やっぱり当時の算定は過大だった…「地中ゴミ」再推計 森友学園への国有地売却、浮き彫りになる異例の経緯
8億円余りの値引きは適切だったのか―。学校法人「森友学園」への国有地売却は問題発覚後、常に疑惑や不信に満ちていた。大幅値引きの算出根拠となった地下埋設物の量を巡り、国土交通省大阪航空局が3日、かつて自らがはじいた推計値を大幅に下回る新たな推計値を公表したことで疑念はさらに深まった。(山中正義、高田みのり)

報道陣が殺到する森友学園が建設中の小学校予定地=2017年2月、大阪府豊中市で
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◆「間違っていないか」ではなく「売るため」だなんて
「今までも調べるチャンスはたくさんあったはず」。森友問題を巡る財務省による決裁文書改ざんを苦に自殺した元同省近畿財務局職員の赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さんは3日、本紙の取材にこう胸中を打ち明けた。

学校法人「森友学園」が小学校建設を目指していた国有地=2018年3月、大阪府豊中市で
森友学園への国有地売却を巡る大幅値引きは、その後の改ざんにもつながるすべての発端だった。今回、航空局は土地の売却を目的に新たな調査結果を公表したが、雅子さんは「土地を売るためでなく、自分たちが間違っていないかを調べるために調査するべきだった」と憤る。
問題のきっかけは2016年3月にさかのぼる。「地下埋設物がある」。学園側から財務局に連絡が入った。土地にはコンクリートがらなどが埋まっていることが以前から分かっており、学園側が除去工事を一度したが、新たに見つかったという内容だった。その後、土地はごみの撤去費用として8億円余りが値引きされて売却。報道でこの問題が明るみとなった。
◆政府は「適正だ」と主張し続けていたが…

森友学園に払い下げた国有地に埋まるごみの量が記された大阪航空局の報告書
問題視されたのは、撤去費の算定や値引きの根拠が不透明だったことだ。航空局は当初、地中のごみを約1万9500トン、撤去費を約8億2000万円とそれぞれ算出。その結果、売却額は大幅に値引きされ、約1億3400万円となった。
しかし会計検査院による2017年の検査報告は、値引き理由となったごみの処分量の推計方法について根拠が確認できなかったと指摘。実際の処分量は推計の3~7割だった可能性があるとし、最も少ない場合で6196トンと推計した。航空局が示した数値を下回り、「適正だ」と主張し続けていた政府の立場は揺らいだ。
◆「改めて一連の問題を再調査してほしい」
「忖度(そんたく)」という言葉も問題を機に話題となり、国の説明に対する不信感は一層強まった。安倍晋三首相(当時)の妻昭恵氏がこの土地に建つ予定だった小学校の名誉校長に一時就任していたこともあり、財務省側が安倍氏に配慮して値引きにつながったとの疑惑が浮上した。

今回、大阪航空局が公表したごみの推計量は約5000トンで、撤去費用は約6億3000万円。これまでの推計値を大幅に下回り、かつての算定の「甘さ」を航空局が示した格好だ。雅子さんは「今になって新しい事実をこっそりと出され、信用できず納得もできない。8億円の値引き根拠など、改めて一連の問題を再調査してほしい」と求めた。
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