物価高の中「鶏むね肉」が58%超 「安価」でもごちそう、パサつき防ぐ専用調味料が続々

弱火でじっくり調理する「鶏むね肉のムニエル 焦がしバターソース」

物価高を受け、鶏むね肉を使った料理が食卓に上る機会が増えているようだ。加熱によるパサつきを敬遠する人もいるが、最近はむね肉用の調味料も次々と登場。もも肉と比べて低カロリーで高タンパクな点でも評価され、リーズナブルでアレンジが効く食材として改めて注目されている。

家庭料理に鶏むね肉の登場頻度が増えている-。昨年、日本ハムがそんな調査結果を発表した。

鶏肉の中で調理頻度の高い部位はどこかと男女約1300人に聞いたところ、令和6年は「むね肉」との答えが58.9%に。2年前は25.1%だった。

「(もも肉と比べ)安価という点で評価を得ている。良質なタンパク質をとりたいという健康意識をもつ人の需要とも合う」と、同社広報部の天笠高史さん。

「鶏むね肉やわらか」と記された「パッとジュッと」のパッケージ

同社はウェブページで鶏むね肉を使ったレシピも公開。その一つ、「鶏むね肉のムニエル 焦がしバターソース」は、有名シェフが考案した。ムニエルは小麦粉をまぶしてバターで焼くフランス料理の調理法。むね肉特有の「パサつき」を防ぐポイントは、フライパンでバターを回しかけながら「終始、弱火でじっくり調理する」ことだという。

累計15万個超を出荷

鶏むね肉に特化した調味料も次々と登場している。

理研ビタミンは3月、鶏むね肉用のおかず調味料「パッとジュッと」を発売。「ねぎ塩麹チキン用」「甘旨ヤンニョムチキン用」の2種類で、パッケージには「鶏むね肉やわらか」とある。塩こうじや、韓国の合わせ調味料ヤンニョムは「自宅の常備率が低い調味料。これまでの料理とは一味違う一品が作れる」と同社の担当者。対象となる食材を鶏むね肉に絞った理由については、「食品の値上げが顕著で、比較的安価な鶏むね肉は求められやすい食材だと考えた」と説明した。

鶏むね肉を漬けて、もみ込み冷凍しておくだけで味付けが完了し、食べたいときにフライパンで加熱すれば、ジューシーな鶏料理に仕上がるという。発売から約2カ月で当初の販売計画の2.5倍以上となる累計15万個以上を出荷。3月には食品卸会社が主催し、消費者が審査して選ぶ「新商品グランプリ」で、79品の中から大賞に選ばれた。

昨年8月に発売された「ムネ肉でつくる鶏チリの素」

ソースでしっとりと

日本食研ホールディングスも昨年8月、「ムネ肉でつくる鶏チリの素」を発売。同社小売商品開発部の徳原将弘さんは、「香味野菜の風味を利かせたほどよい甘さのソース。鶏むね肉をジューシーで、しっとりとした食感に仕上げる」と説明する。

同社は平成20年に「鶏ムネ肉の味噌マヨソース」を発売。現在は「ムネ肉」「鶏ムネ」とパッケージに銘打つ4種の商品を展開する。鶏肉の業界団体、日本食鳥協会(東京)の担当者によると、「鶏むね肉には、抗疲労成分が多く含まれるという研究もある」とか。今後も食卓で存在感を発揮しそうだ。(竹中文)

「鶏むね肉のムニエル 焦がしバターソース」のレシピ

≪材料・2人分≫

鶏むね肉…2枚(500グラム)

A…シイタケ60グラム、シメジ60グラム

B…ニンニク1かけ、タマネギ60グラム

C…ケイパー(花のつぼみの酢漬け)6グラム、コルニッション(小ぶりなキュウリのピクルス)20グラム

D…刻んだパセリ6グラム、レモン汁小さじ2分の1

バター60グラム、強力粉(薄力粉でも可)、オリーブ油各大さじ1、塩、黒コショウ

≪作り方≫

❶むね肉に塩小さじ1をふり5分おく。ペーパータオルで水分を拭き強力粉をまぶす。

❷Aを食べやすく切り、Bはみじん切り、Cは粗みじん切りにする。

❸フライパンにオリーブ油を熱し、弱火で①の両面を焼く。肉の横でAを炒め、塩少々をふり、いずれも取り出す。

❹同じフライパンでバターを溶かす。むね肉を戻し入れ、バターを回しかけながら弱火でじっくりと焼き、中まで火が通ったら取り出す。

❺焦がしバターソースを作る。バターが残るフライパンにBを入れ、塩、コショウ各少々をふって炒める。Cを加えてさらに炒め、火を止めて、Dを混ぜる。

❻④をカットして皿に盛り、③のAを添え、⑤をかける。

※日本ハム提供の有名シェフのレシピを基に作成