イラン攻撃から2か月「原油の代替調達…日本の現状は?」【#きっかけ解説】
ニュースのその先を考える記者解説。28日のテーマは「原油の代替調達 日本の現状は?」についてです。経済部・岩田明彦記者が解説します。
――中東情勢の混乱が始まって、およそ2か月がたちました。課題となっている原油の代替調達や備蓄はどうなっているのでしょうか?
■原油の代替調達 4・5月の見通しは

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まず、日本はこれまで9割以上を中東からの調達で賄ってきました。政府は今月、4月の見通しとして、ホルムズ海峡を通らないサウジアラビアなど中東ルートやアメリカからの調達で、前の年と比べて2割以上を確保したと説明しています。
そして来月5月は、この中東ルートや、アメリカからの代替調達がさらに増やせる見込みだということです。
おととい26日、東京湾に到着した原油タンカーですが、中東情勢の混乱後に新たに調達したアメリカ産の原油の到着は初めてということです。政府によると、5月はアメリカなどからの調達を増やすことで、前の年と比べておよそ6割の調達ができる見通しが立ったということです。
■石油の備蓄、約7か月分まで減少 需給見通しは

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――それでも足りない分は備蓄の放出で補充するということですね。
石油の備蓄は、今月1日時点では230日分ありましたが、最新の4月24日時点では212日分、およそ7か月分まで減少しています。政府は、石油備蓄の放出や代替調達を併用することで、「年を越えての石油の供給を確保できるメドがついた」と説明しています。
――アメリカ産の原油をさらに増やしていくことは可能なのでしょうか?
ある程度の調達は見込まれますが、課題もあります。調査会社が調べたアメリカへ原油を積みに向かっているとみられる大型タンカーの位置です。先週金曜日(24日)時点で、空の状態で向かっているタンカーを示しています。
■米に向かう原油タンカーは約2倍に 輸送にかかる日数は?

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中東情勢の悪化以降、アメリカに向かう原油タンカーは去年と比べておよそ2倍の50隻以上に増えていて、8割がアジアからのものだということです。そして、そのうち日本からは6隻とみられます。
――アジア各国からアメリカ産原油を買いに向かっているということですね。
中東依存が高いアジアの国の間で争奪戦とも言える様相で、価格上昇が懸念されています。またアメリカからの原油の調達は、運搬コストも懸念材料です。
専門家によると、中東から日本までの原油輸送は通常20日程度であったところ、主にアメリカ産原油はメキシコ湾沿岸で採れるので、大西洋、インド洋を越えて日本に向かうため、倍以上の50~60日程度かかるということです。当然、輸送費もかさむとみられます。
――アメリカ以外にも代替調達先として期待される国はあるのでしょうか?
まだ具体的な国名は出てきていませんが、中南米や中央アジアが有力とみられています。メキシコは、日本に100万バレルの原油を輸出することで合意したことを明らかにしています。
■「政府、石油事業者は透明性ある情報提供」を

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――岩田さんがこのニュースで一番伝えたいことはなんでしょうか。
「政府、石油事業者は透明性ある情報提供」をお願いしたいと思います。政府は「年を越えて石油の供給が確保できるメドがついた」として、節約などの要請は必要ないとの考えを一貫して示しています。一方で、現状が続けば、年を越えれば備蓄が底をつく可能性があります。
NNNと読売新聞が今月行った世論調査でも、節約や節電をする必要があると答えた人は、7割を超えています。
ただ、ある政府関係者は、現状の目詰まりの原因は不安にかられた業者の買い込みにあるとして、国民に節約を要請しても解決にはならないとして、判断が難しいとこぼしていました。
節約をすべきなのかどうか、国民などが自ら判断できるよう、政府、そして石油事業者には透明性をもった情報の提供を求めたいと思います。