金価格が過去最高を更新:世界経済の先行きは?
価格高騰の背景

今年9月22日、金の価格が史上最高値を更新し、1トロイオンスあたり3,745ドルに達した。経済データプラットフォーム「トレーディング・エコノミクス」によると、この価格高騰の背景にあるのは、米国の利下げがさらに進むと見られていることと、世界経済の将来に対する懸念が深まっていることだという。
「安全な避難場所」

政治への懸念の高まりもまた、金の価格を強く押し上げたようだ。ビジネス誌『フォーチュン』が指摘するには、金の価格が史上最高値を更新するタイミングというのはふつう、投資家たちが「恐れおののき」、自らのマネーを「安全な避難場所」へと移そうとしている時である。しかし、現在の状況を見てみると、株式市場も活況を呈し、株価が史上最高値を更新している。
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株をめぐる投資家の思惑

活気あふれる株式市場、それはたいていの場合、投資家たちが楽観的になっていることのしるしである。では、現在何が起きているのだろう? 『フォーチュン』誌はドイツ銀行でマクロ経済分析を担当するヘンリー・アレン氏の見解を取り上げている。同氏が顧客向けの覚書の中で記述するには、投資家たちは普通株について強気であり、同時に株価が大きく下落することを恐れているように見受けられるという。
金の価格を動かすものは?

「金の価格を動かすものは多々あるが、そのうちの一つは、金がもしものときの避難所として機能し、投資家たちが不安を感じて金を買うというイメージである。結局のところ、金には配当もなければ利札もない。かなり長い目で見るなら、他の資産の収益と競い合うことは難しい」と、ヘンリー・アレンは書いている。
歴史を振り返ると

「この9月、金の価格はインフレ調整後の過去最高値を上回った。過去最高値が記録されたのは1980年1月にさかのぼる。当時のアメリカは景気後退に向かっており、それを動かしていたのはポール・ボルカーが議長をつとめる連邦準備制度理事会(FRB)による大変な金融引き締めだった。目的はインフレの抑え込みである。そういった歴史を踏まえるなら、金の高値がこれまでのところ、度を越した楽観ムードと関連づけられてきたとはおよそ言えない」と、ドイツ銀行のアレン氏は付け加えている。
過去25年間で好調な資産

金はあるいは他の種類の資産と比べて、さほど利益を生まなかったと近年については言えるかもしれない。とはいえ金は、その価値が過去25年間で好調に推移しており、先行きが不透明な時期におけるリスクヘッジとしてうってつけの資産なのだ。
完璧なポートフォリオのために

つまりこういうことである。過去25年間を通じて見たとき、金は最も安定した、最も利益を生み出す資産であった。おそらくそれゆえ投資家たちは、ポートフォリオを多様化する際に、積極的に金を買うのだろう。ところで、金の価値は2000年からどれほど上がっているのだろう? この問いに対して「ビジュアル・キャピタリスト」が、今年7月にグラフを発表し、わかりやすい答えを提示している。
毎年10.9%ずつの上昇

「ビジュアル・キャピタリスト」が今年7月に指摘するには、金の価格は過去25年間を通じて、平均すると毎年10.9%ずつ上昇してきたという。
ゆるぎのない資産

「投資対象の分散やインフレの防御策、あるいは先行きが怪しいときの避難所として、金は投資家にとって比較的ゆるぎのない資産であり続けている」と、「ビジュアル・キャピタリスト」は説明している。
金融危機と新型コロナのパンデミック時には不調

2008年の金融危機や、新型コロナのパンデミックで世界が揺れていた時には、金はそれほど利益を生み出しはしなかった。たとえば、2007年には金の価格が前の年より31%上昇したが、2008年には5.6%の上昇にとどまっている。もっとも状況に鑑みると、決して悪くない数字といえる。
金価格の変動

金はその後、2010年には前年より29.6%価格が上昇したが、2013年にマイナス28%になり、2015年まで価格がじわじわ下がり続けた。
25年で10倍以上に

「ビジュアル・キャピタリスト」によると、金にとって最良の年が2007年(31%増)と2010年(29.6%増)だったとすると、最悪の下落は2013年(28%減)だったという。ともかく、金の価値は2000年から2025年7月にかけて1,075%になり、その後8月と9月にも高騰しているのだ。
「最も大きな利益を生み出す主要資産クラスの一つ」

「世界の景気が減速し、貿易に暗雲がたちこめ、景気後退の危険が高まるなか、2025年現在までのところ、金は最も大きな利益を生み出す主要資産クラスの一つである」と、「ビジュアル・キャピタリスト」はまとめている。その後の8月と9月の金の高騰もこの指摘に当てはまっているだろう。
2024年には27.2%上昇

過去25年間を振り返ってみると、2023年と2024年に金の価格が大きく上昇していることがわかる。2023年には13.2%が上昇し、2024年には27.2%上昇した。7月3日現在、2025年は27%の上昇だという。ただし、この動向が2026年まで続くかどうかは不明である。
国家機関からの需要も

「ビジュアル・キャピタリスト」は、2026年には金の価格がそれほど上がらないものと見ている。ただ、国家レベルの主要機関からの需要は依然として増加しているという。
長期的な価値貯蔵

「中国やインド、ロシアなど、主要な中央銀行が金を積み増ししており、長期的な価値貯蔵という金の役目は当分終わらなそうである」と、「ビジュアル・キャピタリスト」は指摘している。ということで、金は今が買い時なのかもしれない。
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