ドルの急落がアメリカ経済に与える影響…支出の持続可能性に疑問符

(Photo by Xu Jinbai/VCG via Getty Images)
- ドル指数が3年ぶりの低水準に下落した。
- これはドルが基軸通貨としての魅力を失う兆候とドイツ銀行は警告した。
- アメリカの支出は持続不可能になるだろうと同行は指摘した。
関税への反発が起きる中で、米ドルがその強さを失っている。ドイツ銀行は今週、この状況を受けて、アメリカは厳しい結果に直面する可能性に備えるべきだと指摘した。
米ドル指数(DXY。主要通貨バスケットに対する米ドルの価値を測定する指標)は4月11日に3年ぶりの安値を記録し、100を割り込んでいる。
「ドルの調整レンジからの下抜けは、テクニカル的に重要なだけでなく、アメリカ経済の健全性に対する懸念を煽る可能性もある」と11日、LPL Financialのアダム・トゥルンキスト(Adam Turnquist)は述べた。
この急落は、アメリカ市場が関税の不透明感や株式・債券市場の信頼を揺るがす動きにより魅力を失う中、外国投資家がドル建てのアメリカ資産を売却していることを明らかにしている。
アナリストのジョージ・サラベロス(George Saravelos)によれば、ドル需要の突然の急落は、1世紀近くにわたって世界の主要な準備通貨であった米ドルへの依存について各国が再構想し始めていることを示す。
彼は、これがアメリカ経済の持続可能性にとって悪いニュースであると述べた。
アメリカの経済成長への打撃
ドルの優位性こそが、アメリカが高い債務水準を維持し、経済成長できた理由だとドイツ銀行のグローバル為替調査部長は述べた。
基本的に、米ドルの基軸通貨としてのステータスによって、アメリカ政府に安定した資金調達手段を提供し、歳入を超える支出を可能にしている。2024年のアメリカの財政赤字は1兆8000億ドルに達した。
それでも、ドルの歴史的な安定性と安全資産としての評判によって、海外からのドル需要は高かった。
「その状況が変化し、持続可能な財政赤字の安定水準は低下している」とサラベロスは書いている。
「イギリスやフランスが直面した制約と同様に、アメリカ政府が成長支援のための拡張的財政政策を推進する柔軟性を低下させるだろう」
アナリストたちはアメリカの債務と支出への持続可能性について疑問を示してきたが、今後数十年で表面化する問題と考えられてきた。だが、投資家が今すぐにドルを手放すなら、この問題は緊急の懸念になる可能性がある。
資金調達の手段を確保するためには、他国との良好な経済関係をもたらす政策が必須だとサラベロスは言う。