「オルカン」「S&P500」の2025年成績を上回る「ゴールド」の無視できない勢い:2年連続約30%の上昇!

「オルカン」「S&P500」の2025年成績を上回る「ゴールド」の無視できない勢い:2年連続約30%の上昇!

各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、浜銀TT証券のデータをもとに解説。

浜銀TT証券の投信売れ筋ランキングの2025年8月のトップは6月以来3カ月連続で「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」だった。第2位、第3位も同様に3カ月連続で「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」、「イノベーション・インサイト 世界株式戦略ファンド(予想分配金提示型)」だったが、第4位には「イノベーション・インサイト 世界株式戦略ファンド(資産成長型)」が上がった。また、トップ10圏外から第6位に「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が、第8位に「J-REIT・リサーチ・オープン(年2回決算型)」がランクインした。

以下、ログイン後に表示されます

株式ファンドをしのぐ「ピクテ・ゴールド」

売れ筋ランキングのトップに「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」がきている。中には「サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジあり)」が第7位にランクインするなど、なぜ成績が優位にある「為替ヘッジなし」ではなく「為替ヘッジあり」が選ばれているのか理由の推察が難しいものもあるが、おおむね浜銀TT証券の売れ筋はパフォーマンスの確かなファンドにフォーカスしているようにみえる。ただ、「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が売れ筋のトップに立つランキングは珍しい。ゴールドには配当がなく、価格変動だけを収益の源泉としたファンドは、伝統的な投資資産からはやや外れているためだろうか。同社の投資家の間では、それでもパフォーマンスが良ければ積極的に評価しても良いという姿勢が見える。

2024年1月から2025年9月19日までのパフォーマンスの実際について「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」と代表的なインデックスファンドである「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、そして、「iFreeNEXT FANG+インデックス」を比較してみると、「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」の基準価額は一貫して右肩上がりで上昇を続けている。2025年9月19日時点での基準価額の水準は「iFreeNEXT FANG+インデックス」が一番良いのだが、同ファンドは2024年8月と2025年4月に大きな下落局面がある。2025年9月19日時点の基準価額の水準が高いのは、2024年に70.75%という驚異的な上昇があったためだ。2025年の年初からの上昇率は13.12%で「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」に劣っている。

「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は2024年に39.55%の上昇率だった。これは、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の40.78%よりやや劣ったものの、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の32.48%を上回る成績だった。ところが、2025年の年初から9月19日までの成績は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は4.77%と鈍化し、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」も8.99%にとどまる。一方で「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は29.58%と2024年と変わらないほどの好成績になっている。このように2年連続で30%程度の高い上昇になっていることが「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」の特徴だ。このパフォーマンスを率直に評価すれば、売れ筋ランキングのトップに立っていることが当然のように思える。

個性的な売れ筋ファンドそれぞれの魅力

浜銀TT証券の売れ筋がパフォーマンス重視である点は、「イノベーション・インサイト 世界株式戦略ファンド」のランクアップにもみてとれる。このファンドは、他社のランキング上位には見られない。残高は「予想分配金提示型」と「資産成長型」を合わせても350億円程度と小さいファンドだ。「フランクリン・テンプルトン・イノベーション世界株式ファンド(適格機関投資家専用)」に投資することで、実質的にイノベーション企業の中から持続的な成長性が期待できる企業の株式に投資する。組み入れ銘柄の約8割は米国になっており、組み入れ上位銘柄は、エヌビディア、アマゾン、マイクロソフト、ブロードコム、メタ・プラットフォームズ、アルファベットなどとなっており、投資銘柄の顔ぶれは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」とあまり変わらない。それぞれの銘柄の組み入れ比率や個々の売買タイミングなどの違いが、パフォーマンスの差になっている。

また、8月にトップ10入りした「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」や「J-REIT・リサーチ・オープン(年2回決算型)」などもパフォーマンスの面で基準価額の上昇に勢いが感じられる。「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は電力など公益企業に投資して安定的な配当収入を得て毎月の分配金に回そうというファンドだが、近年のAI投資ブームによって電力設備の増強が注目を集めている。電力業界が安定成長から意外な成長産業へと評価を変えてきているところがあり、あなどれない存在だ。

そして、「J-REIT・リサーチ・オープン(年2回決算型)」も2025年5月以降の上昇率は注目される。国内のオフィス、賃貸住宅市況の改善を受けてJ-REITには賃料増加が見込まれる他、国内株価が史上最高値を更新するほどに上昇していることを受けて、出遅れセクターとしてJ-REITを見直す動きも出てきているようだ。J-REIT人気は意外に息の長い相場に発展するかもしれない。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

これが「オルカン」をしのぐパフォーマンスのアクティブファンド、ベスト3! 松井証券売れ筋で次の「スター候補」を発見!?

ゆうちょ銀行・郵便局で定額貯金に近い特性が支持された!? 売れ筋トップの「ますますグロタ」はどんな商品?

「S&P500」を上回る20.4%のリターン! 人気沸騰中のアクティブファンドとは?