投資家は新しい「ポストモダン・サイクル」に乗れ!…ゴールドマン・サックスが3つの投資を推奨

ゴールドマン・サックスによると、市場に「ポストモダン・サイクル」がやってくる。

  • ゴールドマン・サックスによると、市場は新たな「ポストモダン・サイクル」に入ろうとしているという。
  • このサイクルは、第二次世界大戦以降で4回目のいわゆるスーパーサイクルだという。
  • ゴールドマン・サックスは、投資家がこの新しい局面でチャンスを狙うための3つの投資アイデアを示している。

株式市場の細かい値動きばかりを毎日追いかけていると、自分の目の前で歴史的な大きな変化が起きていることに気付きにくい。

ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)のチーフ・グローバル株式ストラテジストであるピーター・オッペンハイマー(Peter Oppenheimer)が率いるストラテジストたちは、今目の前で起きている大きな変化に気付くべき時であると述べている。

ストラテジストはこれを「ポストモダン・サイクル」と呼び、第二次世界大戦以降で4回目の長期的な強気相場だと見ている。株式市場の仕組みそのものが変わりつつあり、これまでとは違う新しい要因が株価の動きを決め始めているという。そしてその変化は投資家にとって新しいチャンスにつながると考えているという。

「我々がこれを『ポストモダン』サイクルと呼んでいるのは、過去の株式市場の上昇と似た部分もあると同時に新しい要因が株の動きに影響を与え、投資で利益を得やすい分野や方法も変わると考えたからだ」とゴールドマン・サックスのストラテジストたちは書いている。

今回のスーパーサイクルが過去のサイクルとどう違うのか、ゴールドマン・サックスが考える投資家の資産戦略を以下に紹介する。

これまでと違う点

ゴールドマン・サックスによると、今回の「ポストモダン・サイクル」は、これまでの長期的な株式上昇の時代と比べて3点の違いがあるという。

1. 株価水準が高い

通常、新しい長期的な株式上昇は株価が低い状態から始まるものだ。しかし、今回のサイクルはそうではないとゴールドマン・サックスは指摘している。S&P 500のシラーPER(株価収益率)は歴史的に見ても高い水準にある。

同社はさらに、「株価がすでに高いため、これからの値上がり幅は小さくなり、株式の絶対的なリターンも小さくなる可能性が高い」と述べている。

2.金利と物価の高さ

ゴールドマン・サックスによると、インフレが続くことで長期金利も高めに推移する可能性があるという。これは、過去2回のスーパーサイクルとは異なる点であり、以前は金利が全体的に下がる傾向にあった。

投資家たちはすでに、2025年はこれまでよりもインフレ率が高くなるかもしれないと警戒している。企業が関税の影響を受け、商品の値段を消費者に転嫁する可能性があるためだ。また、インフレになると、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は金利を下げにくくなるため、借り入れコストが高くなる。

ゴールドマン・サックスは、コロナ後のインフレによって長期の金利が上がりやすく、さらに「今の金利はこれ以上下げる余地がほとんどない」と考えているという。

3.政府の借金が増える

ゴールドマン・サックスによると、アメリカ政府は今後も財政赤字を続け、債務を増やしていく可能性が高いという。これは過去の状況とは異なる。たとえば、1990年代後半のビル・クリントン(Bill Clinton)政権時には、数十年ぶりにアメリカの財政は黒字になった。

政府の借金が増えると、企業や個人がお金を借りるときのコストも高くなる。なぜなら債券市場の投資家が、アメリカ政府の公的債務の持続可能性に不安を感じ、国債の利息(利回り)が上がるからだ。

「これらの要因は、企業全体の利益にの重荷になる可能性があるが、企業ごとの勝ち組と負け組の差はより大きい差を生むだろう」とストラテジストたちは述べている。

S&P500のシラーPER(株価収益率)は歴史的な高水準にある。

投資の機会は3つ

こうした変化は株価にとって全体的にはマイナス要因であるが、投資家にとって明るい分野が市場に存在しないわけではない。またゴールドマン・サックスは、投資家に「大きな」機会をもたらす可能性があると考える3つの「メガトレンド」を強調する。

1. テクノロジー

ゴールドマン・サックスは最近のAI(人工知能)関連取引の勢いを根拠に、テックブームは今後も市場全体を牽引し続ける可能性が高いと述べている。アメリカのテクノロジー株は、近年において市場全体を新たな最高値へと押し上げた主役であり、大手企業は現在もAIへの投資に巨額を投じ続けている。

「近年、経済と金融市場の両方を牽引してきたテクノロジーの台頭は、これからも続くと我々は見ている」とストラテジストは記している。

2. サービス業と製造業

テクノロジーが生産性を高めることを踏まえると、この2つの分野は投資家に「投資機会を生み出す」可能性が高いとゴールドマン・サックスは述べている。

「今、仮想世界と現実世界の関係がより共生的に発展していく時代に入っている。AIが高い成果を生むと期待されているが、それを実現するには、データセンターや電力網などの物理的なインフラを整備する必要がある」とストラテジストは付け加えている。

3. アメリカ国外への分散投資

アメリカは投資で得られる利益で世界をけん引する可能性が高いが、他の国々にも幅広い投資チャンスがあるとゴールドマン・サックスは指摘している。

ストラテジストはアメリカの資産に比べて割安に評価されているオール・カントリー・ワールド・インデックス(米国を除く)ETF(上場投資信託)を推奨している。

アメリカの資産は、世界の他国の資産に比べて割高だ。

ゴールドマン・サックスは、「これはアメリカ市場への投資比率を減らすべきだという主張ではない。むしろ、アメリカ株に集中しすぎた投資を補ってリスクを分散する方法として、他の地域にある割安な投資先にも積極的に目を向けるべきだと勧めている」と述べている。