ニセ電話詐欺防止に新技術 AIが判断して「ながら振り込み」ストップ 埼玉のJAさいかつで2台導入

電話をかけながらATMの操作を実演するJAさいかつ職員。AIの判定で取引は中断された=吉川市で
携帯電話で通話しながら金を振り込もうとすると、自動で取引を中断させるATMが、埼玉県吉川市のJAさいかつ三輪野江支店に2台設置された。「還付金が受けられる」とうその電話でATMを操作させ、金を振り込ませる詐欺が後を絶たない中、被害防止につなげたいとしている。
このATMは日立チャネルソリューションズ(東京)が開発。内蔵カメラと人工知能(AI)の技術で、利用者が振り込み操作中に携帯電話で通話するのを検知する。昨春から金融機関での導入が始まった。
JAさいかつは同支店のATMの更新時期に合わせ、導入を決定。今月9日夜に設置し、翌10日から本格的に供用開始した。県内のJAバンクATMでの導入は初めてという。

取引中止後にATMから出力される明細
11日には、ニセ電話詐欺対策で協定を結んでいる県警とともに式典を開催。JAさいかつの根岸信一郎代表理事組合長は「組合員や利用者により安心して取引いただける環境づくりにつながる」と強調した。県警生活安全総務課の藤木渉課長は「(導入は)画期的な取り組み。被害者の減少はもちろん、犯人側へのけん制の効果も期待できる。各JAとの連携を強化し、被害に遭う人を減らしたい」と述べた。JAさいかつは他のATMも順次、同様の新型に入れ替える。
日立チャネルソリューションズ・ビジネス企画第2部の野口典子部長は「犯人からATMが狙われなくなることにつながるのでは。導入していない金融機関にも、ぜひご検討いただきたい」と話した。

式典で握手を交わす藤木課長(左)と根岸代表理事組合長=吉川市で
県警のまとめ(暫定値)によると、県内で1~5月に認知されたニセ電話詐欺は688件で、前年同期比137件増。被害額は27億3455万円で前年より12億9969万円増えた。還付金詐欺は140件で3億1156万円の被害があった。(大久保謙司)
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