申請しないともらえない「年金生活者支援給付金」。申請方法・対象者・金額をわかりやすく解説

申請しないともらえない「年金生活者支援給付金」。申請方法・対象者・金額をわかりやすく解説
2025年10月、今年も残すところあと3ヶ月を切りました。気候は秋めき、過ごしやすい季節となりましたが、老後の生活資金に対する漠然とした不安は季節を問わず多くの方の心にあるかもしれません。
公的年金制度の持続性について議論される中、年金受給者の中には、物価高騰などの影響もあり、年金だけでは生活が苦しいと感じている方も少なくないでしょう。
そうした経済的に支援が必要な年金受給者のために、国が設けているのが「年金生活者支援給付金」制度です。
これは、公的年金を含めた所得が一定基準額以下である方を対象に、年金に加えて上乗せで給付金を受け取れるようにするものです。
本記事では、この年金生活者支援給付金について、どのような種類があり、それぞれどのような要件で、いくら受け取ることができるのかを詳しく解説します。
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年金生活者支援給付金について

「年金生活者支援給付金」とは?
「年金生活者支援給付金」とは、公的年金を含めても所得が一定基準額以下となる人を対象とする給付金です。2カ月に一度の年金支給日に、公的年金へ上乗せして受け取ることができます。
年金生活者支援給付金は、受給中の年金種類に合わせて3種類あります。
年金生活者支援給付金は3種類
・老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
・障害年金生活者支援給付金
・遺族年金生活者支援給付金
それぞれの支給要件などを確認しましょう。
年金生活者支援給付金は誰に支給される?
3種類の年金生活者支援給付金には、それぞれ支給要件が設けられています。
なかでも老齢年金生活者支援給付金の支給要件は、やや複雑です。

老齢・障害・遺族「年金生活者支援給付金」は3種類
「老齢年金生活者支援給付金」の対象者
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金(※3)」が支給されます。
※3「補足的老齢年金生活者支援給付金」とは?
老齢年金生活者支援給付金は、一定の所得以下の人を対象とした制度ですが、基準額をわずかに超えると給付を受けられず、基準額ギリギリで支給対象となる人よりも総所得が低くなるという問題がありました。
この不公平を解決するために設けられているのが「補足的老齢年金生活者支援給付金」です。この給付金は、所得が基準額を超えても一定範囲内であれば受給でき、所得が増えるにつれて給付額は減ります。
「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の対象者
・それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)の受給者である
・前年の所得が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く
年金生活者支援給付金制度の給付額
公的年金(国民年金・厚生年金)と同じく、年金生活者支援給付金制度の給付額は毎年度改定されます。
2025年度分は、前年の物価変動率に基づき2.7%の引き上げとなりました。
【2025年度】年金生活者支援給付金の給付額
年金生活者支援給付金の給付額

出所:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・老齢年金生活者支援給付金:基準額:月額5450円
・障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円
・遺族年金生活者支援給付金:月額5450円
ただし、老齢年金生活者支援給付金については、上記の基準額をもとに保険料納付状況(※保険料納付済期間や免除期間)に応じて計算されます。実際に受け取る金額には個人差が出る点は留意が必要です。
支給要件を満たすと、月額で最大約5000円、1回の年金支給で最大約1万円、年額にすると最大約6万円が、年金に上乗せされることになります。
ただし、この「年金生活者支援給付金」を受け取るためには手続きが必要です。次で見ていきましょう。
対象者に「緑の封筒」が届く!年金生活者支援給付金請求書とは
年金生活者支援給付金の受給には、申請手続きが必要です。
対象となる人にはお知らせを兼ねた請求書が届きますが、これを提出しないと受け取ることができません。
現在の年金状況により日本年金機構から届く書類は違います。ここでは「これから老齢年金の受給をスタートする人」と「すでに年金を受給している人」の2パターンを解説します。
パターン1:これから老齢年金の受給をスタートする人
これから年金の受給を開始する人が、年金生活者支援給付金の支給対象となった場合は、老齢基礎年金の請求書に給付金請求書が同封されます。
給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書と一緒に提出しましょう。

これから老齢年金を受給スタートする人の申請方法
なお支給要件に該当するか確認できない場合には、上記の「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」とともに、所得情報等を確認するための所得状況届が送られてきます。
パターン2:すでに年金を受給している人
すでに年金を受給中で、新たに年金生活者支援給付金の対象となった場合、 毎年9月1日以降に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。
請求書の指定部分に必要事項を記入し、切手を貼って返送しましょう。

すでに年金を受給している人の手続き方法
なお、年金を繰上げ受給中の人には上記とは異なる様式の書類が届きます。
いずれの場合も、申請手続きを一度おこなうと、翌年度以降は基本的に手続き不要で受給が可能となります。支給要件を満たさなくなった場合には、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届きます。
2025年の年金支給日はいつ?
年金はどのようなスケジュールで受け取ることができるのか、ご存じでしょうか?ここでは、「年金」にまつわる疑問について、解説します。
Q 年金はいつ支払われますか。毎月でしょうか。
→A 年金は、原則年6回に分けて、偶数月の15日に支払われます。
年金は原則として偶数月の15日に、前月までの2か月分が支払われます。15日が土日祝日の場合は、直前の平日に支払われます。
年金支払スケジュール
・2月:12月・1月分
・4月:2月・3月分
・6月:4月・5月分
・8月:6月・7月分
・10月:8月・9月分
・12月:10月・11月分
受け取り方としては、ご自身が指定した口座振込または、ゆうちょ銀行窓口での受け取りの2種類の方法があります。
受け取り方法
・口座振込:指定の金融機関口座に自動振込されます
・ゆうちょ銀行窓口:年金送金通知書記載の窓口で受け取ります
まとめ
本記事では、「年金生活者支援給付金」についてどのような人が対象になるのか、また申請方法などについて解説してきました。
今回の給付金のように対象であっても申請しないと受給できないものもありますので、必ずお知らせが届いた方は目を通して申請漏れのないようにしておきましょう。
支援に頼っているだけでは、ゆとりある生活を送ることは難しいでしょう。現役世代の時から少しずつ老後のための蓄えをしていくことが大事になります。
目的別に今と将来どちらにも分散してお金を振り分けておきましょう。
参考資料
・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「生活設計と年金に関する世論調査(主な調査結果)」
・金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2024」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金が不該当になった理由は何ですか。」