【増える富裕層】物価高が続く2025年「富裕層」の割合が過去最多? 純金融資産額や年収ごとの金融資産もチェック
- 富裕層の定義と割合をチェック!どのくらいの資産を持つ世帯が該当するか
- 純資産保有額の階層別にみた「保有資産規模と世帯数」
- 富裕層・超富裕層の「資産規模と世帯数の推移」をデータでおさらい
- 純金融資産保有学の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移
- 【一覧表】富裕層の世帯数と純金融資産保有規模(2023年)
- 新たな富裕層像「いつの間にか富裕層」「スーパーパワーファミリー」とは
- キャリアと知識で資産を築く「いつの間にか富裕層」「スーパーパワーファミリー」の特徴
- 年収別に見る「金融資産の種別内訳」からみる投資意識
- 種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- いまどきシニアは「健康に関する備え」を重視している
- 自分にあった「老後への備え方」を考えよう
医療や介護など突発的支出にも備えたい今、一般世帯が学ぶべき「お金の守り方」

【増える富裕層】物価高が続く2025年「富裕層」の割合が過去最多? 純金融資産額や年収ごとの金融資産もチェック
10月は年金支給月です。こうしたタイミングで老後資産について考える方は少なくないでしょう。
シニアだけでなく現役世代からも、物価高騰や為替の変動を背景に「老後の資産をどう守るか・どう増やすか」というテーマが注目されています。とくに、医療費用や介護など思わぬ出費が生じることも少なくありません。
いざという時に備えるうえでも、資産の現状を知り、どのように守り育てていくかを考えることが大切です。
野村総合研究所が2025年2月に発表した最新データでは日本の「富裕層」と「超富裕層」の世帯数が過去最多を更新したとのこと。富裕層というと遠い存在に感じるかもしれませんが、その資産構造や増加の背景を知ることは家計管理や資産形成を考えるうえで参考になります。
この記事では富裕層の定義や世帯割合、増加の要因、年収別の金融資産構成をもとに資産形成のヒントを整理します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
富裕層の定義と割合をチェック!どのくらいの資産を持つ世帯が該当するか
「富裕層」と呼ばれる資産家たちは、どのような世帯なのでしょうか。
野村総合研究所が2025年2月13日に公表したニュースリリースでは、純金融資産保有額(※)に応じて世帯を以下の5つの層に分類しています。
※純金融資産保有額:預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から不動産購入に伴う借入などの負債を差し引いたもの
純資産保有額の階層別にみた「保有資産規模と世帯数」

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」
・マス層(3000万円未満)
・アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)
・準富裕層(5000万円以上1億円未満)
・富裕層(1億円以上5億円未満)
・超富裕層(5億円以上)
ここでは純金融資産1億円以上5億円未満の世帯を「富裕層」、5億円以上の世帯と「超富裕層」と定義し、世帯数や保有資産の規模についての推計データが公表されています。
このうち「富裕層」と「超富裕層」を合わせた世帯数は165万3000世帯に達し、全世帯の約3%を占めることが分かりました。
この合計世帯数は、推計が開始された2005年以降で最多です。また、富裕層・超富裕層それぞれの世帯数も2013年以降、継続的に増加傾向となっています。
富裕層・超富裕層の「資産規模と世帯数の推移」をデータでおさらい
「超富裕層」と「富裕層」を合わせた、純金融資産1億円以上を持つ資産家たちについて、世帯数や資産総額の推移をみていきます。
純金融資産保有学の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
・2005年:86万5000世帯・213兆円
・2007年:90万3000世帯・254兆円
・2009年:84万5000世帯・195兆円
・2011年:81万世帯・188兆円
・2013年:100万7000世帯・241兆円
・2015年:121万7000世帯・272兆円
・2017年:126万7000世帯・299兆円
・2019年:132万7000世帯・333兆円
・2021年:148万5000世帯・364兆円
・2023年:165万3000世帯・469兆円
富裕層と超富裕層の世帯数と資産総額は、世界金融危機や東日本大震災などの影響を受けて一時的に落ち込んだものの、長期的に見ると増加傾向にあります。
とくに2021年から2023年にかけての伸びは顕著です。この背景には、株価上昇や円安による資産価値の増大などがあったことが、同調査レポートでは指摘されています。
【一覧表】富裕層の世帯数と純金融資産保有規模(2023年)
・超富裕層(5億円以上):11万8000世帯・135兆円
・富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯・334兆円
・準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯・333兆円
・アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯・282兆円
・マス層(3000万円未満):4424万7000世帯・711兆円
なお、富裕層と超富裕層が保有する資産の合計は、前回調査より約3割ほど増加し469兆円に。全世帯の保有資産額の26.1%が、この2つの層に集中していることが分かります。
新たな富裕層像「いつの間にか富裕層」「スーパーパワーファミリー」とは
今回の調査では「いつの間にか富裕層」「スーパーパワーファミリー」と呼ばれる、新しいタイプの富裕層たちの出現が指摘されています。
キャリアと知識で資産を築く「いつの間にか富裕層」「スーパーパワーファミリー」の特徴
まず、「いつの間にか富裕層」は、株式投資などを通じて富裕層の仲間入りをした、40歳代後半から50歳代の一般の会社員を中心とする層です。
高い金融リテラシーを持つ一方で、富裕層向けの専門的な金融商品や高度な資産管理には不慣れな面もあるとされます。
そして「スーパーパワーファミリー」は、都市部に住む年収3000万円を超える共働き世帯に代表される層です。
20歳~30歳代の間は、教育費や住宅ローンなどの支払いに苦労するも、昇格・昇給により40歳前後から資産が急速に増加する傾向があり、高収入を背景に50歳前後で富裕層に到達する可能性が高いとされる層です。
この「新しい富裕層」に共通するのは、相続や親の資産に頼らずとも、自分自身のキャリア形成や金融知識によって資産を築いている点と言えるでしょう。
年収別に見る「金融資産の種別内訳」からみる投資意識
2024年12月、J-FLEC(金融経済教育推進機構)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」の結果から、世帯年収ごとの金融資産内訳に関するデータを見ていきます。
種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

種類別金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
金融資産保有額
全国: 1374万円
・収入はない: 249万円
・300万円未満: 661万円
・300~500万円未満: 1065万円
・500~750万円未満: 1233万円
・750~1000万円未満: 1939万円
・1000~1200万円未満: 2069万円
・1200万円以上: 4178万円
・無回答: -
預貯金(運用または将来の備え)
全国: 582万円
・収入はない: 154万円
・300万円未満: 322万円
・300~500万円未満: 446万円
・500~750万円未満: 533万円
・750~1000万円未満: 750万円
・1000~1200万円未満: 821万円
・1200万円以上: 1781万円
・無回答: -
債券
全国: 66万円
・収入はない: 1万円
・300万円未満: 14万円
・300~500万円未満: 35万円
・500~750万円未満: 83万円
・750~1000万円未満: 114万円
・1000~1200万円未満: 76万円
・1200万円以上: 195万円
・無回答: -
株式
全国: 260万円
・収入はない: 15万円
・300万円未満: 111万円
・300~500万円未満: 237万円
・500~750万円未満: 219万円
・750~1000万円未満: 348万円
・1000~1200万円未満: 311万円
・1200万円以上: 872万円
・無回答: -
投資信託
全国: 155万円
・収入はない: 41万円
・300万円未満: 65万円
・300~500万円未満: 103万円
・500~750万円未満: 109万円
・750~1000万円未満: 300万円
・1000~1200万円未満: 340万円
・1200万円以上: 437万円
・無回答: -
「債券・株式・投資信託の合計額」と「金融資産保有額全体に占める割合」
全国: 35.01%
・収入はない: 57万円(22.89%)
・300万円未満:190万円(28.74%)
・300~500万円未満: 375万円(35.21%)
・500~750万円未満: 411万円(33.33%)
・750~1000万円未満:762万円(39.30%)
・1000~1200万円未満: 727万円(35.14%)
・1200万円以上: 1504万円(36.00%)
・無回答: -
データを見ると「債券・株式・投資信託」への投資額そのものは年収とある程度相関しています。
しかし、金融資産保有額全体に占める割合を見ると、年収750~1000万円未満の層で割合がやや高くなる(39.30%)ものの、「収入がない」をのぞく他の層ではおおむね30%台です。
ここからは、資産運用が一部の富裕層だけのものではなく、標準的な年収の世帯にも普及している様子がうかがえます。
インフレが進む今、預貯金だけに頼らず、自分に合った無理のない投資で資産を育てることが将来の安心に繋がります。
いわゆる「富裕層」たちの資産規模にはかないませんが、自分のリスク許容度に合った運用方法を選んでいくと良いでしょう。
いまどきシニアは「健康に関する備え」を重視している
記事冒頭で触れたように、シニア世代は健康に関する突発的な出費が発生しやすいといえるでしょう。
内閣府が公表した「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、老後の準備として最も多く挙げられているのは「健康に関する備え(健康の維持・増進、介護予防、保険、病気やけがの治療など)」で、全体の80.7%を占めています。
他には以下の割合で重要視しているようです。
・「健康に関する備え(健康の維持・増進、介護予防、保険、病気やけがの治療など)」80.7%
・「終活関係の準備(葬儀やお墓、財産整理など)」38.1%
・「住まいに関する備え」25.5%
・「資産形成(貯蓄や投資など)」24.2%
では公的年金・保険のほかに、老後の備えとして私的な年金・保険に加入しているのでしょうか。
・「生命保険」56.0%
・「病気やけがのための保険」50.7%
・「個人年金」19.7%
・「介護保険」13.3%
・「企業年金」13.0%
・「いずれも加入していない」17.2%
このように、生命保険の加入率が高く、同程度に病気やけがのための保険加入率も高いことが分かりました。
長く健康に過ごしていくためにも、健康に関する備えは欠かせないようです。ぜひ一度老後生活の備えについて考えてみてはいかがでしょうか。
自分にあった「老後への備え方」を考えよう
投資環境や為替動向など外部要因の影響もありますが、増加する富裕層に共通するのはお金の流れへの深い理解です。
資産を増やすのは特別な人だけの話ではなく、誰でも収入の一部を運用に回す意識を持つことから始まります。
一方で、どれほど資産を築いても健康を損なえば医療費や介護費といった出費がかさみ、家計のバランスが崩れることもあります。長く安定した生活を送るためには、資産形成と同じように「健康を維持する投資」も欠かせません。
少額からでも投資信託やiDeCoなどで資産を育てていくことが将来の安定につながります。大切なのは自分に合った方法で無理なく継続すること。小さな一歩の積み重ねが確かな備えとなっていくでしょう。
参考資料
・株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」(2025年2月13日)
・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」