8月15日に年金「約46.5万円」が支給される「標準夫婦」ってどんな世帯?

公的年金の仕組みと厚生年金・国民年金の平均年金月額

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8月15日に年金「約46.5万円」が支給される「標準夫婦」ってどんな世帯?

夏真っ盛りの7月。連日の猛暑にうんざりしながらも、ふと来月の年金支給日を意識される方も多いのではないでしょうか。

2025年度の公的年金は全体で1.9%の引き上げとなり、8月15日には「標準夫婦」なら約46.5万円が支給予定です。では、そもそも「標準夫婦」とはどのような世帯を指すのでしょうか。

本記事では、2025年度の最新年金額の概要に加え、「標準夫婦」がどんな世帯なのか、その基準をわかりやすく解説します。これからの老後の家計設計を考えるうえで、ぜひ参考にしてください。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【厚生年金・国民年金】公的年金の仕組み

日本の公的年金のしくみをおさらいしましょう。

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日本の公的年金は「2階建て構造」と表現されます。これは、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。

国民年金の加入対象は、原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人。年金保険料(※1)は全員一律です。一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料(※2)を納めます。

国民年金は、年金保険料を全期間(480月)納付すると、65歳から満額(※3)を受給できます。未納期間に応じて満額から差し引かれるルールです。

そんな中「標準的な夫婦世帯」は6月13日の年金支給日に「約46.5万円」支給されることがわかっています。これはどのようなことでしょうか。次で詳しく見ていきましょう。

※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円

※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される

※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円

標準夫婦が「約46.5万円」支給される根拠

公的年金の支給日は「偶数月の15日(※)」。よって次回支給日の6月13日(金曜日)に支給される年金は、4月分と5月分です。

厚生労働省によると、2025年度の年金額の例は次のとおりとなります。

※15日が土日祝日の場合、直前の平日に前倒しされます。

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令和7(2025)年度の年金額の例

・国民年金(老齢基礎年金):6万9308円(1人分※1)

・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円

※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

夫婦2人分の厚生年金の金額を見てみると23万2784円です。これが2カ月分支給されるので、6月13日支給の年金額は「46万5568円」、これが約46.5万円の根拠となります。

しかし、気になるのが「標準的」という部分です。標準的な年金を受給することができるのは、どのような夫婦世帯でしょうか。次で確認していきましょう。

天引き内容や実際の振込額は「年金振込通知書」で確認を

日本年金機構の資料によると、夫婦の年金額の例の根拠として下記の記載があります。

(以下引用)

平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換)45.5万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

引用:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

(以上引用)

つまり、夫は40年間の平均標準報酬(賞与含む月額換算)が45万5000円。年収にして546万円で就労したと想定されます。これに対し、妻は専業主婦や扶養内パートなど、厚生年金への加入年金がなく国民年金のみの受給となるケースです。

こうした夫婦の合計年金が23万2784円となり、2カ月分がまとめて支給されるのです。とはいえ、こちらの年金は「夫婦2人分」である点に注意しましょう。

さらに多くの場合、老齢年金からは各種税金・社会保険料が天引きされます。天引き内容や実際に振り込まれる金額は、6月に送付される「年金振込通知書」などで確認しましょう。

年金から天引きされる税や社会保険料が記載される「年金振込通知書」

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出所:日本年金機構「年金振込通知書」

1回の年金支給で「約46.5万円」となれば大きな金額に思えるかもしれません。しかし、一人当たりの月額に換算すると、必ずしも余裕のある水準とは言い切れないでしょう。

次は、今のシニア世代が実際に受け取った年金額についても見ていきます。

厚生年金と国民年金「実際にシニアが受給している年金額」を一覧で確認

現役時代の年金加入状況により、一人ひとりが受け取る年金額には差が出ます。

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、全受給権者(60歳~90歳以上)の平均年金月額や個人差を見ていきましょう。

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公的年金の平均額(全年齢)

「厚生年金」の平均年金月額

・〈全体〉平均年金月額:14万6429円

・〈男性〉平均年金月額:16万6606円

・〈女性〉平均年金月額:10万7200円

※国民年金部分を含む

「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額

・〈全体〉平均年金月額:5万7584円

・〈男性〉平均年金月額:5万9965円

・〈女性〉平均年金月額:5万5777円

平均年金月額は、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給権者は男性16万円台、女性10万円台。国民年金の場合は、男女ともに平均月額は5万円台です。

年金支給1回あたりの「世帯の年金額」を見ると高額に思えますが、ひとり分の月額換算で考えると年金だけで暮らせる世帯は多数派ではないかもしれません。

グラフの個人差からも分かるように、上記はあくまでも全体の平均月額に過ぎません。夫婦の年金額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して把握しておきましょう。

公的年金と年金生活者支援給付金はそれぞれ増額改定に

公的年金と年金生活者支援給付金の支給金額は、年度ごとに見直しがおこなわれます。令和7年(2025年)度の年金額例や、支給金額についても触れておきます。

公的年金の年金額は「1.9%引き上げ」

公的年金は、物価や現役世代の賃金の動向を踏まえて改定されます。2025年度は、前年度より1.9%の引き上げとなりました。

増額率が適用されるのは、6月13日(金曜日)に支給される「4月・5月分」の年金からです。

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令和7年4月分(6月13日(金曜)支払分)からの年金額

・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円

・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)

※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

3年連続のプラス改定にはなりましたが、マクロ経済スライド(※)によって物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には年金額は目減りしている点には留意が必要でしょう。

※マクロ経済スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ

年金生活者支援給付金の支給金額は「2.7%引き上げ」

「年金生活者支援給付金」は、低所得の年金受給者で一定要件を満たす人が受け取ることができるお金です。2カ月に一度の年金支給日に、公的年金に上乗せして支給されます。

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年金生活者支援給付金の支給金額

・老齢年金生活者支援給付金:基準額:月額5450円

・障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円

・遺族年金生活者支援給付金:月額5450円

老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに保険料納付済期間や免除期間に応じて実際の給付額が計算されるため、個人差が出ます。

自分の年金見込み額を確認してみよう

ここまで、老後資金の柱となる公的年金の仕組みや受給額について見てきました。

筆者が日頃から個人向けの資産運用相談を受ける中で、特によく聞くのが「老後がなんとなく不安」という声です。

年金制度そのものへの不安や、あるいは「もらえるとしても期待はできない」と感じている方も少なくありません。

こうした漠然とした不安を和らげるためには、「自分は将来いくら年金を受け取れるのか」を具体的に知ることが重要です。そして、その金額ではどの程度不足するのかを把握すれば、備えるべき金額や手段が見えてきます。

これを機会に、まずはご自身の年金見込み額を把握し、必要に応じて老後の資産形成の計画を立ててみるとよいでしょう。

参考資料

・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」