【70歳代】シニアの「平均貯蓄額」&リアルな「1カ月の生活費」はいくら? 厚生年金・国民年金の平均受給額もお見せします

老後の現実「公的年金だけで生活できる」高齢者世帯は、たったの43.4%

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年金の支給は2カ月に1回。次回の振込は10月15日です。このタイミングで、老後の生活について少し立ち止まって考えてみるのもいいかもしれません。

厚生労働省が公表した「2024年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金を受け取っているシニア世帯のうち、公的年金や恩給だけで生活しているのは43.4%。残りの56.6%は、何らかの収入を上乗せして暮らしているという実態が明らかになっています。

この数字を見ると、「年金だけで老後を乗り切れるのか?」という疑問が、より現実味を帯びてきます。現役世代の方にとっても、今のうちから老後資金の準備を始めることの大切さが、よりはっきりと見えてくるのではないでしょうか。

この記事では、シニア世代の貯蓄額・生活費・年金額などのデータをもとに、老後の暮らしを具体的にイメージできるように整理しています。

将来の生活設計を考えるきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【70歳代の貯蓄事情】シニアの貯蓄額(平均値と中央値)はいくら?

現在のシニア世代は、実際にどれくらいの貯蓄を持っているのでしょうか。

ここでは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとに、70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を持たない世帯も含む)を確認していきます。

※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

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出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとにLIMO編集部作成

70歳代・二人以上世帯の金融資産は、平均で1923万円、中央値では800万円となっています。

貯蓄額の階層別に見ると、3000万円以上の世帯が19.0%である一方で、貯蓄がゼロという世帯も20.8%にのぼります。

また、1000~1500万円未満が10.2%、1500~2000万円未満が6.6%、2000~3000万円未満が8.9%と、一定の水準の貯蓄を持つ世帯も見られます。

しかし、貯蓄500万円未満の世帯は、貯蓄ゼロを含めて40.5%に達しており、世帯間の貯蓄状況には大きな格差が存在することがわかります。

老後の暮らしにおいて、貯蓄が十分かどうかは収入と支出のバランスによって異なります。

次章では、シニア世代にとって主要な収入源の一つである公的年金の受給額を確認していきましょう。

現代シニアが受け取っている「厚生年金」の平均月額はいくら?

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、厚生年金・国民年金の平均月額を見ていきましょう。

まずは、厚生年金の平均月額から確認します。

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出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

※記事内で紹介する厚生年金保険(第1号)の年金月額には国民年金の月額部分も含まれています。

厚生年金の「平均年金月額」をチェック

・〈全体〉平均年金月額:14万6429円

・〈男性〉平均年金月額:16万6606円

・〈女性〉平均年金月額:10万7200円

厚生年金の受給額は、加入していた期間やその間の年収によって大きく変わるため、個人差が顕著に表れます。

主な分布は「10万円以上~11万円未満」「9万円以上~10万円未満」「11万円以上~12万円未満」に集中していますが、10万円に届かない受給者も決して少なくありません。

現代シニアが受け取っている「国民年金」の平均月額はいくら?

続いて、国民年金(老齢基礎年金)の平均月額を見ていきましょう。

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出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

国民年金の「平均年金月額」をチェック

・〈全体〉平均年金月額:5万7584円

・〈男性〉平均年金月額:5万9965円

・〈女性〉平均年金月額:5万5777円

国民年金の受給額は6万円台に集中しています。

仮に、会社員だった夫が平均的な厚生年金16万6606円、専業主婦だった妻が平均的な国民年金5万5777円を受け取ると、夫婦世帯の合計年金収入は月22万2383円となります。

果たしてこの金額で老後の生活費をまかなえるのでしょうか。

次章では、シニア夫婦世帯の家計収支を見ていきます。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の「生活費」は平均いくら?

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な家計収支を見ていきます。

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出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な収入:25万2818円

■うち社会保障給付(主に年金):22万5182円

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な支出:28万6877円

■うち消費支出:25万6521円

・食料:7万6352円

・住居:1万6432円

・光熱・水道:2万1919円

・家具・家事用品:1万2265円

・被服及び履物:5590円

・保健医療:1万8383円

・交通・通信:2万7768円

・教育:0円

・教養娯楽:2万5377円

・その他の消費支出:5万2433円

■うち非消費支出:3万356円

・直接税:1万1162円

・社会保険料:1万9171円

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な家計収支

・ひと月の赤字:3万4058円

収入が25万2818円に対し、支出は28万6877円となり、毎月3万4058円の赤字が生じています。

老後も保険料や税金の支払いは続き、少子化の影響で高齢者の負担は年々増える傾向にあります。

さらに、物価高によって生活費も上昇しています。

そのため、老後資金の計画を立てる際には、年金生活が始まった後も支出が増加する可能性を見込んで準備しておくことが大切です。

シニア世代の暮らしを見て、今のうちにできることを考えてみませんか

ここまで、シニア世代の貯蓄額や年金の月額、毎月の生活費について見てきました。こうしたデータを知ることで、現役世代の方も「自分の老後ってどんな感じになるんだろう?」と少しイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

とはいえ、これから先も物価の上昇や少子高齢化が進むと、生活費が増えたり、年金の支給額が減ったりする可能性もあります。だからこそ、今のうちから老後の生活資金をどう準備するかを考えておくことが大切です。

近年では、「新NISA」という制度も注目を集めています。これは、投資信託などを活用して資産運用をしながら、得られた利益に税金がかからないというメリットがある仕組みです。

金融機関によっては100円からでも積立投資を始められるので、投資が初めてという方でも気軽にスタートできます。まずは、自分に合った方法を調べてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」

・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

・総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」