クリエイトSDHD、新商圏進出に向けM&A積極検討へ

ドラッグストア大手のクリエイトSDホールディングス(神奈川県横浜市/廣瀬泰三社長:以下、クリエイトSDHD)が2025年5月期連結決算を発表した。売上高は対前期比8.2%増の4570億円、営業利益は同11.9%増の226億円、経常利益は同12.1%増の234億円、当期純利益は同14.6%増の156億円と、売上・利益とも力強い成長を見せた。7月17日、メディア向けに開かれた決算説明会で同社の廣瀬泰三社長は、新商圏への出店やM&Aの方針など、新たなチャレンジについても語った。

クリエイトSDHD、新商圏進出に向けM&A積極検討へ

店舗大型化で強化した食品が好調 調剤も売上を牽引

増収増益の主因について、クリエイトSDHDの廣瀬社長は「既存店客数の伸びと、調剤・食品がけん引役となった」と話す。既存店客数は同1.3%と、既存店売上高は同2.7%増と堅調に推移した。

セグメント別では、調剤の売上高が同13.3%増の572億円と大きく伸長した。調剤と同じく好調だった食品部門は、売上高が10.8%増の1958億円、売上高構成比が同1.0ポイント上昇し43.3%となった。EDLP(エブリデー・ロープライス)戦略が奏功し、安定的な集客につながった。廣瀬社長は「季節変動の少ない食品の構成比が高まっており、客数が安定してきている」と手応えを語った。

販管費率は前期から0.2ポイント改善し21.1%で着地した。人件費配置の見直しなどを進め、「コストコントロールが大きく効いた1年だった」(廣瀬社長)としている。

25年5月期の新規出店はドラッグストア40店舗、調剤薬局37店舗。期末店舗数は831店舗(うち調剤併設417店舗、調剤専門薬局38店舗)となった。神奈川県を中心に、東京・静岡・愛知など近隣府県へのドミナントを展開する同社。23年5月期からの中期経営計画では25年5月期末で850店舗を計画しており、計画より25店舗少ない着地となった。

これについて廣瀬社長は「近年の新規出店では食品の取り扱いを増やすため、従来の売場面積より10坪~20坪ほど広くなるケースが多い。1店舗当たりの規模が大きくなってきたことで物件確保にも遅れが出た」と説明した。

17日の決算会見(オンライン開催)に登壇した廣瀬泰三社長

新商圏へ出店加速!M&Aも積極的に検討か

クリエイトSDHDの店舗

26年5月期の業績予想は、売上高が対前期比7.5%増の4915億円、営業利益が同6.5%増の241億円、経常利益が同5.1%増の249億円、当期純利益が同3.3%増の163億円を見込む。既存店売上高は同3.0%増を想定している。

新規出店はドラッグストア店舗・調剤ともに45店舗を予定。今期以降は、従来の重点エリアである神奈川・東京に加え、北関東および山梨・長野など新エリアへの本格的な展開を検討する。都市部では調剤を主軸に据えた駅前立地の小型店出店も検討中だという。

廣瀬氏は新商圏への出店について、「今後の成長には新商圏開拓が不可欠。これまでのようなオーガニック出店による自力成長に加えて、M&Aも介して、新市場進出を効率的かつスピーディーに進めていく」と表明した。出店地の獲得が難しくなっている現状を鑑み、M&Aも辞さない姿勢を示した格好だ。具体的には調剤薬局・食品スーパー・ドラッグストアなど幅広い業態を対象とし、お互いの強みを補完できる相手を柔軟に検討していくという。「すでに専門チームを立ち上げ、いくつかの案件が動いている」(廣瀬社長)としている。

また、新たに掲げた中期経営計画「Next STAGE 2030」では、30年5月期に売上高6800億円、経常利益率5.0%以上、ROE12%以上を計画する。今後5年間で累計1200億円超の成長投資と、320億円超の株主還元を実施するとした。

「医療・介護・生活を一体として支える存在として、ドラッグストアの役割は再定義されている。私たちはその中心であり続けたい」と語る廣瀬氏。新商圏への出店、M&Aなど、クリエイトSDHDの新たな動きに要注目だ。