【8月の年金支給日が待ち遠しい】2025年度、いまの年金額はいくら?「年金から天引きされるお金」も解説!
「厚生年金・国民年金」みんなはひと月平均いくら受給している?

【8月の年金支給日が待ち遠しい】2025年度、いまの年金額はいくら?「年金から天引きされるお金」も解説!
厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」では、高齢者世帯(※)の収入の実態を見ることができます。
「公的年金・恩給を受給している世帯」において、収入のすべてが「公的年金・恩給」である世帯が43.4%にものぼることがわかっています。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%
すなわち、約半数近くの世帯が年金のみで生活しているという実態があるのです。
そんなシニアのおもな収入源である「年金」ですが、毎年4月に改定されています。本記事では2025年度の年金額改定や年金から天引きされるお金について解説します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金の疑問1:毎年4月に年金が引き上げられるって本当?
4月から年金が増額されるという話題を耳にした方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の発表によれば、2025年度の厚生年金および国民年金は、前年度比で1.9%の引き上げとなりました。

令和7年度の年金額の例
・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(+1308円)
・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
ただし、年金は後払い方式のため、増額分が反映されるのは4月支給月からではなく、4月・5月分はまとめて6月に支給される仕組みとなっています。

【一覧表】2025年の年金支給日カレンダー
・2025年2月14日(金):12月・1月
・2025年4月15日(火) :2月・3月分
・2025年6月13日(金) :4月・5月分
・2025年8月15日(金) :6月・7月分
・2025年10月15日(水) :8月・9月分
・2025年12月15日(月) :10月・11月分
実質的には「年金の価値」は目減りしている現状
年金が引き上げられること自体は朗報といえますが、実際には増額率を上回るペースで物価が上昇しており、実質的には年金の価値が目減りしている点に注意が必要です。
この背景には、マクロ経済スライド調整率の影響があります。
もともと年金額の改定は、物価変動率や名目賃金の変動率をもとに改定率が算出されますが、必要に応じてマクロ経済スライドによる調整が加えられる仕組みとなっています。

年金額の改定について
今回もマクロ経済スライドによる調整率「▲0.4%」が適用されたことで、年金の改定率は最終的に1.9%に抑えられました。
物価変動率が2.7%であるのに対し、改定率はそれを下回る結果となっているため、実質的には年金の購買力が低下していることになります。
年金制度の持続性を保つためには、やむを得ない措置ともいえるでしょう。
年金の疑問2:年金からも「税金・社会保険料」が天引きされるって本当?
シニア世代が受け取る老齢年金も、給与と同様に税金や社会保険料が差し引かれるため、実際の手取り額は支給額よりも少なくなります。
たとえば、現役時代の給与からは「健康保険料・年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税」などが天引きされていましたが、年金についても同様に一定の控除があります。
では、年金からは具体的にどのような費用が引かれるのでしょうか。
主な控除項目は、以下の4つです。
・介護保険料
・国民健康保険料または後期高齢者医療保険料
・個人住民税および森林環境税
・所得税および復興特別所得税
年金から天引きされているお金1:介護保険料
介護保険料は、40歳〜64歳までは健康保険料に上乗せされる形で徴収されていましたが、65歳になると年金からの天引き(特別徴収)へと切り替わります。
また、介護保険料は要介護や要支援の認定を受けたかどうかにかかわらず、生涯にわたって支払いが必要です。
年金から天引きされているお金2:国民健康保険料・後期高齢者医療保険料
国民健康保険に加入している方は、国民健康保険料が年金から特別徴収される仕組みになっています。
さらに、75歳以上になると後期高齢者医療制度に移行し、後期高齢者医療保険料も同様に年金から差し引かれるようになります。
この保険料は個人単位で算出され、「均等割(すべての加入者が均等に負担)」と「所得割(前年の所得に応じて決まる負担額)」を合計した額が徴収されます。
年金から天引きされているお金3:住民税および森林環境税
65歳以上で年金の年間受給額が18万円以上の方は、住民税に加え、森林環境税も年金から天引きされる対象となります。
森林環境税は2024年度から新たに導入されたもので、同年10月より個人住民税とあわせて特別徴収される仕組みに変更されてます。
年金から天引きされているお金4:所得税および復興特別所得税
公的年金は「雑所得」として扱われ、一定の金額を超えて受給している場合は、所得税および復興特別所得税が源泉徴収されます。
これらの税金や社会保険料は、市区町村からの依頼に基づいて年金から天引きされる「特別徴収」という方法で納付されます。
特別徴収の対象となるのは、65歳以上で年金の年間受給額が18万円以上の人など、年金の種類や金額によって条件が異なります。
一方、介護保険料が年金から特別徴収されない場合や、受給額が年18万円未満の人などは「普通徴収」によって個別に納付することになります。
これらの項目すべてが天引きされる人もいれば、一部のみが該当するケースもあり、金額や内容は個人によって異なります。
正確な金額を確認するには、「年金振込通知書」などで明細をチェックすることが大切です。
年金の疑問3:「厚生年金・国民年金」の平均月額はいくら?
今のシニア世代が実際にどの程度の年金を受け取っているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、厚生労働省が公表している「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金および厚生年金の平均受給額を確認してみましょう。
国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額をチェック

国民年金の月額ごとの受給権者数
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
受給額ごとの人数分布は以下のとおりです。
・1万円未満:5万8811人
・1万円以上~2万円未満:24万5852人
・2万円以上~3万円未満:78万8047人
・3万円以上~4万円未満:236万5373人
・4万円以上~5万円未満:431万5062人
・5万円以上~6万円未満:743万2768人
・6万円以上~7万円未満:1597万6775人
・7万円以上~:227万3098人
厚生年金(老齢厚生年金)の平均受給額をチェック

厚生年金の月額ごとの受給権者数
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金の金額を含む
受給額ごとの人数分布は以下の結果となっています。
・1万円未満:4万4420人
・1万円以上~2万円未満:1万4367人
・2万円以上~3万円未満:5万231人
・3万円以上~4万円未満:9万2746人
・4万円以上~5万円未満:9万8464人
・5万円以上~6万円未満:13万6190人
・6万円以上~7万円未満:37万5940人
・7万円以上~8万円未満:63万7624人
・8万円以上~9万円未満:87万3828人
・9万円以上~10万円未満:107万9767人
・10万円以上~11万円未満:112万6181人
・11万円以上~12万円未満:105万4333人
・12万円以上~13万円未満:95万7855人
・13万円以上~14万円未満:92万3629人
・14万円以上~15万円未満:94万5907人
・15万円以上~16万円未満:98万6257人
・16万円以上~17万円未満:102万6399人
・17万円以上~18万円未満:105万3851人
・18万円以上~19万円未満:102万2699人
・19万円以上~20万円未満:93万6884人
・20万円以上~21万円未満:80万1770人
・21万円以上~22万円未満:62万6732人
・22万円以上~23万円未満:43万6137人
・23万円以上~24万円未満:28万6572人
・24万円以上~25万円未満:18万9132人
・25万円以上~26万円未満:11万9942人
・26万円以上~27万円未満:7万1648人
・27万円以上~28万円未満:4万268人
・28万円以上~29万円未満:2万1012人
・29万円以上~30万円未満:9652人
・30万円以上~:1万4292人
厚生年金の受給額は、現役時代の収入や加入年数によって大きく差が出るため、多様な働き方が広がる今の日本では、「自分が将来どれくらい受け取れるのか」を事前に把握しておくことが大切です。
将来「生活が苦しい」と後悔しないために
今回ご紹介した年金額例や、年金から天引きされるお金については、年金受給者にとって切っても切り離せないものです。
物価の上昇は、年金生活を送る方だけでなく、現役世代にも大きな影響を与えています。
もし今後も物価上昇が続くと仮定した場合、私たちの生活は今以上に厳しくなっていく可能性があります。
現役世代であれば、副業をして収入を増やすといった選択肢もありますが、年金受給者にとってはそう簡単ではありません。年齢や健康面の理由から、働くこと自体が難しいという方も少なくないでしょう。
だからこそ、老後に「お金が足りない」「生活が苦しい」と悩まないためにも、現役時代から老後資金を計画的に準備しておくことがとても大切です。
参考資料
・厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」
・厚生労働省「介護保険制度の概要」
・厚生労働省「高齢期における年金制度」2023年10月24日
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況