日本人が「ユニクロ」より「エヌビディア」の株を買う方が、容易にお金持ちになれる可能性が高い理由【資産4億円の投資家が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)
資産形成の手段として株式投資が注目されるなか、なぜ「米国株」の人気が高いのでしょうか。日本にも優良な企業は数多く存在するにもかかわらず、「投資するなら米国株が最強」という声はたびたび耳にします。その背景には、単なるイメージだけではない、明確で力強い理由が存在するようで……。本記事では、PAN氏の著書『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より、米国株が「最強」と言われる理由を解き明かしていきます。
投資対象として米国株が最強なワケ
ーーなぜ米国株投資なんですか? 日本株にも魅力的な銘柄がたくさんあるのに、どうして米国株にばかり投資してるんですか?
ひとことで言うと、あらゆる面で米国株が最強だからです。アメリカという国が持つ成長力や、米国企業の株主重視といった姿勢が、とても魅力的です。
ーー米国株なら「ほったらかし投資」でもいいってこと?
今、投資によってお金を増やしたいと考えるなら、米国株を検討すべきということは、おそらく間違いありません。これからもしばらくは強さを維持すると思いますが、20年先、30年先も同様であるかはわかりません。ただし、あくまでも「現時点では最強」ということです。米国株でも「ほったらかし投資」はよくありません。
わたしの本書執筆時点の投資対象は、株式投資では米国株がほぼ100%です。米国株以外にはほとんど投資していませんし、日本株はひとつも持っていません。
ここで誤解しないでいただきたいのですが、日本株をダメだと言っているわけではありません。日本株について、よいとも悪いともいえるほど詳しくないというのが実際のところです。アメリカの経済動向を日々チェックするのは生活の一部になっていますが、日本銀行の金融政策がどうなっているかはあまり気にしていません。
国としては、日本が断然好きです。安全で、食べ物が安くておいしく、社会の至るところにきめ細やかさが行き届いている。住む国として日本は最高だと思います。
しかし、最強の経済国はやはりアメリカです。米国株がなぜ最強なのか、理由はいくつも挙げることができます。
米国株が最強である理由1:経済のファンダメンタルズが強い
まず、ファンダメンタルズ(国や企業などの経済状況を示す指標)の観点からみてみましょう。
国の経済規模を測る指標であるGDP(国内総生産)。アメリカのGDPは強い伸びが続いています。1994年を100とすると、2023年のアメリカの実質GDP(インフレの影響を除外したもの)は209.9。これに対して、日本は125に留まります、日本は他の先進国と比べてもGDPの伸びが低いので、この差は特に目立ちます。2023年の1人当たり名目GDP(経済規模の単純な合計)は、日本が3万3849ドルに対して、アメリカは8万1624ドルと、倍以上の開きが生じています。

[図表1]1994年を100とした指数での日米比較 出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋
この背景にあるのは、労働人口の増減と、人口ピラミッドの形状です。アメリカの出生率は比較的高く、また移民の流入により、労働人口は増加傾向にあります。労働人口が増加すれば経済活動の担い手が増えるので、GDPの成長につながります。
人口ピラミッドのバランスも取れており、若年層から高齢層までおおむね均等な人口分布になっています。これに対して日本は、少子高齢化により労働人口が減少し、高齢者の割合が大きい逆ピラミッド型です。これが「失われた30年」と呼ばれる経済活動の停滞が続く要因のひとつになりました。

[図表2]人口ピラミッドの日米比較 出所:国立社会保障・人口問題研究所
米国株が最強である理由2:政治的な安定感・金融政策の感応度
アメリカが新興国と比較して政治的に安定していることも、安心して投資できる理由になります。政治的分断や所得格差の拡大といった課題は当然あります。それでも、民主主義が根付き、4年ごとの大統領選によって平和的に政権交代が行われています。クーデターや暴動、民族対立、政府の腐敗、選挙をめぐる不正などが問題となる新興国よりも、ずっと安定しているといえます。
また、アメリカ経済は、金融政策と財政政策に対する感応度が高いという面があります。金利の引き下げや量的緩和が行われると、株価が上がりやすくなります。逆に、金融引き締め政策が行われれば、株価が下がる傾向があります。アメリカでは政策の影響が素早く経済に表れます。情報をウォッチしていれば、株式投資で利益を得やすい環境にあるといえるでしょう。
米国株が最強である理由3:イノベーションを生み出す企業群
米国企業は特にIT業界において、次から次へとイノベーションを生み出し、優れたグローバルブランドを数多く輩出してきました。iPhoneやAndroidといったスマートフォン、検索エンジンはGoogle、通販で買い物するのはAmazon、生成AI、量子コンピュータ、ブロックチェーン、RNAワクチンなど、日本に住むわたしたちも恩恵を受ける新しい技術やサービスは、ほとんどがアメリカで生み出されたものです。
アメリカの企業が元気な背景には、研究開発費(R&D費)の大きさが挙げられます。研究開発費は2023年には6800億ドル(約84兆円)にも達したと見込まれており、実に日本の3倍以上になります。
また、アメリカのIT企業は巨大なサービス基盤を持つプラットフォーマーが多いという強みを誇っています。OS、検索エンジン、SNS、動画配信など、現代人の生活に欠かせないサービスの多くは、米国企業が開発したプラットフォーム上で展開されています。
ユーザーが増えれば増えるほど、そのプラットフォームの価値が高まり、新規参入を許さない高い壁ができていきます。蓄積されたデータに基づいて進化を重ね、さらにユーザーを惹きつけるという好循環もプラットフォーマーの強さです。
アメリカは世界最大級の国内市場を持っていますが、国外売上高も非常に大きいという特長があります。S&P500企業の海外売上比率は約45%にも達します。大きな内需に加えて、国外の需要までも吸収して、売上を拡大しているということです。
ちなみに、日経225企業の海外売上比率は約40%ですので、この点では日本企業も負けてはいません。
米国株が最強である理由4:株主への情報公開と利益還元
投資家への情報開示を重視している点も、米国株が魅力的な投資対象である理由です。情報公開に関する法律が整備されていて、財務諸表をはじめとする詳細な情報を公開することが企業に義務付けられているからです。
投資家はこういった情報をもとに、企業の現況や将来性を分析し、投資判断を行います。アナリストによる分析レポートも簡単に手に入り、とにかく情報は豊富にあります。
もうひとつ米国株の大きな魅力として、株主への徹底した利益還元があります。高配当銘柄や、毎年配当を増額している増配銘柄がとても多いです。アメリカには、25年以上増配を続けている「配当貴族」が100社以上、50年以上連続増配している「配当王」が数十社存在します。ちなみに日本で「配当貴族」に該当するのは、花王など数社だけです。
さらに、アメリカでは企業による株主への利益還元策として、自社株買いがさかんに行われています。自社株買いとは、企業が自社の株を市場から買い戻すこと。これによって発行済株式数が減少するため、1株当たりの価値が高まり、株価の上昇につながります。アメリカ企業が増配や自社株買いを行うのは、「企業は株主のもの」という価値観が浸透しているからです。

[図表3]連続増配年数ランキング 出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋
ただ、わたしはあまり配当金のことを気にしていません。アメリカでは年に4回程度、配当金が支払われます。企業によって異なりますが、株価に対して年5%程度の利回りの企業が多いです。5%の配当金では、資産を大きく増やすことは難しいでしょう。仮に10億円くらい持っていて、「株価の動きを見るのはもうやめます。配当金をもらって暮らします」ということなら、それだけでも年間5000万円程度の配当が期待できますから、よいかもしれませんが。
多額の配当金を出す企業は、基本的には成長を終えた企業です。成長する余地があるなら、配当金を出さず、そのお金を研究開発費に回そうとするからです。配当金を出せる企業は優良企業ですが、成長が終わった企業だということを押さえておきましょう。成長が終わった企業に投資しても、株価の大きな上昇は期待できません。
人工知能(AI)、ヘルスケア、宇宙開発といった旬のテーマがあって、株価の上昇が期待できる銘柄がたくさんあるのに、わざわざ成長しない企業に投資することはないでしょう。
さて、このような強みがあることから、米国株は高値を更新し続けています。アメリカ経済は何度もリセッションを経験していますが、それを乗り越えて、S&P500の年平均リターンは、1950~2023年までが10.7%、2000~2023年は8.1%となっています。
一方で、日経平均はバブル期の1989年12月につけた史上最高値を、ようやく2024年2月に更新しました。30年以上かけて、ようやくバブル期の最高値まで戻ってきました。これが日米の成長力の違いです。

[図表4]S&P500と日経平均の株価推移の比較 出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋
米国株は日本株よりも簡単に買える!
米国株に興味を持った人の中には、「どこで買えるのかわからない」「口座を開くハードルが高そう」と思っている人もいるかもしれません。実は、米国株を買うのは、日本株よりも、ある意味ではハードルが低くなっています。
まず証券会社に口座が必要になりますが、今ではほとんどの証券会社が米国株の売買に対応していて、日本株と同じくらいすんなりと取引できます(取引にかかる手数料は証券会社によって異なります)。
ちなみに、2024年1月に始まった新NISA(少額投資非課税制度)は米国株も対象で、年間240万円の成長投資枠で米国株が取引できます。新NISAをきっかけに米国株デビューした人もいるようです。
なによりも米国株の方が日本株よりもハードルが低いのは、必要な資金額についてです。エヌビディアを買う方が、ファーストリテイリング(ユニクロ)を買うよりも容易です。なぜなら、米国株は1株単位で買えるのですが、日本株は100株単位でなければ取引できないからです。
エヌビディアは約2万2000円で株主になれますが、ファーストリテイリングの株主になるには約500万円必要になります(2025年3月時点)。少額で投資が始められるのは、米国株の魅力のひとつですね。このようにメリットがたくさんある米国株投資ですが、デメリットについても知っておきましょう。
PAN
米国株投資家