なぜあなたの銘柄選びは失敗するのか?…資産4億円でFIREした投資家が実践する「本当に儲かる株」のシンプルな見抜き方

「儲かる株」とは?, 「儲かる株」を見定めるシンプルな3つの基準, 1.「企業の将来性」を把握しないままの投資は危険, 企業の将来性を測る4つの指標, 2.「良い決算」とは?, 良い決算を判断する指標〈1〉EPS, 良い決算を判断する指標〈2〉売上高, 良い決算を判断指標〈3〉ガイダンス/業績見通し(Outlook), 「コンセンサス予想(Consensus, Estimate)」とは?, 決算は過去2年分(8回分)を見る, 3.「決算時のカンファレンスコール」が重要な理由

(※写真はイメージです/PIXTA)

「PER、ROI、自己資本比率……」たくさんの専門用語を前に、株式投資の銘柄分析で挫折しかけていませんか? 「儲かる株を見つけるには、分厚い決算書を隅々まで読まないと……」そんな風に思い込んでいるなら、それは大きな間違いかもしれません。実は、米国株投資のプロが本当に重視しているのは、もっとシンプルなたった3つの基準です。本記事では、PAN氏の著書『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より、将来有望な「本当に儲かる株」を見抜くための本質を解き明かします。

「儲かる株」とは?

ーー勝ちやすい投資には、銘柄分析をしっかり行う必要があると。ファンダメンタルズ分析ってやつですね!

ーーPERとかROIとか、たくさんのファンダメンタル指標を使って決算書を読み込むイメージがあります。どんな専門用語から覚えていけばいいのでしょう?

まあまあ、ちょっと落ち着いてください。たしかに勉強は必須ですが、わたしはファンダメンタル指標をすべて暗記して、分厚い決算書を穴が空くほど熟読しようと言っているわけではないんですよ。大切なのはそこではないし、選ぶべき銘柄の基準はもっとシンプルです。

「儲かる株」を見定めるシンプルな3つの基準

気になる企業をピックアップして情報収集することに慣れてきたら、その銘柄が投資に値するかどうかを詳しく分析します。投資に値する銘柄とは、将来的に株価が上がる可能性が高い「儲かる株」を指します。では、どのような銘柄だと株価が上がる可能性が高くなるのでしょうか。

わたしが銘柄選定において重視しているのは、以下3つの基準です。実際の投資ではテクニカル指標など他の要素も確認したうえで購入タイミングを判断しますが、大前提としてこの3つの基準を満たしていなければ投資対象にはなりません。なぜこの基準を重視しているのか、順を追って解説しましょう。

「儲かる株」とは?, 「儲かる株」を見定めるシンプルな3つの基準, 1.「企業の将来性」を把握しないままの投資は危険, 企業の将来性を測る4つの指標, 2.「良い決算」とは?, 良い決算を判断する指標〈1〉EPS, 良い決算を判断する指標〈2〉売上高, 良い決算を判断指標〈3〉ガイダンス/業績見通し(Outlook), 「コンセンサス予想(Consensus, Estimate)」とは?, 決算は過去2年分(8回分)を見る, 3.「決算時のカンファレンスコール」が重要な理由

[図表1]儲かる株の基準 出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋

1.「企業の将来性」を把握しないままの投資は危険

企業の将来性については、気になる企業があれば事業内容を調べ、伸びそうな企業・業界なのかを確認しましょう。投資の神様ウォーレン・バフェットも、「理解できないビジネスには投資しない」と言っています。

事業内容や将来性を把握していなければ、その企業の収益源はどこなのか、今後も収益が伸びる余地はあるのかがわかりません。現在は業績が好調でも、他社に技術を奪われたり、価格競争に巻き込まれたりする可能性はないのか。市場の規模はどの程度あり、この先、拡大する余地はあるのか。また、この先、需要が先細りする可能性やリスクはないか。未来は誰にもわかりません。だからこそ、企業の将来性を判断するための材料は多く持っておくべきです。

企業の将来性を測る4つの指標

「この企業や業界は伸びるかどうか?」を判断する際、わたしが主に重視している指標は以下の4つです。

1:競合優位性

製品やサービス、ネットワークや技術、権利など、競合他社や新規参入業者よりも優位に立てる要素を指します。投資の世界では「moat(堀)」とも呼ばれています。強固な堀がある企業ほど参入障壁が高くなり、ライバルにシェアを奪われにくくなるものです。どのような堀を築けているのか、差別化のポイントや独自の強みは何かをよく確認しましょう。たとえば、アップルには独自のブランド力という優位性があるため、安易な価格競争に巻き込まれにくいという特徴があります。

2:市場の規模と成長性

市場に一定の規模がある、また成長性を期待できる市場は同時に企業も成長しやすくなります。市場規模が小さく成長余地がない場合には、いずれ業績が伸び悩むことになるでしょう。なお、成長性を図る指標として、決算の際に見る「コンセンサス予想」や後述する「予想PER」があります。どちらも市場の期待値が反映される指標のため、成長性を見る際はあわせて確認しましょう。

3:市場のシェアと推移

企業の収益は、市場規模とシェア、そして成長性によって大きく左右されます。現時点でどの程度のシェアを持っているのか、これまでの推移はどうなっているのか。今後さらに拡大する見込みはあるのかを確認します。現時点で市場規模が小さくでも、業界シェア1位で競合優位性が高く、市場の拡大も見込める場合は、将来性のある企業と判断できるでしょう。個人的には、2番手より業界シェアトップの企業が好きですね。

4:新製品・新サービスなどの動向

直近で魅力的な新製品やサービスなどを発表しているかどうかも要チェックポイントです。製品やサービス、技術などの更新がない企業は、イノベーションが停滞している可能性があります。特にアップルやテスラのように、独自のブランド力によって競合優位性を確立している企業では、この数年でどれだけ魅力的な製品を生み出しているかかが、今後の成長性・将来性を測るポイントになります。

2.「良い決算」とは?

決算は株価に強い影響を与えます。アメリカの投資家は非常にシビアですから、良い決算を出すことは企業が株主に果たす当然の責務と言えます。

では、良い決算とは何でしょうか。具体的には、「EPS」「売上高」「ガイダンス」の3つの項目がすべて事前のコンセンサス予想を上回る決算を指します。「EPS」「売上高」「ガイダンス」の3項目がすべてコンセンサス予想をBeatしていれば「良い決算」と評価できますが、1つでも取りこぼしがあれば、良い決算とは言えません。なお、ガイダンスについては企業側から発表がないこともあり、その場合はEPSと売上高の2項目がBeatしているかどうかで判断します。

「儲かる株」とは?, 「儲かる株」を見定めるシンプルな3つの基準, 1.「企業の将来性」を把握しないままの投資は危険, 企業の将来性を測る4つの指標, 2.「良い決算」とは?, 良い決算を判断する指標〈1〉EPS, 良い決算を判断する指標〈2〉売上高, 良い決算を判断指標〈3〉ガイダンス/業績見通し(Outlook), 「コンセンサス予想(Consensus, Estimate)」とは?, 決算は過去2年分(8回分)を見る, 3.「決算時のカンファレンスコール」が重要な理由

[図表2]良い決算の条件 出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋

「コンセンサス予想を上回っていれば良い決算」という基準はわたしが独自に作ったものではなく、アメリカの機関投資家やアナリストが共通して用いる決算評価の基準です。米国株投資家における共通認識と言って差し支えないでしょう。自分だけの基準にこだわるのではなく、大多数の市場参加者が用いる基準を重視するようにしてください。

良い決算を判断する指標〈1〉EPS

EPS=当期純利益÷発行済み株式総数

EPS(Earnings Per Share=1株当たり当期純利益)は、企業が1年間(または四半期)に稼いだ純利益を発行済みの株式で割ったもので、企業が1株あたりいくら稼いでいるかどうかを示す指標です。

自社株買いや株式分割によっても変動するため、見るべきポイントは数値の高低ではありません。EPSの実績値がコンセンサス予想を超えているかどうか、過去から現在にかけてどれだけ成長しているのかという成長率に着目しましょう。

良い決算を判断する指標〈2〉売上高

売上高(Revenue)-事業経費-コスト(Expense)=利益(Profit)

売上高は企業が稼いだ売上金額の総額で、あらゆるコストを差し引く前の収益そのものを表します。受取利息(Interest income)や受取配当金(Dividend income)は、売上にはならないため含まれません。売上高についても、コンセンサス予想を超えているかどうか、過去からの成長率に着目します。

良い決算を判断指標〈3〉ガイダンス/業績見通し(Outlook)

企業が来期(四半期または年間)EPS・売上高などの業績見通しを公表することを指します。コンセンサス予想は市場予想の平均値ですが、一方でガイダンスは企業自らが公表する業績予想です。主にプレスリリースやカンファレンスコールの場で、Outlook(見通し)として、「来期の売上高(収益)は〇〇ドルから〇〇ドルの範囲になると予想される」といった形で公表されることが多くなっています。

ガイダンスの公表は任意であり、企業に公表義務はありません。企業によっては、来期の見通しについて具体的な言及がないまま決算が終わることもあります。

未公表というだけでマイナス評価になることはありませんが、これまで公表していた企業が急に言及しなくなる際は要注意です。そのような変化に投資家は敏感で、「なぜ業績見通しについて急に言わなくなったのか。何かネガティブな要素があるのではないか」と思われることがあります。

「コンセンサス予想(Consensus, Estimate)」とは?

コンセンサス予想とは、複数のアナリストによる企業の業績予想の平均値です。企業の決算期には多数の投資家がこのコンセンサス予想に注目し、決算で発表される実績と比較します。コンセンサス予想と実績の差異は「Surprise」と呼ばれ、Surpriseが大きい決算ほど株価が動きやすくなります。

複数のデータ提供元があるため、調べるサイトやデータ提供時期によっては数値が異なる点に留意しましょう。また、コンセンサス予想の推移は市場の期待値のトレンドを表すため、成長性を測る指標としても活用できます。

決算は過去2年分(8回分)を見る

3つの項目で決算がBeatしていれば良い決算と言えますが、単に直近の決算が良ければいいわけではありません。継続して良い決算を出し、市場の期待に応え続けているかどうかがポイントです。わたしは銘柄分析で決算を確認する際は、最低でも2年分(四半期決算だと年に4回あるため計8回)をチェックしています。

2年間すべての決算においてBeatしていれば、文句なく優良な企業と言えます。しかし、8回中4回、5回も続けてMissしている場合は、ファイナンスが弱い企業と判断します。決算におけるMissの捉え方は、ビジネスミーティングにおける遅刻にたとえるとわかりやすいでしょう。

過去10年において一度も遅刻がなければ、11年目の決算で多少Missした場合でも、それまでの信頼関係があるため、まだ許容範囲ですよね。しかし、その1回の遅刻が初めてのビジネスミーティング(=上場後初の決算)の場だったら、Missの重みは大きく異なります。上場後初の決算は特に注目されるため、初決算のMissは要注意です。

どれほど魅力的な製品や技術があっても、決算のMissはマイナス評価でしかありません。そこは機関投資家もシビアに見ていて、こうした要素で株価は一気に動くことがあります。個人投資家も機関投資家と同じ目線で決算を見るようにしましょう。

「儲かる株」とは?, 「儲かる株」を見定めるシンプルな3つの基準, 1.「企業の将来性」を把握しないままの投資は危険, 企業の将来性を測る4つの指標, 2.「良い決算」とは?, 良い決算を判断する指標〈1〉EPS, 良い決算を判断する指標〈2〉売上高, 良い決算を判断指標〈3〉ガイダンス/業績見通し(Outlook), 「コンセンサス予想(Consensus, Estimate)」とは?, 決算は過去2年分(8回分)を見る, 3.「決算時のカンファレンスコール」が重要な理由

[図表3]決算のMissはビジネスミーティングの遅刻と同じ 出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋

3.「決算時のカンファレンスコール」が重要な理由

カンファレンスコール(Conference Call)とは、決算発表時などに行われる、企業と機関投資家の質疑応答の場のことです。決算説明会とも言われます。一般の投資家でも参加を希望すればオンラインで視聴でき、一部の投資メディアでは録画や文字起こしが配信されています。

カンファレンスコールでは決算の内容や今後の戦略など、最新の情報が経営陣の口から語られます。経営陣の生の声が聞けるうえ、機関投資家が気にしているポイントもわかる貴重なイベントです。決算書には記載のない最新ニュースや「ガイダンス(業績見通し)」が公表されることもあり、内容によっては株価の動きに大きな影響を与えます。そのため、米国株の銘柄分析においてカンファレンスコールのチェックは欠かせません。

以前、アップルがとあるカンファレンスコールで生成AIのニュースを発表したことがあります。数年アップルは株価の調子が悪く、理由のひとつとして生成AIに関するニュースを何も出していなかったことが挙げられていました。

2022年にOpenAIのChatGPTが登場して以降、グーグルやマイクロソフトなどの企業では生成AI技術の採用を急いできましたが、その間、アップルは生成AIの話題を出すことがなかったのです。

ところが、2024年6月10~14日の開発者向けカンファレンス「WWDC24」の基調講演で最高経営責任者のティム・クック氏が登壇し、「Apple Intelligence」と名付けたAI機能をiPhoneなどの製品に組み込むことを発表しました。この発表によって投資家の期待は一気に高まり、株価はぐんぐん戻っていったという出来事があります。

「儲かる株」とは?, 「儲かる株」を見定めるシンプルな3つの基準, 1.「企業の将来性」を把握しないままの投資は危険, 企業の将来性を測る4つの指標, 2.「良い決算」とは?, 良い決算を判断する指標〈1〉EPS, 良い決算を判断する指標〈2〉売上高, 良い決算を判断指標〈3〉ガイダンス/業績見通し(Outlook), 「コンセンサス予想(Consensus, Estimate)」とは?, 決算は過去2年分(8回分)を見る, 3.「決算時のカンファレンスコール」が重要な理由

[図表4]カンファレンスコール後のアップルの株価の動き 出所:『世界最強の米国株で始める株の教科書』(フォレスト出版)より抜粋

PAN

米国株投資家