「ゴールド」が異例の強さで株式ファンドを上回る。みずほ銀行投信ランキングに変化

「ゴールド」が異例の強さで株式ファンドを上回る。みずほ銀行投信ランキングに変化

みずほ銀行の投信売れ筋ランキングの2025年4月は、トップ2は2024年11月から6カ月連続で同じで、第1位は「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」、第2位は「キャピタル世界株式ファンド」だった。第3位に前月第4位の「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」が上がり、第3位だった「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」は第4位に後退した。そして、前月第6位だった「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」が第5位に、第8位だった「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が第6位に上がった。また、トップ10圏外から「MHAM株式インデックスファンド225」が第8位に食い込んだ。

◆「ゴールド」の異質の強さ

みずほ銀行の売れ筋の上位で順位を上げたファンドについて、2024年以降の基準価額の推移を調べると、トップを継続している「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」が着実にリターンをあげていることと比較すると、基準価額のアップダウンが大きな銘柄になっている。

4月に第3位にあがった「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」は、世界の株式市場から「ハイクオリティ」かつ「割安」な銘柄を選んでポートフォリオを作るファンドだ。ポートフォリオで保有しているのは、「財務内容が良好で、将来の予測が比較的立てやすい事業を行う、外部環境変化の影響を受けにくい企業」としており、4月末時点の組み入れ上位銘柄では、トップこそ「メタ・プラットフォームズ」になっているが、南米で電子取引サービスを提供する「メルカドリブレ」や宅配サービスの「ドアダッシュ」など「マグニフィセント・セブン」銘柄以外が上位に入り、また、スウェーデンの「スポティファイ」やインドの「ICICI銀行」などトップ10には米国以外の企業4銘柄を組み入れるなど分散の効いたポートフォリオになっている。

ただ、米国株価の下落の引き金になったのが、トランプ政権による大規模な関税政策だったこともあり、グローバル市場で活躍する企業にとっては経営の打撃となりかねず、同ファンドの基準価額も大きく上下している。たとえば、「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」の直近ピークの基準価額は2月19日で、4月9日の安値まで23.82%下落した。一方で、その4月9日のボトムから5月14日までに25.74%値上がりしている。下落率も大きかったが反発力も大きくでている。

売れ筋第5位に上がった「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」は、テクノロジーの発展で恩恵を受ける企業に投資するファンドで、まさしくこれまでの市場のけん引役だった「マグニフィセント・セブン」が主要な投資対象になっている。1月24日の高値から4月9日の安値までの下落率は30.71%と大きく、4月9日の安値から5月14日までの上昇率は29.23%になった。下落率が大きかっただけに、戻り局面での反発力がやや弱かった。何より、「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」は下落過程において、2024年1月以来のパフォーマンスで、「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」の基準価額の水準を下回るところまで下げてしまい印象を悪くしている。

一方、株式市場の波乱を横目に「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は右肩上がりの上昇を続けた。2025年4月末時点で過去1年間のトータルリターンは27.19%、3年年率リターンも23.55%になり、株式に投資するファンドの成績を大きく上回る成績になっている。4月の売れ筋ランキングでは前月の第8位から第6位へとジャンプアップしている。運用成績が積極的に評価された結果だろう。今後も世界の市場はトランプ関税の影響等で不安定な状態が続きそうな見通しだ。じわじわと高値を更新し続けている「ゴールド」は現在の市場環境において、非常に魅力的な投資対象になっている。

◆日米株価比較で見える「日本株」の現在地

売れ筋ランキングでトップ10に入ってきた「MHAMインデックスファンド225」は、国内を代表する株価指数「日経平均株価」に連動するインデックスファンドだ。2025年になって米国株が下落基調となる中、2024年7月をピークとしてひと足早く調整安になっていた日本株が米国株に代わって活躍することはあり得るのだろうか? すでに、ドイツ株「DAX」は5月になって史上最高値を更新して米国株の分散投資先の1つとして注目され始めている。日本株には、その資格はないのだろうか?

2020年以降の日米の株価の推移を振り返ってみると、2020年3月の「コロナ・ショック」で下落したところのスタートの水準は日米に変わりがなかったものの、その後、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」をテーマに米国株式が大きく値上がりした折に上昇率で日本株は米国株にかなわなかった。そして、2023年以降には米国株式が「AI(人工知能)」の実用化を材料として再度大きな上昇になった時にも、日本株はそのブームに乗ることができなかった。結果的に2025年5月の時点で、2023年末を起点とすると「ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド」の基準価額は2.4倍の水準にあるが、「MHAMインデックスファンド225」は1.6倍止まりだ。米国株と日本株の間には大きな格差がある。ドイツの史上最高値更新には、「向こう10年で1兆ユーロの追加投資を防衛やインフラ投資で実行する」というドイツの大型財政支出の発表が追い風になった。それに匹敵するような材料が日本株には見当たらないのが実情だ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。