シニアのおよそ3割が「年金だけでは日常生活費もまかなえない」【一覧表】60歳~90歳以上までの「国民年金・厚生年金」の平均はいくら?

年金の基本的な仕組み・シニアの平均的な年金額・年金支給日まで詳しく解説

【次の年金支給日はいつ?】公的年金の支給日は「偶数月の15日」, 公的年金の基本構造, 1階部分:国民年金(基礎年金), 2階部分:厚生年金(被用者年金), 【一覧表】60歳~90歳以上までの「国民年金・厚生年金」の平均はいくら?, 【一覧表】60歳~90歳以上《国民年金・厚生年金》5歳刻みの平均, 【一覧表】60歳~90歳以上《国民年金・厚生年金》全体・男女別の平均, シニアのおよそ3割が「年金だけでは日常生活費もまかなえない」, 増え続ける「働くシニア」の割合, 65歳上の就業率(2023年), 年金だけでは足りない?必要な老後資金を見極めよう

シニアのおよそ3割が「年金だけでは日常生活費もまかなえない」【一覧表】60歳~90歳以上までの「国民年金・厚生年金」の平均はいくら?

厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の「1世帯あたりの平均所得金額」を見てみましょう。

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出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」

※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

高齢者世帯の平均所得金額

(カッコ内は総所得に占める割合)

総所得:314万8000円 (100.0%)

【内訳】

・稼働所得:79万7000円(25.3%)

・公的年金・恩給:200万円(63.5%)

・財産所得:14万4000円 (4.6%)

・公的年金・恩給以外の社会保障給付金:1万8000円 (0.6%)

・仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得18万9000円(6.0%)

この調査結果から、高齢者世帯の平均総所得は314万8000円。月額に換算すると約26万円となります。

その中でも特に多くを占めているのが「公的年金」で、月額にして約16万6000円。続いて多いのが「雇用者所得」で、月額およそ5万5000円となっています。

このように、高齢者世帯の生活は公的年金を主な柱としながら、仕事による収入で補っているというのが現状です。

年金はシニアにとって大切な収入源ですが、その仕組みや実際の金額については、あまりよく知られていないこともあります。この記事では、年金の基本的な仕組みや、シニアの平均的な年金額、そして年金の支給日カレンダーなどについて詳しくご紹介していきます。

※雇用者所得:世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で、税金や社会保険料を含む

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【次の年金支給日はいつ?】公的年金の支給日は「偶数月の15日」

公的年金の支給日は「偶数月の15日」です。15日が土日・祝祭日の場合、支給日は直前の平日に前倒しとなります。

年金支給日:支給対象月

・2025年4月15日(火) :2月・3月分

・2025年6月13日(金) :4月・5月分

・2025年8月15日(金) :6月・7月分

・2025年10月15日(水) :8月・9月分

・2025年12月15日(月) :10月・11月分

このように、前月までの2カ月分がまとめて支給されます。

年金は私たちの暮らしとは切り離せない大切なライフラインです。次で、国民年金と厚生年金の基本をおさらいしておきましょう。

公的年金の基本構造

日本の公的年金制度は、基礎部分となる「国民年金」と、上乗せ部分となる厚生年金から成り立つ「2階建て構造」です。

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1階部分:国民年金(基礎年金)

・加入対象者:原則として日本国内に住む20歳以上から60歳未満の全ての人

・年金保険料:全員一律(※1)

・老後の受給額:40年間納付すると65歳以降に満額(※2)が受け取れる。未納期間分に応じて満額から差し引かれる。

※1 国民年金保険料の月額:2024年度 1万6980円、2025年度 1万7510円

※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2024年度 6万8000円、2025年度 6万9308円

2階部分:厚生年金(被用者年金)

・加入対象者:会社員や公務員、一定要件を満たすパート・アルバイトの人が国民年金に上乗せして加入

・年金保険料:報酬(賞与・給与)に応じて計算される(上限額あり※3)

・老後の受給額:国民年金に上乗せして受給。厚生年金部分は年金加入期間や納付済保険料により個人差が出る。

現役時代は働き方や立場に応じて「国民年金のみに加入する人」「厚生年金に上乗せ加入する人」に分かれます。

老後に受け取る年金は、厚生年金に加入していた人であれば「国民年金+厚生年金」です。厚生年金加入期間がない人の場合、「国民年金のみ」となります(※4)。

※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。

※4 受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間などの合算)が10年以上ある場合、65歳以降で受給できます。

次は、厚生労働省の一次資料をもとに、今のシニア世代が実際に受け取っている年金額の平均を見ていきます。

【一覧表】60歳~90歳以上までの「国民年金・厚生年金」の平均はいくら?

ここからは、令和の老齢年金世代がどの程度の年金を受け取れているか見ていきましょう。

厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、国民年金と厚生年金(※1)について、年齢階級別(5歳刻み)の平均額と、全受給権者(60歳~90歳以上)の平均年金月額を確認していきます。

※1 厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。

【一覧表】60歳~90歳以上《国民年金・厚生年金》5歳刻みの平均

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【一覧表】60歳~90歳以上《国民年金・厚生年金》5歳刻みの平均受給額

国民年金

・60~64歳:4万4836円

・65~69歳:5万9331円

・70~74歳:5万8421円

・75~79歳:5万7580円

・80~84歳:5万7045円

・85~89歳:5万7336円

・90歳以上:5万3621円

厚生年金

※国民年金部分を含む

・60~64歳:7万5945円

・65~69歳:14万7428円

・70~74歳:14万4520円

・75~79歳:14万7936円

・80~84歳:15万5635円

・85~89歳:16万2348円

・90歳以上:16万721円

一般的な年金受給開始年齢である65歳以上の平均年金月額は、国民年金(老齢基礎年金)のみを受給する人の場合で5万円台、厚生年金(国民年金部分を含む)を受給する人であれば14万円台~16万円台です。

64歳までは、繰上げ受給を選択した人や(※2)、特別支給の老齢厚生年金(※3)を受け取る人の年金額となっているため、65歳以降よりも低めです。

※2 繰上げ受給:老齢年金を「60歳から64歳」の間に前倒しして受給を始めること。繰上げた月数に応じて減額率が適用されます。

※3 特別支給の老齢厚生年金:昭和60年の法改正により厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際、受給開始年齢を段階的に引き上げるために設けられた制度。年齢など一定条件を満たす場合に受け取ることができます。

次では、全年齢の受給権者の平均月額についても見ていきます。

【一覧表】60歳~90歳以上《国民年金・厚生年金》全体・男女別の平均

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【一覧表】60歳~90歳以上《国民年金・厚生年金》全体・男女別の平均年金月額

国民年金

・全体 5万7584円

・男性 5万9965円

・女性 5万5777円

厚生年金

※国民年金部分を含む

・全体 14万6429円

・男性 16万6606円

・女性 10万7200円

国民年金のみを受給する場合、全体、男女別ともに平均月額は5万円台です。一方、厚生年金を受給する場合、国民年金部分を含めた平均月額は全体で14万円台です。

一般的には、厚生年金を受け取る人は、国民年金のみを受給する場合と比べて手厚い受給額となります。ただし男性16万円台、女性は10万円台と男女差が大きいです。

また厚生年金を受け取る人の間でも、大きな個人差がある点には留意が必要です。

老後の受給額には、それまでの年金加入状況が反映されます。ご自身の年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で把握しておきましょう。

シニアのおよそ3割が「年金だけでは日常生活費もまかなえない」

公的年金は賃金や物価を考慮して年度ごとに見直しがおこなわれます。

2025年度(令和7年度)の年金額は、前年度より1.9%引き上げとなりました。3年連続のプラス改定ではあるものの、「マクロ経済スライド」によって物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には年金額は目減りしています。

なお、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」では、60歳代・70歳代の二人以上世帯において、60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と答えています。

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老齢年金世代が「年金にゆとりがない」と感じる理由

また、年金にゆとりがないと感じる理由として、下記のような理由が上位に挙がりました。

・物価上昇で支出が増えると見込んでいるから:60歳代63.3%・70歳代62.8%

・医療費負担の増加:60歳代28.3%:70歳代34.8%

・介護費負担の増加:60歳代18.1%・70歳代26.4%

また、介護保険料や後期高齢者医療制度の保険料なども引き上げ傾向が続いています。年金受給者の多くは、こうした社会保険料や税金を老齢年金からの天引きで納めています。

いずれも生涯にわたり納付が必要となるため、シニア世代の負担感が増すことも懸念されるでしょう。

増え続ける「働くシニア」の割合

現代では60歳を超えて働き続ける方も多いです。

厚生労働省「令和6年版高齢社会白書」より、65歳以上の就業率を確認しましょう。

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労働力人口比率の推移

65歳上の就業率(2023年)

・65~69歳:53.5%

・70~74歳:34.5%

・75歳以上:11.5%

60歳代後半の方はおよそ半数の方が就業しています。

70歳代前半でもおよそ3人に1人が、75歳以上では約1割の方が働いているとわかりました。

2003年の就業率は65~69歳で34.7%、70~74歳で21.4%、75歳以上で9.1%でしたから、基本的に働くシニアは増加しています。

年金だけでは足りない?必要な老後資金を見極めよう

年金制度や低所得者世帯への支援策等は、多くの人を支える仕組みです。同じ条件でも貯蓄額や資産状況によっては「年金だけでは生活が苦しい」と感じる人もいます。

私たちの現在の年収や生活スタイルが人それぞれ違うように、将来必要になるお金の額も一人ひとり異なります。

まずは、自分が老後にどのくらいのお金を必要とするのかを試算してみること。

それが、将来に向けた資金準備の第一歩になるのではないでしょうか。

参考資料

・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

・日本年金機構「国民年金保険料」

・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・厚生労働省「令和6年版高齢社会白書」

・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」