アストンマーティンF1、株式売却で時価総額4800億円に到達。多額投資やシリーズ人気の高まりがプラス要因に

 イギリス・シルバーストンに拠点を置くアストンマーティンF1チームは、株式売却に伴い、時価総額32億ドル(約4794億2000万円)という驚くべき評価を得た。この評価額は、ここ数年のチームへの多額の投資と、シリーズ全体の爆発的な伸びによる影響が大きい。

 億万長者ローレンス・ストロールは、コンソーシアムを率いて2018年にフォースインディアF1チームを買収し、1億1700万ドル(約175億4000万円)を投資。経営難に陥っていたチームを管理下から救い出し、405人の雇用を守った。

 そしてストロールはコンソーシアムと共に、イギリスのスポーツカーブランドであるアストンマーティンをも買収。一時的にレーシングポイントとなっていたF1チームは、2021年からアストンマーティンF1として生まれ変わった。

 チーム買収当時にストロールが約束した多額の投資により、シルバーストンに最新鋭のインフラを含むファクトリーが新設された。さらに伝説的なレーシングカーデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイを迎え入れ、新たなレギュレーションが導入される2026年に焦点を置いている。

 7月30日(木)、アストンマーティン・ラゴンダ・グローバル・ホールディングスが1億4600万ドル(約219億円)相当の「少数株主持分の(株式)売却に合意」したことを認め「買い手との間で拘束力のある合意文書が交わされた」と明らかにされた。これにより、F1事業の評価額が32億ドルに達した。

Lance Stroll, Aston Martin Racing, Fernando Alonso, Aston Martin Racing

 株式の買い手はまだ確認されていないものの、アストンマーティンF1はこの評価額に満足しており「Netflixのドキュメンタリー『Drive to Survive』の影響で人気が急上昇しているこのスポーツを買いたいという投資家の需要を強調するモノだ」と付け加えた。

 Sky Newsによると、HPSインベストメント・パートナーズとアクセル・パートナーズとの間で株式売却が行なわれた昨年3月の段階で、アストンマーティンF1の時価総額は26億ドル(約3898億7650万円)に登るとされていた。つまり、この1年あまりでチームの価値が23%上昇したことになる。

 この評価額はストロールのチームへの投資によるところが大きく、チームに集まる人材、来季からのホンダ製ワークスパワーユニット獲得、より充実したファクトリーなどがその証明だが、F1人気の高まりという影響も無視できない。

 F1はアメリカ市場で大きく成長し、同地域のファンは2024年から10%増の5200万人を誇るとされている。またアメリカでのテレビ視聴率も急上昇しており、ESPNの視聴者数は2018年と比べて2倍になっている。

 Drive to Surviveは、F1の視聴者層を改善する要因のひとつになっており、アメリカの視聴者の平均年齢は32歳から35歳に収まっていることから、こうした層への訴求方法を求めるアメリカ企業が集まってきている。

 アメリカ市場での成功もあり、F1の収益は4年連続での増加。2024年には36億5000万ドル(約5474億2700万円)に到達した。

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