4人に1人がマッチングアプリ婚、それでも結婚式のなれそめ紹介で伏せられるワケ

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結婚式で新郎新婦のなれそめを紹介するのは定番です。「友達の紹介で」「バイト先で一緒に働いた」といったあたりが定番ですが、年々増えているのが「マッチングアプリで出会いました」。今や、結婚のきっかけで最も多いのはマッチングアプリなのです。イマドキの若者の恋愛・結婚観は、40代以上の世代から見るとかなり違ってきています。イマドキの10~20代の恋愛事情を紹介します。(ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー 鈴木朋子)
「今日、好きになりました。」は「あいのり」「テラスハウス」の令和版
7月頃、「おひなさま」「もんた」「今日好き」などのワードがXで飛び交っていたのをご存じでしょうか。大人気だった恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました。ハロン編」(ABEMA)が2025年7月14日に最終回を迎えたため、Xにもその盛り上がりが飛び火したのです。先ほどの「おひなさま」と「もんた」は番組の出演者で、「今日好き」とは人気シリーズ「今日、好きになりました。」の略称です。
「今日、好きになりました。」は、“恋の修学旅行”をテーマにした恋愛リアリティーショーで、現在は最新シリーズの「夏休み編2025」を配信中です。2017年の初回放送以降、10代を中心に人気を博しています。今日好きでは、出演者の高校生たちが数日間旅を共にし、その恋模様を番組が追いかけます。

SNSを騒がせた「今日、好きになりました。ハロン編」 Photo:ABEMA
恋愛リアリティショーと言われてもピンと来ない人でも、「あいのり」や「テラスハウス」(フジテレビ)のような番組と言えば、おわかりになるかもしれません。出演者たちが美しい景色やおしゃれなレストランで過ごし、リアルに惹かれ合っていく様子が伝えられるため、ドラマよりも次の展開が読めないドキドキハラハラ感があります。「他人の恋愛を見て何が楽しい」という人もいると思いますが、恋愛に憧れる世代としては「あんな恋をしてみたい」「出演者の気持ちがわかる」と共感し、夢中になるのです。
今日好きのハロン編は、ひなさんを中心とした四角関係が注目され、ひなさんに恋したもんたさんの一途な姿に視聴者は心を奪われました。ABEMAオリジナル番組における週間視聴者数で最高記録を更新するほど人気になり、配信が行われるたびにSNSには多数の投稿が寄せられました。その後、出演者は変わらずの熱愛ぶりなどをSNSに発信し続けています。番組が終わったあとでも恋模様が見られるのは、SNS時代ならではですね。
いつの時代も、多くの若者は恋愛に興味を持ち、まだ見ぬ恋人に出会える日を待っています。しかし、今どきはその様子が大きく変わってきました。それは、マッチングアプリの隆盛です。
マッチングアプリは「出会い系」とは別モノ
「マッチングアプリって、出会い系でしょ?」と思う人もいるでしょう。そこで、あらためて今どきのマッチングアプリについて説明します。
マッチングアプリとは、「真剣に恋人を探したい」「結婚を前提に相手を探したい」といった目的で利用するサービスです。そのため、18歳以上の利用に限定されており、運転免許証や健康保険証などの身分証で年齢確認されるサービスがほとんどです。

エウレカが運営する「Pairs(ペアーズ)」は、マイナンバーカードのICチップ読み取りによるオンライン本人確認に対応している Photo:Eureka
出会い系サイトの場合、一時的な関係を求める人たちが本人確認なしで利用していることが多く、「サクラ(架空の利用者)」によって高額な料金をだまし取られるケースもあります。この安全性の差がもっとも大きな違いです。
また、マッチングアプリの場合、男性が有料、女性が無料のケースが多いようです。例えば、恋活・婚活マッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」の場合、男性はマッチングが成立し、メッセージのやり取りを行う段階で有料会員に登録し、月額料金を支払わなければなりません。女性は基本的に無料で利用できます。出会い系サイトではメッセージ送信ごとに課金されるサービスが多いので、この点も異なります。
マッチングアプリは真剣な出会いを求めている人が多いため、プロフィールも細かく記載します。登録を終えたら、年齢や趣味などで条件を絞って検索し、自分好みの人を探します。若者の場合、ごく近い場所に住んでいる人に絞って探す人が多いため、知り合いとマッチすることも多いようです。
好みの人がいたら「いいね」を送り、相手も返してくれたら、マッチングが成立です。メッセージをやり取りし、お互いの気が合えば実際に会うことになります。
つまり、大人にとっては出会い系サイトのイメージが強いマッチングアプリですが、若者は気が合う相手を安心して探せるサービスとして利用しているのです。
若者にとってのマッチングアプリはSNSの延長
若者がマッチングアプリを気軽に使う理由としては、SNSで人と知り合うことに慣れていることも挙げられます。
10代は普段から、InstagramやXで友人のフォローリストを見ています。ひとつずつプロフィールを開き、「この子かわいいから紹介して」と同級生や先輩に頼むこともあります。また、友人がその友人と撮影した投稿を見て「イケメン!会いたい」とセッティングをお願いする展開もあります。そして実際に会う前に、相手のプロフィールや投稿を見て、その人の趣味や性格などを調べ上げます。プロフィールにMBTIの結果などが書いてあれば、自分と気が合うのかどうかも推測できます。
そうした状況で青春を過ごしているため、マッチングアプリもSNSの延長のような印象で利用できるわけです。
とはいえ、やはり恋愛目的のサービスであり、いわゆる「ヤリモク」(性交渉だけを目的とする)の男性がいる確率は高いようです。大学生に聞くと、メッセージで気が合ったら通話し、それから実際に会うかどうかを決める人が多いとのこと。また、「マチアプ(マッチングアプリ)で出会った変な男はすぐ友達と共有する」と、友達と協力している人もいます。
また、これまで培ったSNSのウォッチ能力も生かします。マッチングしたのちにInstagramのアカウントを教え合い、相手の様子を調べるのです。フォローリストに共通の知り合いがいる場合、すぐ友人に「この人知ってる?」と確認します。すると、「ああ、○○ちゃんの元カレだよ」と判明することもあります。こうして安心して恋愛ができる人を探していくのです。
結婚した人の4人に1人がマッチングアプリで出会っているが……
社会人ともなると、結婚が視野に入ってきます。休日はどう過ごしたいか、どんな家庭を持ちたいかなど、具体的な将来像も話すようになります。突然始まった恋愛ではなく、お互いの条件をあらかじめ了承した上でお付き合いが始まるため、結婚へと結びつきやすいようです。
こども家庭庁が15~39歳の男女2万人を対象に行った調査「令和6年度 若者のライフデザインや出会いに関する意識調査 報告書」によると、結婚した人の25.1%が「マッチングアプリ」で出会ったと回答しています。つまり、4人に1人がマッチングアプリの出会いで結婚しているのです。続いて、「職場や仕事の関係、アルバイト先」(20.5%)、「学校」(9.9%)で出会っているそうです。

結婚したカップルの出会いのきっかけで最も多いのはマッチングアプリで、約25%(出所:こども家庭庁 「ウェブアンケート調査結果(速報)」

未婚者のアンケートでは“「婚活」イコールマッチングアプリだと思っている”という問いに対し、「そう思う」と「ややそう思う」を合わせると42.3%。未婚者の約半分にとっては「マッチングアプリ=婚活ツール」であることが分かる(出典:令和6年度 若者のライフデザインや出会いに関する意識調査 報告書)
一方、理想の出会いの場としては、「職場や仕事の関係、アルバイト先」がトップで、「マッチングアプリ」は6位と低めです。二人のなれそめを結婚式で紹介するとき、マッチングアプリであることを隠す人もいるそうです。20代女性に聞いたところ、「マッチングアプリで出会っても悪くはないけど、堂々とは言いにくい」との話でした。親戚一同が集まる場ですし、オープンにするにはもう少しマッチングアプリのイメージ向上が必要なのでしょう。
また、マッチングアプリは信頼性が高いとはいえ、マルチ商法や宗教の勧誘、デート商法などの問題も起きています。「簡単に稼げる」と副業や投資話を持ち掛けられる、健康食品や化粧品の購入をすすめてくるなど不審な点がある場合にはすぐに連絡を絶ち、運営会社や最寄りの相談機関に相談するようにしましょう。
既婚者向けマッチングアプリ!?
最近では、既婚者向けのマッチングアプリも登場しました。「既婚者が!?」と驚いてしまいますが、相手はAIです。
AIと恋するマッチングアプリ「LOVERSE(ラヴァース)」は、「相手がAIだから、既婚者でも老後になっても恋ができる」とうたっています。提供会社のサマンサによると、2023年6月にリリースしたWeb版では、40代以上の男性の既婚者を中心に利用されてきたとのこと。

AIと恋するマッチングアプリ「LOVERSE(ラヴァース)」(サマンサのプレスリリースより)
今年6月にリリースされたアプリ版で新たな層に広がるかもしれませんが、相手が実在しないことを忘れずに利用してほしいものです。