中山美穂さん“遺産20億円”放棄報道は他人事じゃない?税理士が警告する“相続の落とし穴”と今やるべきこと

中山美穂さん(C)ピンズバNEWS
参議院財政金融委員会が注目を集めたのは4月9日のことである。参政党に所属する塩入清香議員が片山さつき財務大臣に対してこう質したのだ。
「中山美穂さんのご子息が20億円の遺産相続を放棄され、その相続税が11億。相続税の負担の重さについて、国民の間で大きな関心が高まっている」
塩入議員は、現行の制度では資産規模が大きい場合は相続税の支払いが困難となり、相続放棄が起きていると指摘。国際的に見たときに日本の相続税は、高水準であると示唆したのだ。
もちろん相続人が相続放棄を選択する場合、被相続人の借金を支払う義務もなくなる。そのため相続放棄は必ずしも税負担を避ける制度というわけではない。債務超過などのケースでも選択されることもある法的手段だ。
そうしたなか、前述の国会でのやりとりに強い関心を示したのは現在、都内で暮らす太田仁さん(74・仮名)。太田さんは、5歳年下の妻との間に2人の息子がいるという。
長年一部上場企業で働いてきた太田さんが持つ資産は現預金で5000万円ほど。自身と妻が都内で暮らす3LDKのマンションもすでにローンは完済しているそうだ。こちらのマンションの築年数は30年超。しかし、23区内にある最寄り駅から徒歩で10分圏内という好立地にあることから、近年の不動産価格上昇の波にも乗っている。そのため不動産会社から届く物件の推定評価額はおよそ1億2000万円だ。
かつてお茶の間を沸かせたアイドルの身に降りかかった相続騒動を前に、このまま自身の身にも万が一のことが起これば、残された妻と2人の息子は莫大な相続税を支払う必要に迫られるのではないか――と不安になった太田さん。
今回は太田さんのケースを基に、生前に行なうべきお金に関する“終活方法”を、税理士法人アクシア代表で税理士の曽根隆寛氏と共に検証する。
■不動産の市場価格がそのまま相続税の対象にならない理由
現在、太田さんが所有する資産は現預金で5000万円と夫婦で暮らすマンションだ。こちらの市場価格は1億2000万円ほどだという。このまま自分の身に万が一のことが起きれば、1億7000万円分の資産に相続税が加算されるのではないか、と恐ろしくなった太田さん。
しかし、現在、自身が妻と暮らすマンションは太田さんが亡くなったとしてもそれを相続する人に市場価格と同じ金額で相続税が掛かるわけではないという。
一般的な不動産については、土地は“路線価”、建物は“固定資産税評価額”によって相続税評価額が決まるという。これらは現在の市場価格である“取引価格”と比べると低く算出されるのだ。
都市部の道路には価格がついており、土地の値段は、その価格がついた道路に接している面積を掛けて算出する。この路線価は地域差が大きい。仮に路線価が13万円だとすれば接する土地は1平方メートルで13万円となる。この路線価は通常の取引価格よりも2割ほど安いとされている。
太田さんの手元へ毎年6月頃に自治体から送られてくる固定資産税の課税明細書を見てみると、建物部分の固定資産税評価額は3000万円。マンションが建つ土地全体の評価額は15億円。マンションは敷地を区分所有者で共有しており、その敷地権割合に応じて土地評価額が按分される。太田さんの自宅マンション分の土地評価額は750万円ほどとなる。
所有マンションへ課税される金額は当然、物件の条件により変動するが太田さんのマンションの場合だと3750万円ほどが相続税の課税対象となる計算だ。
つまり、太田さんが亡くなった場合、課税対象となる資産の額は8750万円だ。
太田さんの資産を相続するのは自身の妻と息子2人。相続税には基礎控除がある。この金額は3000万円、そこに600万円を相続人数で掛けた数字が加算される。そのため、3人の相続人がいる太田家の場合4800万円が基礎控除額となる。
8750万円から4800万円を引くと残りは3950万円。
これを法定相続分にのっとって分けると、妻の手には1975万円が渡り、息子2人にはそれぞれ987万5000円が手渡されることになる。
法定相続分通りに相続税の計算を行なうと妻にはおよそ240万円、息子2人はそれぞれ約100万円の合計約440万円が相続税総額となる。
これを実際の割合で按分すると、配偶者である太田さんの妻にかかる相続税分は約220万円。しかし、相続税の申告を行なえば、妻には配偶者の税額軽減が適用される。これは軽減措置により1億6000万円あるいは法定相続分相当額のいずれか大きい額まで無税となる制度だ。結果として妻の相続税額はゼロになる。
息子2人への課税額はそれぞれ約110万円ずつだ。これを知った太田さんはホッと胸をなでおろおしたという。
「散財もせずに一生懸命働いてきたので、普通の人よりは財産があるつもりでした。それを相続するとなった段階で多額の税金を取られると思うとゾっとしてしまって……。しかし、これなら自分が死んでも子供や妻に大きな負担はかけずに済みそうですね」
しかし、実際には更に相続税を軽減させる制度が世の中には存在するという。そんなお得な制度を後半では税理士法人アクシア代表で税理士の曽根隆寛氏が解説する。
■相続で何よりも大切なのは“準備”
――現状、太田家では息子2人にかかる相続税の負担額が約110万円です。この負担額を下げることはできないのでしょうか。
今回のケースでは、ご子息2人にかかる相続税はそれぞれ約110万円とされていますが、生前贈与を計画的に活用することで、その負担を大きく軽減し、結果としてゼロに近づけることは十分考えられます。代表的なのが暦年贈与で、受贈者ごとに年間110万円までであれば、原則として贈与税はかかりません。
もっとも、注意したいのは、110万円の相続税をなくすために110万円を1回贈与すれば足りる、というわけではないという点です。相続税は税額そのものを直接減らすのではなく、将来の相続財産を減らすことで結果として税負担を下げる仕組みです。そのため、実際にどの程度の贈与が必要かは、相続財産全体の額や、誰にどの財産を承継させるのかによって変わります。
また、現在の制度では、相続開始前の一定期間に行なった贈与は相続税の計算上持ち戻しの対象となり、令和13年1月1日以後の相続では原則として死亡前7年以内の贈与が加算対象になります。したがって、生前贈与を使うのであれば、相続直前に慌てて行なうのではなく、できるだけ早めに、毎年継続して、記録を残しながら進めることが重要です。
―― 生前贈与以外に有効な相続税対策はあるのでしょうか。また、生前にマンションの名義人を変更するなどの手段は有効な相続税対策となるのでしょうか。
相続時に使える制度を整理して検討することが大切です。相続税の実務では、配偶者が財産を取得した場合に使える配偶者の税額軽減や、自宅敷地について評価額を大きく下げられる可能性がある小規模宅地等の特例が重要なポイントになります。今回のように、相続財産が現金と自宅マンションで構成されているケースでは、むしろこうした制度の活用を前提に考える方が現実的です。
一方で、自宅マンションの名義を生前に妻や子へ移すことは、税務上は慎重に考えるべきです。一般に、いわゆる「名義変更」であっても、実質的には贈与や売買として取り扱われるため、贈与税、譲渡所得課税、不動産取得税、登録免許税など、複数の負担が生じる可能性があります。節税のつもりで行なった結果、かえって生前の税負担や手続負担が増えることもあるため、安易には勧めにくい方法です。
なお、配偶者への自宅の承継については、婚姻期間など一定の要件を満たせば、贈与税の配偶者控除の特例が使える場面もあります。ただし、これは税務だけで完結する話ではなく、登記や権利関係、将来の二次相続まで含めた検討が必要になります。したがって、実務上は「今、名義を変えるべきか」ではなく、「一次相続・二次相続を通して家族全体の負担がどうなるか」を見ながら判断することが重要です。
――相続をする上で気を付けるべき点、意識した方がよいポイントなどがあれば教えて下さい。
社会の高齢化が進む中で、相続に関する相談は今後さらに増えると思われますが、実際に問題になりやすいのは「税金そのもの」より、むしろ準備不足です。相続税は高額事例だけが目立ちやすいため、必要以上に不安を感じる方も多いのですが、一般的なご家庭では、基礎控除や各種特例を踏まえると、必ずしも過大な負担になるとは限りません。相続税は、相続財産が基礎控除額を超えた場合に初めて課税される仕組みです。
それよりも大切なのは、誰が何を引き継ぐのか、配偶者の生活をどう守るのか、家族間で不公平感が生じないかといった点を、生前から整理しておくことです。特に自宅不動産が相続財産の中心になる場合は、住み続ける人と納税資金を負担する人が一致しないこともあり、税額以上に家族の調整が難しくなることがあります。そのため、財産の内容を把握し、通帳・保険・不動産資料などを整理し、必要に応じて専門家に相談しておくことが重要です。
相続対策というと「節税」が先に語られがちですが、本質は家族に負担を残さない準備にあります。税金を減らすことだけでなく、納税資金をどう確保するか、相続後の生活をどう支えるか、家族が揉めずに手続を進められるかまで含めて考えておくことが、結果的には最も実効性の高い相続対策だと思います。
曽根隆寛(そね・たかひろ)
税理士、行政書士。税理士法人アクシア代表社員。2001年に曽根税理士事務所を開業し、2017年に税理士法人アクシアを設立。中小企業の税務・経営支援に加え、相続・事業承継分野にも幅広く携わる。住宅・金融・企業向けの講演や税務相談の実績も豊富で、FM FUJI「LIFE CROSSING」にレギュラー出演中。
■【画像】遺産相続だけじゃない「夫婦で80歳まで生活するために」必要な貯金額
遺産相続以外にも老後に向けて生活に必要なお金を夫婦で準備しておくことも大切だ。データは総務省『家計調査 家計収支編 2024年』より「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の1ヵ月の消費支出より算出。

※画像・編集部

※画像は下村一喜氏のインスタグラムより
今回の投稿には《ドキッとするほど美しすぎる美穂さん……また会いたいです》《まさに絶世の美女!こんなに美しい方だったとは!》との声も。中山さんの魅力は永遠に語り継がれるものとなるだろう。
※画像は下村一喜氏のインスタグラムより
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