「まんじゅうや」は無効票…当選を無効にされ茨城・神栖市長は憤慨 県選管が市選管の判断を覆した理由は

 「まんじゅうや」「だんごさん」は認められず―。候補者2人の得票数が並び、くじ引きで決着した昨年の茨城県神栖市長選で、県選挙管理委員会は28日、現職の木内敏之氏の当選を無効とする判断を示した。木内氏は「全く納得ができない」と憤慨して提訴する方針。

◆木内氏の実家は「老舗の和菓子店」

 市長選を巡っては、昨年11月9日の投開票で、いずれも2人の得票数が1万6724票だったため、公職選挙法に基づき、くじ引きで当時新人だった木内氏が当選。落選した前職石田進氏が異議を申し立て、市選挙管理委員会が全票を再点検したが、2人の得票数は1万6724票のままだった。納得がいかない石田氏はさらに県選管に異議を申し立て、再び全票を再点検していた。

木内敏之市長(右)と石田進前市長(ともに資料写真)

 今回の裁決で問われたのは、木内氏の実家が市内で老舗和菓子店を経営し、「まんじゅうや」「だんごさん」と書かれた2票の有効性。市選管は「広く知られている」と判断したが、県選管の星野学委員長は「木内さんの通称として、広く使われていたとは認めがたい」と指摘した。

◆石田氏側にも無効票、数で明暗

 石田氏側の得票も、氏名を書いただけでなく、欄外の数字を丸で囲んだ票も問われた。公選法では、投票者の意思が明白なら有効票として扱うよう求めているが、今回は、他事記載に当たるとして1票分が無効になった。

 だが、2票分が無効になった木内氏と明暗を分けることに。石田氏が1万6723票、木内氏が1万6722票となった。

無効票になった木内氏の2票(右)と石田氏の票=茨城県選管の配付資料より

 石田氏は「県選管が時間をかけ、慎重、公正に見てくれた結果。重く受け止めている」と話した。一方、木内氏は「ただちに高裁に異議申し立てをしたい」と述べ、公選法の規定に基づき、東京高裁に訴える考えを示した。ただ、地方自治法の規定では、裁決か訴訟の判決が確定するまできは市長職を失わない。

 総務省は、選挙で当落が逆転した事例について、「網羅的なデータはなく、コメントできない」とした。(佐野周平、酒井健)

無効票になった木内さんの2票=茨城県選管の配付資料より

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