上組、丸井Gなど利回り4%台いっぱい「中型で好調な高配当株ベスト30」外国人の資金流入中/新NISA応援

 2025年以降、東証の中型株指数「TOPIX Mid(ミッド)400」の調子がいい。この中で高配当+値上がり期待のベスト30。外国人投資家の資金が流入しているという。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025秋号」から抜粋しています】

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「TOPIX Mid400」は東証が算出するTOPIX(東証株価指数)の中で時価総額と流動性の高さで上位70位までの大型株指数「TOPIX Large70」に次ぐ中型株400銘柄で構成された株価指数だ。

 岡三証券投資戦略部長でチーフマーケットストラテジストの小川佳紀さんによると、「2025年に入り、TOPIX Mid400の対象銘柄に外国人投資家の資金が流入しています」。

 2025年7月11日現在の年初来リターンは大型株主体のTOPIX100がマイナス0.85%に対し、Mid400はプラス5.77%。急騰銘柄もある。

「回転ずしチェーンの『スシロー』などを運営するFOOD&LIFE COMPANIESは6月24日現在で前年末比107.2%高、つまり株価2倍以上。

 スキンケア製品なども好調な『無印良品』の良品計画は89.8%高です」

 FOOD&LIFEの時価総額は9000億円台、良品計画が約2兆円なので、Mid400に属している中でも大きめの銘柄。

■外国人12週買い越し

「中型から小型の株は個人投資家が好むイメージがありました。最近は大型株も物色され尽くした感があり、外国人投資家が割安な中型株を買いにきています。

 中型といってもMid400の中で時価総額1兆円以上が80銘柄前後。低い銘柄は1000億円台と幅広いです。流動性も悪くない」

 外国人投資家は米国のトランプ大統領による「関税90日間」の4月第1週から6月第3週まで12週連続で日本株(現物)を買い越し。

 金額は累計で4兆円を超えた。ちょっとした中型株バブルの様相。

 では小川さんにスクリーニングしてもらおう。

「TOPIX Mid400の対象、時価総額1000億円以上、年初から6月24日までの株価上昇率が10%以上」が最低条件。精査しつつ配当利回りの高い順に30銘柄を並べた。

 ランキング1位はベンチャーキャピタル大手のジャフコグループ、配当利回り(予想/以下同)5.51%だ。

「ジャフコは証券・商品先物セクター。昨今、⽇本企業のM&A(企業の合併・買収)が活発化しており、投資会社としてその恩恵は⼤きそうです。

 上位30銘柄の中で地銀が4銘柄入りました。5位に長野が地盤の八十二銀行(4.27%)、7位にしずおかフィナンシャルグループ(4.22%)、9位に群馬銀行(4.21%)、23位に茨城・栃木が地盤のめぶきフィナンシャルグループ(3.24%)。

 金利上昇という材料もありますが、株主還元強化もあります」

 6位に入った丸井グループ(4.26%)も小売りよりクレジットカードなど金融事業の比率がはるかに高い。団塊ジュニア世代なら、いい悪いは別として「丸井の赤いカード」にお世話になった人もいるのではないだろうか。

 店員の勧誘も強めで、18歳から簡単に作れた記憶が……話が横道にそれて申し訳ない。

「今は『赤いカード』ではなく、『エポスカード』です。若者の保有比率が高いのが特徴で、時代が変わってもターゲットは似ています。

 Z世代と呼ばれる方は推し活など好きなモノに惜しげもなくお金を使う傾向が強い。

 丸井の店舗でもアイドルやアニメ関連ショップが大盛況で、業績拡大が見込まれています。

 今後はDOE(株主資本配当率)目標を10%に引き上げ。継続的な増配や向こう6年間で300億円の自社株買いなど、積極的な株主還元策も期待できます」

■ゼネコン持ち合い解消

 小川さんは、16位の五洋建設(海上土木に強い)、28位の鹿島(ゼネコン大手)にも触れた。配当利回り3%台の建設株だ。

「積極的な株主還元策を打ち出しています。チャートも右肩上がり。

 ゼネコンは同業他社の株を長年持ち合ってきました。東証が要請している持ち合い解消の動きは今後も進みます。その売却益をさらなる株主還元に回していく好循環が生まれそうです」

 こうした中型の高配当株は、売り時に注意が必要だという。

「大型株に比べて上がりやすい半面、下がりやすい。長期で放置するのではなく、ある程度のリターンが得られたら利益確定して、資金を回していってください。

 10位のTOYO TIRE、11位の日立建機などは海外輸出がメインの外需株。世界経済の悪化で大型株以上に売られやすいです」

 ところで、今回の中型株の「新しい銘柄」を探したい場合はネット証券のスクリーニング機能を活用しよう。楽天証券国内株式事業部マネージャーの竹内広大さんに条件を教わった。

 日本株の「スーパースクリーナー」を使う。

●項目(1)…条件指定の「規模」で「中型株」を選ぶ。

●項目(2)…「コンセンサスレーティング」でアナリスト評価対象のタブを中立から強気寄りに動かす。

●項目(3)…「詳細検索項目」下の「検索条件を追加」をクリックし、「コンセンサス情報」にある「配当利回り(予)」を3%以上に設定。

「スクリーニング結果が出たら、業績や株価チャート、配当の推移などもチェックしましょう。

『詳細分析』をクリックすると各銘柄のチャートや業績、企業動向が並び、比較できます。

 CSVファイルのダウンロードも可能です」

取材・文/中島晶子(AERA編集部)、安住拓哉

小川佳紀(おがわ・よしのり) 岡三証券 投資戦略部長 チーフマーケットストラテジスト。投資情報会社を経て2014年より岡三証券。現職は2020年から。テレビ東京などへのメディア出演多数

竹内広大(たけうち・こうだい)楽天証券 国内株式事業部 マネージャー。個人の資産運用をサポートすべくツールの改良や情報提供に注力。スクリーニング機能の効果的な使い方を熟知

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2025秋号』から抜粋