米国株ファンドvsインド株ファンド、運用成績比較! インド株に異変も中小型株に優位性?

米国株ファンドvsインド株ファンド、運用成績比較! インド株に異変も中小型株に優位性?

各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、浜銀TT証券のランキングを解説。

浜銀TT証券の投信売れ筋ランキングの2025年6月のトップは前月第2位だった「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が浮上した。前月トップの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は第2位に後退した。また、第3位は前月同様に「イノベーション・インサイト 世界株式戦略ファンド(予想分配金提示型)」だったが、第4位には「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」、第5位には「イノベーション・インサイト 世界株式戦略ファンド(資産成長型)」が順位を上げている。分配金を出さないタイプのファンドがランキングの順位を上げている。「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」がトップ10圏外から第9位にランクインするなど米国株式ファンドが順位を上げた反面、前月第6位だった「イーストスプリング・インド株式オープン」が第7位に後退し、第8位だった「T&Dインド中小型株ファンド『ガンジス』」が第10位に後退するなどインド株ファンドがランクを落とした。

「イノベーション・インサイト 世界株式戦略」とは?

浜銀TT証券の売れ筋ランキングで「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」と同等に評価されている「イノベーション・インサイト 世界株式戦略ファンド」は、フランクリン・テンプルトン・ジャパンが運用を行う「フランクリン・テンプルトン・イノベーション世界株式ファンド(適格機関投資家専用)」に投資し、イノベーション企業の中から持続的な成長性が期待できる企業の株式に投資するファンドだ。米国を中心に日本を含む世界各国の金融商品取引所等に上場(上場予定を含む)している株式を投資対象にしている。

2025年6月末時点の組み入れ上位銘柄は、エヌビディア、アマゾン、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、ブロードコム、アルファベット、マスターカード、サービスナウなどとなっている。米国のハイテク大型株を中心としたポートフォリオであり、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」や「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」に似ている。ただ、個々のファンドによって運用方針等が異なるため、ポートフォリオの内容(投資銘柄、投資比率など)は異なっている。たとえば、2025年6月末時点の投資銘柄数だけをみても「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」は53銘柄、「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」は33銘柄、「イノベーション・インサイト 世界株式戦略ファンド」は101銘柄に投資している。

運用しているポートフォリオが違うと、運用成績も異なるものだが、2023年12月末を起点として、2024年1月以降の運用成績(分配金込み基準価額)を振り返ると、「イノベーション・インサイト 世界株式戦略ファンド」は、「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」とほぼ同じ成績になっている。組み入れ銘柄数では3ファンドの中で一番多いのだが、パフォーマンスでは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」を上回るという結果になっている。それぞれのパフォーマンス、また、分配金の実績等が、個々のファンド評価になっていると考えられる。

一方、それぞれのファンドの中で、分配頻度の低いファンドがランキングを上げているのは、より長期で資産形成を考える投資家の意向が強まったということだと考えられる。4月の急落によって大きく下落した米国の成長株について、中長期の目線では購入可能な水準になったという判断があるのだろう。

インド株ファンドは復調も、米株には及ばず!?

浜銀TT証券の売れ筋に入っているインド株ファンドがジリジリと順位を下げている。この背景にあるのは、インド株ファンドのパフォーマンスが今一つ冴えないことが考えられる。2023年12月末を起点として2024年1月以降の基準価額(分配金込み)の推移を振り返ると、インドの代表的な銘柄に投資して中長期的に投資収益の最大化をめざす「イーストスプリング・インド株式オープン」は、継続して「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」を下回る運用成績になっている。2024年1月以降の世界の株式市場では、2024年8月と2025年4月に急落し、その後に株価が戻るという経緯をたどっているが、この2回の株価急落からの戻り局面で、インド株の戻りは米国株の戻りに届いていない。

一方、「T&Dインド中小型株ファンド『ガンジス』」の2024年8月の急落の戻りは、米国成長株とほぼ同等を実現し、2025年2月の戻りにおいても米国成長株に迫る戻りとなっているが、それでも、やや力強さに欠けている。7月に入って徐々に米国成長株の優位性が明らかになっているようなパフォーマンスになっている。

このようにみていくと、2024年の段階で割高との指摘から株価の上昇余力が小さくなっていたインド株に対し、同じように割高の指摘がありながらもいち早く史上最高値を更新できる米国株の地力の違いを感じさせる動きになっている。このような差は、今後インド経済が一段と成長・拡大する中で解消されるものだろうが、現在のところは米国に一日の長がある。

また、インド株ファンドの比較ではパフォーマンスの面では中小型株ファンドに優位性がある。中小型株は大型株と比較すると金融や小売業など内需関連の比重が高いという性格がある。米国の関税を巡る貿易戦争が繰り広げられている中、インド経済の高い成長力を直接享受できる内需関連に安心感や成長への期待は強いだろう。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。