スーパーに売ってないのに、みんな大好き。旅行で来ても味わえない「ドイツの秋の味覚」

秋が深まった頃に家族や友人ときのこ狩りにいくのが、ドイツのポピュラーな秋のアクティビティ
ドイツに住んで7年ほどになるが、こちらに来てしばらくした頃、スーパーで食料品を見ていたときに、あることに気がついた。きのこの品ぞろえがとても少ないのだ。大抵の場合、マッシュルームぐらいしか売っていないことが多い。舞茸やじめじが恋しいなと思って暮らしていたが、どうやらみんなきのこのこと自体は大好きなよう。
実はドイツでは、きのこ狩りがとても人気で、非常に多くの人に親しまれているアクティビティだったのだ。
秋しかできない大人気アクティビティ
ドイツ人の友人にいわく、秋が深まった頃に家族や友人ときのこ狩りにいくのが、ドイツのポピュラーな秋のアクティビティらしい。私がはじめてきのこ狩りを体験したのは、こちらの大学に入学してしばらくした頃。大学のゼミできのこ狩りに出るというのだ。車で森林地帯へ移動し、森の中をひたすら歩いてきのこを探す。

撮影:幸田詩織
私は食べられるきのこと食べられないきのこの見分けがつかないのであたふたしていたところ、教授に判別してもらったり、食べられるきのこを見分けるための図鑑を借りて、生えているきのこと見比べてみたりしていた。
きのこ狩りでとれるきのこ
森で採れる、食べられるきのこはとても種類が豊富だ。ほかにもいくつも種類があるが、以下の種類が見分けがつきやすいため探しやすいとのことだった。
Krause Glucke(ハナビラタケ)

撮影:幸田詩織
Birken Pilz(ヤマイグチ)

Shutterstock
Steinpilz(ポルチーニ)

Shutterstock
Pfifferlinge(アンズタケ)

Shutterstock
当然のことながら食べられないきのこや有毒なきのこも存在するが、ポルチーニなどの高級食材とされるようなきのこもたくさん見ることができる。
自然の恵みを食べる喜び

撮影:幸田詩織
きのこ狩りの際に、ドイツでなぜこれほどきのこ狩りが一般的なものとなっているのか聞いてみたところ、「きのこ栽培がそれほど商業化していないから」「きのこ狩りでしか食べられないきのこばかりだから」「自然の恵みを食べるという考え方を大事にしているから」という答えが返ってきた。
確かに、ドイツのスーパーのきのこの品ぞろえはかなり限られている。日本に一時帰国するたびに、どんなに小さなスーパーでもしめじ、なめこ、しいたけ、えのきあたりが必ず置いてあり、産業としてきのこ栽培が定着しているありがたみを実感する。それと同時に、やはり山に分け入って自分で採取したきのこのおいしさは、何者にも勝るものがある。
きのこ狩りスポットは家族だけの秘密

撮影:幸田詩織
見つけにくく味の良いKrause Glucke(ハナビラタケ)なんかは、近所の森で生えているのを見つけても、その場所をうかつに人には話さないくらい、きのこ狩りに真剣な人もいる。「 良いきのこ狩りスポットを見つけても、家族にしか場所を教えず、大切に毎年食べる」というようなこともよくあるそうだ。

撮影:幸田詩織
きのこを採る際も根は残したまま切ることが大切で、そうすることで来年もまた秋の味覚を楽しめるのだそうだ。商業化されていないからこそアクティビティとして楽しむことができ、「また来年」を考えながら収穫する。これは、環境のサイクルを考えるいいきっかけにもなりそうだ。きのこ生産もきのこ狩りも、商業化したり観光地化したりせず、個人や家族、親しい人との間でのアクティビティとして楽しむからこそ、限りある山の恵みを「また来年」と思いながら楽しむできるのかもしれない。