過去5年で148%超のリターン! インド株ファンドは足元成績不振も投資家は「中長期」「将来性」で継続

過去5年で148%超のリターン! インド株ファンドは足元成績不振も投資家は「中長期」「将来性」で継続

各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、大和証券のデータ(週次)をもとに解説。

大和証券の投信売れ筋ランキングの2025年8月のトップは、前月と同様で「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」だった。第2位に前月第3位の「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が上がり、前月第2位だった「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」は第3位に後退した。そして、第4位に前月第6位だった「ストックインデックスファンド225」がジャンプアップした。前月第4位だった「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(1年決算型)」が第5位に、前月第5位だった「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」が第6位に後退した。

ランキング上位のアクティブファンドは長期投資型

大和証券の売れ筋(ダイワのオンライントレード買付金額(総合)ランキング)において「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」は、5月以来4カ月連続でトップ(各月最終週のランキング)を維持している。高い利益成長もしくは持続的な利益成長の可能性が高いと判断される企業を選別し、魅力的な投資機会に投資していく代表的なアクティブファンドだ。2024年の前半までは「S&P500」インデックスファンドも上回る運用成績だったが、2024年後半以降は「S&P500」と同等かやや下回るパフォーマンスになってきた。米国株全般が買い進められる環境になると同ファンドのようにクオリティ銘柄を選別するファンドは埋没しやすい。

ただ、過去のパフォーマンスが示しているように、同ファンドは株式市場の下落時に下値への抵抗力が強い特性がある。9月になって米国株は利下げ期待を背景に上値追いの動きになっているが、利下げ決断の理由の1つは雇用の弱さにある。景気の先行きに懸念がもたれる状況があるわけで、株価が一方的に上昇するような状況にはない。同ファンドに対する支持は、そのような米国経済や米国株価に対する警戒感があるのかもしれない。

また、大和証券の売れ筋上位で特徴的なのは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」、「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(1年決算型)」など、代表的な株式アクティブファンドで分配金を抑えて再投資するタイプが並んでいることだ。他の販売会社では、同じファンドでも毎月決算型の「予想分配金提示型」が上位に来るケースが多い。ここで取り上げている売れ筋が「オンライントレード」の買付金額であるため、利用者が比較的若い「資産形成層」が多いのかもしれない。そうであれば、「資産形成層」が分配余力を再投資するファンドを選択しているのは理にかなった動きだ。

「テーマ型」で出色のファンドとは?

大和証券の売れ筋のもうひとつのグループが、「インド株」や「netWIN」、「金融株」など特定のテーマに特化したファンド群だ。このグループは、必ずしも足元のパフォーマンスが良好というわけではない。もちろん「ダイワ金融新時代ファンド」は国内株ファンドの中でパフォーマンスがずぬけたファンドの1つであり、そのパフォーマンスが評価されてランクインしていると考えられるが、パフォーマンスが伴わなくてもトップ10に居続けているファンドもある。

その典型が「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」だ。インド株は2024年7月にピークをつけてから緩やかな右肩下がりになっている。同ファンドのトータルリターンも2025年8月末時点で過去1年はマイナス6.15%だ。出遅れ感が強いといわれてきた日本株の「ストックインデックスファンド225」ですら、過去1年でプラス12.04%であることと比較してもインド株ファンドの低迷は続いている。それでも「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」は売れ筋トップ10に入り続けている。2024年9月~11月はランキングのトップにすらなっていた。

足元の運用成績が悪くても人気があるのは、将来への期待感の強さが背景にあるからだろう。実際に、「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」は過去1年の成績こそマイナスだが、過去3年では40.11%、5年で148.48%など長期の投資では高いリターンで応えている。足元の成績は悪くとも、投資対象の将来を考えてしっかり投資をし続けているのはしたたかな投資姿勢と感じられる。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。