日銀委員3人の「金利引き上げ」の主張は否決 植田総裁、物価高リスクは「緊急ではない」…中東情勢を重視

 日銀は28日に開いた金融政策決定会合で、0.75%程度としている政策金利を据え置くことを決めた。3会合連続の現状維持となる。ただ、中東情勢の影響で、物価上振れリスクを懸念し審議委員9人のうち3人が金利の維持に反対。1.0%程度への利上げを主張した。植田和男総裁は「次回(6月)以降の会合で判断したい」と述べた。

日銀の「様子見」が暮らしに与える影響は 利上げ見送り決定 物価は今後どうなる? 〈記者解説〉

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◆物価見通しは上げ、成長率は下げ

 決定会合では6人が据え置きに賛同する一方、中川順子、高田創、田村直樹の3氏が反対。原油高などを背景に、国内の物価が予想以上に上昇するリスクなどを懸念し、物価高に歯止めをかけるために0.25%の追加利上げを提案したが、いずれも反対多数で否決された。

28日、金利据え置きの理由について説明する植田総裁(石井紀代美撮影)

 植田総裁は会見で、米・イスラエルによるイラン攻撃を機に、化石燃料輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖され、依然として不透明な状況が続いていることを重視。景気は下振れのリスク、物価は上振れのリスクがあると認識しつつも、「ただちに利上げで対応するところまで緊急ではない」との見方を示し、「中東情勢の帰趨(きすう)や経済物価に及ぼす影響をもう少し確認したい」と説明した。

 日銀は同日、3カ月に1回まとめる「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も公表。原油高騰などを踏まえ、2026年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の対前年度上昇率見通しを、前回1月時点の1.9%から2.8%に、2027年度は2.0%から2.3%にそれぞれ引き上げた。2026年度の実質国内総生産(GDP)の成長率は前回の1.0%から0.5%に下方修正した。(石井紀代美)

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