「コーナン」ホームセンター事業に次ぐ経営の柱の発掘に注力 M&A戦略を転換

コーナン商事子会社の建デポが2025年6月に傘下に収めたボーダレスが運営する工具の買い取り専門店 Reツール(建デポのニュースリリースより)
ホームセンター大手のコーナン商事<7516>は、ホームセンター事業に次ぐ未来の成長を担う新たな経営の柱の発掘に乗り出した。
M&Aを活用して実現を目指す計画で、これまでのホームセンター事業の拡大を中心に進めてきたM&A戦略を、成長のための先行投資に転換する。
将来の成長に向けた基盤づくり
2028年2月期を最終年とする3カ年の中期経営計画の中で、「未来への布石、次なる柱の検討」という目標を達成する手段としてM&Aを検討する方針を打ち出した。
同中期経営計画期間中に、成長のための投資を先行し、将来の成長に向けた基盤づくりを行う。
投資額は定めていないが「有利子負債を有効に活用することで、M&Aなど追加的な成長投資へ機動的に対応する」という。
リユース市場は候補の一つ
同社が2017年以降に適時開示したM&Aは5件で、このうち4件がホームセンターの取得だった。
2017年に小田急電鉄傘下でホームセンター運営のビーバートザンを子会社化したのを手始めに、2019年に会員制建築資材卸売りの建デポを、2020年にホームセンターのドイトを相次いで子会社化。
直近では2023年に九州でホームセンター事業を展開するホームインプルーブメントひろせを傘下に収めた。
また、適時開示はしていないが、子会社の建デポが2025年6月に、工具買い取り専門店Reツールを運営するボーダレス(神戸市)を子会社化した。
ボーダレスは関西のコーナン店舗の敷地内でReツール8店舗を展開しており、コーナン商事とは良好な関係にある。今後は関西エリアだけでなく関東圏にも店舗展開していく計画だ。
建デポのよると「リユース市場は2030年に向け年率4.5%の成長を続け、4兆円の市場規模が見込まれており、近年の消費行動の変化や環境問題も含め、継続的に成長していく余地が大きいと捉えている」という。
コーナン商事は、新たな経営の柱につながるM&Aの対象分野は明らかにしていないが、成長が見込めるリユース分野は候補の一つとなりそうだ。
職人向け資材を扱うコーナンPROが強み
一方、ホームセンター業界は、コロナ禍にあった2020年に売上高が4兆2000億円を超え過去最高を更新したものの、その後は巣ごもり需要の反動などで減少に転じ、2024年は4兆円ほどに留まっている。
帝国データバンクによると、ホームセンター業界には「M&Aを活用した業界再編や新規事業進出などの動きが目立つ」という。
コーナン商事は、総売上高の半分ほどを占めるホームインプルーブメント (DIY用品、建築、作業用品、園芸など)、同30%ほどのハウスキーピング (家庭用品)、同15%ほどのペット・レジャー(ペット・レジャー用品)、同3%ほどの食品(フード、酒類)と、その他(100円ショップ、灯油、自販機など)で事業を構成しており、2025年8月末時点の店舗数は652店舗に達している。
建築、塗料、作業用品などの職人向け資材を専門に扱う店舗「コーナンPRO」が強みの一つで、同店舗の出店に力を入れている。
2025年2月期の売上高は5014億300万円(前年度比6.1%増)、営業利益250億100万円(同3.8%増)と増収営業増益を達成。2026年2月期は4.4%の増収、2.4%の営業増益と3期連続の増収営業増益を見込む。

2026/2は予想
「コーナン」が反転 3期ぶりに増収増益に 買収も寄与
・コーナン商事が2017年以降に適時開示したM&A
文:M&A Online記者 松本亮一
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松本亮一

日刊工業新聞社入社後、大阪支社編集局で証券、機械、科学技術、流通、神戸支局、京都支局などの記者を経て、大阪支社編集局産業部長、本社編集局中小企業部長、神戸支局長、執行役員西部支社長、執行役員本社業務局長、日刊工業関西広告社社長を歴任。2017年ストライクに入社、M&A Online 編集委員に。2023年からM&A Online 記者。大分大学経済学部卒。