ニセコに”プライベートジェット”が発着できる飛行場を…海外富裕層をもっと呼び込むために必要な「交通インフラの整備」とは

今や世界的なスキーリゾート地となった北海道ニセコ。

世界中の富裕層スキーヤー・スノーボーダーを惹き付ける魅力は一体何なのか。なぜ観光・レジャー産業が大打撃を受けたコロナ禍下でも、ニセコだけが投資・開発され続けたのか…。そこには「客数より収益、消費より投資」が回す、新しい経済の姿があった。

国内外リゾート・富裕層ビジネス・地方創生にまで精通した著者が、ニセコの今と未来を徹底解説。2020年刊行『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』を一部抜粋・再編集してお届けする。

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』連載第20回

『海外富裕層が好む「ニセコ」にすべき…ニセコを“世界最高級スキーリゾート”にするために必要な「アップデート」とは』より続く。

ヘリポートの再開を

かつてニセコにもヘリポートがあったが、いまは閉鎖されている。ニセコにヘリポートを再開し、たとえば新千歳空港とニセコをダイレクトに結んではどうだろうか。

現在、車で2時間以上かかるのが、30分足らずに短縮できるはずだ。料金を1人20万円ほどにして富裕層向けにサービスを提供するのだ。

新千歳空港までのシャトル便だけでなく、小樽や札幌、洞爺湖、近隣ゴルフ場までのフライトや、羊蹄山をはじめニセコ上空を遊覧するチャーターサービスなども提供できよう。

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規制当局への認可などを含め、定期便などを飛ばすのは容易ではなく、ヘリポートやヘリコプターの維持整備コスト、パイロット、整備保守要員の確保の問題などもある。

ニセコの場合、需要があるのかという問題はクリアできても、天候の問題もある。スキーシーズンには、降雪による視界不良などで飛べない日も多くなろう。安全第一であり、利益を継続的にあげるのは容易ではない。

ターゲットは「おカネより時間」な富裕層

東京においても、森ビルグループにより成田空港と赤坂アークヒルズを30分で結ぶ、エルメスの内装を持つ高級ヘリコプターとハイヤーによる送迎便が運航されていたものの、需要の伸び悩みもあり、2015年末で終了している。

しかしながら、ニセコにヘリポートができることで、将来的にはクーシュベルのようにプライベートジェットも離発着できるような飛行場ができるかもしれない。いずれにせよ、ニセコがターゲットとすべきはLCC(格安航空会社)ではなく、プライベートジェットである。

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富裕層にとって時間はおカネより大切であったりする。ニセコにダイレクトアクセスしたい、新千歳から最短で移動したいといったニーズを取り込む手段を考えておきたい。

新千歳空港の存在感

ニセコにとって新千歳空港の存在は大きい。海外スキーヤーの場合、新千歳までの直行便以外に、海外からニセコに向かう場合、成田や羽田などを経由して新千歳に向かうことになる。東京など首都圏からのスキーヤーはほぼ100%新千歳経由のはずだ。

羽田空港と新千歳空港の間は、約1時間45分で結ばれており、新千歳からニセコまでは車で約2時間30分だ。羽田─新千歳間は、1日当たりの定期運航数が世界最大級の航路である。

年末年始などを除けば、航空会社や時間帯を選ばなければ、直前でも飛行機が取れないということはまずないはずだ。これは実は、大変大きなアドバンテージだ。

たとえば、富良野スキー場の場合、最寄りの旭川空港からは車で約1時間と、空港からの距離はニセコの半分で済むことになる。

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しかし、羽田便を新千歳と比べた場合、就航する航空会社も運航便数も圧倒的に少なく、選択肢も限られており、今後もすぐには大きく改善することはないだろう。

更に、新千歳空港は、三菱地所や東急などが出資する新しい運営会社により今後も拡張計画が予定され、運航本数だけでなく、ターミナルビルなど更なる利便性や魅力の向上のための投資が予定されている。

国際便においても、すでにあるシドニー便やヘルシンキ便に加え、アジアや米国便などの誘致が成功すれば、ニセコにおいても、更なる海外顧客を得ることになろう。