【年金をもらいながら働く人】注意点とは?年金+給与《年金が減額されるボーダーライン》はいくら?
まだまだ現役!【70歳以降も働き続ける人】何%いる?

【年金をもらいながら働く人】注意点とは?年金+給与《年金が減額されるボーダーライン》はいくら?
「定年退職後は、ゆっくりとセカンドライフを楽しむ」
長寿化が進む日本では、このようなライフスタイルは典型例ではなくなりつつあります。
定年退職後も、再就職や再雇用で働く人が増えているからです。
経済的な理由で働く人もいれば、まだまだ現役世代として働き続けることを積極的に望む人もいます。
内閣府が実施した「生活設計と年金に関する世論調査」では、「厚生年金を受け取る年齢になったとき、どのように働きたいと思うか」という質問がされています。
調査結果によると、65~69歳の30%以上の人が「年金額が減らないよう時間を調整し会社等で働く」と回答していることがわかりました。

厚生年金を受け取る年齢になったときの働き方
では、実際に定年退職後も働き続ける人はどのくらいいるのでしょうか。
この記事では、「70歳以降も働き続ける人」の割合が何%なのか紹介します。
年金をもらいながら働く場合の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
まだまだ現役!【70歳以降も働き続ける人】何%いる?
定年退職後もリタイアせずに、再就職や再雇用で働き続ける人はどのくらいいるのでしょうか。
総務省「統計からみた我が国の高齢者」によると、日本の2023年における年齢階級別就業率は以下のとおりです。

65歳以上の年齢階級別就業率
年齢階級別の就業率
年齢階級(65~75歳以上):就業率
・65~69歳:52.0%
・70~74歳:34.0%
・75歳以上:11.4%
なんと、65~69歳の約半分が働き続けています。
また、70~74歳においても約3人に1人が、働き続けているのが実態です。
さらに、75歳以上でみても約9人に1人が働いています。
例えば、2013年における70~74歳の就業率は23.3%のため、働くシニア世帯がいかに増加しているかがわかるでしょう。
「年金をもらいながら働く人」の注意点とは?
65歳以降も働き続ける場合は、基本的に年金をもらいながら給与を受け取ることになります。
ただし、働きながら年金をもらう場合は注意点があります。
それは、給与と年金の合計が月51万円を超えると、月51万円を超過した金額の半額が支給停止となることです。

在職老齢年金の計算方法のフローチャート
たとえば、本来受け取るはずの年金額が月16万円、給与収入が月40万円で合計収入が月56万円の人がいるとします。
この場合、月51万円を超える5万円の半額である2万5000円が減額となります。
そのため、実際に受け取れる年金は、月13万5000円です(月16万円ー月2万5000円)。
年金を受け取りながら働く場合は、年金が減額とならないよう、年金と給与の合計収入額に注意しましょう。
なお、年金制度改正法が2025年6月13日に成立しています。
年金が減額される基準額として、2026年4月から「年金と給与の合計収入額」が月62万円に引き上げることが予定されています。
老後はどのくらい「年金」をもらえる?
ここまで、給与収入と年金収入が月51万円を超えると年金が減額になることを確認しましたが、実際に年金はどのくらいもらえるのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳代の平均年金受給額は以下のとおりです。

70歳代の平均年金受給額
70~79歳の厚生年金受給者がもらう平均年金月額(国民年金を含む)
・70歳:14万4773円
・73歳:14万4251円
・75歳:14万7455円
・77歳:14万7070円
・79歳:14万9883円
会社員や公務員経験がある厚生年金受給者の、平均年金受給額は月14万5000円程度となります。
たとえば、年金受給額が月14万5000円程度の場合、「月36万5000円を超える給与収入」が《年金が減額になるボーダーライン》となるでしょう。
ただし一般的に再雇用や再就職は、現役時代と比べ給与が減る傾向にあるので、給与と年金で月51万円を超える人は少数派かもしれません。
ライフスタイルや家計収支に合わせて「老後に働く」選択肢も
この記事で紹介した通り、定年退職後も働く人は増加傾向にあります。
年金と給与を合わせて51万円を超えると年金が減額されるため、「年金をもらいながら働く人」は注意しましょう。
ただし年金制度改正法の成立により、2026年4月から年金が減額される基準額が「月62万」に引き上げることが予定されているため、今後の動向に着目しておくことも大切です。
老後の計画を立てる際には、定年退職後も再就職や再雇用で働くことも選択肢に入れながら、年金が減額されないように収入状況をよく確認しておきましょう。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
・総務省「統計からみた我が国の高齢者」
・厚生労働省「年金制度改正の全体像」
・内閣府「「生活設計と年金に関する世論調査」の概要」
・厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」