請せずに「未納」のままにしてしまうと、その期間は将来の年金額に全く反映されません。
それだけでなく、万が一の際に障害年金や遺族年金を受け取れなくなるリスクも生じます。
ワンポイント・アドバイス
経済的に余裕ができた際には、10年以内であれば免除された保険料を後から納める「追納」が可能です。
追納することで、将来の受給額を満額に近づけることができます。
Q. 預貯金が多くても非課税世帯になれますか?
A:はい、なれます。住民税の判定は「前年の所得」にもとづいて行われるため、現時点での貯蓄額や資産の有無は直接的には関係ありません。
住民税は「フロー(その年にどれだけ稼いだか)」に対して課される税金であり、「ストック(どれだけ資産を持っているか)」を基準とはしていません。
そのため、仮に多額の預貯金や不動産を所有していても、前年の所得が自治体の定める基準以下であれば、住民税非課税世帯と認定されます。
ただし、以下の点には注意が必要です。
利子・配当所得: 預貯金の利子や株式の配当金、売却益などが一定額以上あり、確定申告をした場合は「所得」として扱われるため、非課税ラインを超える可能性があります。
特定の給付金: 自治体が独自に実施する給付金制度などでは、所得制限に加えて「資産(預貯金額)が一定以下であること」を条件とするケースがまれにあります。
優遇措置を理解して家計管理に活かそう
住民税が非課税になることで受けられる優遇措置は、日々の暮らしを支えてくれる心強い制度です。
例えば神戸市では、65歳以上の単身者なら年収155万円、配偶者を扶養している場合は年収211万円といった「非課税のボーダーライン」が設定されています。
この基準を把握しておくことは、将来の安心につながる第一歩といえるでしょう。
一度きりの支援だけでなく、継続的に利用できる制度を賢く活用することが、家計にゆとりを生むための鍵となります。
新年度という節目に、ご自身の世帯状況と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・総務省「個人住民税」
・神戸市「住民税(市県民税)とは」
・神戸市「いくらまでの収入なら住民税(市県民税)が課税されませんか?」
・総務省「個人住民税」
・厚生労働省「高額療養費制度について」
・大阪市「介護保険料の減免及び軽減について」
・文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
・こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」
・NHK「受信料免除の対象となる方について」
・日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
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