「利回り20%超を簡単にゲットする人」と「みすみすチャンスを逃す人」の“たった1つの違い”

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2027年1月からiDeCoの掛金限度額が大幅にアップする。これに伴い、節税効果もグッと拡大する。実際にどのくらい節税できるのか、早見表を作成したのでチェックしてみてほしい。筆者のもとに届く「iDeCoのよくあるお悩み」の解決法についても併せて解説する。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)
iDeCo掛金拡大で
節税額も大幅アップ!
前回『8.4万円トクする人も!「50代で今さら…」と嘆く人も“使わなきゃ損!”なすごい制度とは?【節税効果早見表で丸わかり!】』と題して、意外に見過ごしがちなiDeCo(個人型確定拠出年金)の魅力と制度拡大の効果について取り上げた。
税金メリットがある国の制度にはNISAもあるが、iDeCoにあってNISAにない魅力は、「毎年の収入にかかる税金の節税効果」だ。
毎月の掛金は全額所得控除の対象になるので、給与等にかかる所得税と住民税が安くなる。つまり、iDeCoとは「老後のためにお金を貯めると、節税効果の分、毎年の手取りが増える制度」なのだ。
前回のタイトルに「8.4万円トクする人も!」と入れたのは、この連載の担当編集者。節税額早見表から最も大きな金額をタイトルに埋め込んできた(そりゃそうですね)。
8.4万円節税になるのは、「月掛金2万3000万円で積み立てる、年収800万~1000万円の人」である。年収400万~700万円の人なら、4万~7万円くらい節税になる(iDeCoの仕組みと、現状の掛金での「節税額早見表」は、前回のコラムを参照していただきたい)。
今年の年金法の改正により、iDeCoは2027年1月から拡大が決まっている。具体的には、「掛金限度額の拡大」と「加入期間の拡大」だ。
企業年金のない会社で働いている人の掛金限度額は、現状では月2万3000円だが、それが6万2000円に引き上がる。大幅拡大と言っていいだろう。
加入期間(掛金を拠出する期間)は、現状では原則60歳未満(国民年金加入者と第3号被保険者)、厚生年金に加入して働いている人や国民年金の任意加入者は65歳未満だが、それが70歳まで拡大する。
50代の人の中には「今から始めても遅いかもね……」と尻込みしていた人も多いが、70歳まで加入できるなら、積立期間はたっぷりある。
まずは、掛金拡大後の節税額を見てみよう。掛金は最大月6万2000円になるのでその節税額と、そこまで積み立てられない人もいるだろうから、「月4万円」バージョンも試算した。

筆者作成
節税額に驚くだろう。年収や税務上の扶養家族の有無によっても異なるが、7万円台から、中には年間20万円超の節税につながる人もいる。これはやらなきゃソン!である。
iDeCoを始めるモチベーションが上がったところで、今回は拡大後に向けて「ケース別」に活用法とQ&Aを紹介しよう。
こんな人はどうする?
ケース別にiDeCo活用法を大公開!
◆ケース1
→給与の節税効果を活用しないのはもったいない。今すぐにでも、はじめよう。
iDeCoの掛金限度額は、加入する公的年金や勤務先の企業年金制度により異なる。

筆者作成
自分が「企業年金のない会社員」なのか「企業年金のある会社員」なのか、どちらかわからない場合は(結構、こういう人多いです)、人事や総務などの担当部署に確認すると教えてくれる。
年収800万円の「企業年金のない会社員」を例に節税効果を見てみよう。
現状の掛金限度額月2万3000円で積み立てると、給与の節税効果は所得税・住民税合わせて約8万4000円。
27年1月からの拡大後の限度額6万2000円で積み立てると、扶養家族2人の人は約17万円、1人なら約21万円、ゼロの人は約23万円もの節税となる。6万2000円の捻出は難しいから4万円積み立てる、という人でも約12万~15万円節税できる。
掛金に対する節税効果は、扶養家族の人数によるが22~30%にもなる。言い換えると、積み立てするだけで22~30%の利回りを得ることができるということだ。面倒だなと思っている場合ではない。即、アクションを。
◆ケース2
→60歳で受け取らずに、積立金をiDeCoに移管して積み立てを続けよう。
企業型DCのお金をすぐに使う予定がないなら、定年時に積立金をiDeCoに移管し、積み立てを継続するのをお勧めする。
これまでiDeCoに関心のなかった会社員の人にこのようなアドバイスをすると「そんな方法があるのですか!」と、びっくりされる。
企業型DCとiDeCoを一時金で受け取る場合は、「退職所得」として課税される。
(退職金収入-退職所得控除額)×2分の1=退職所得←これに所得税・住民税がかかる
退職所得控除額は「非課税枠」のことで、勤続年数(DC、iDeCoは加入期間)に応じて増える。企業型DCの積立金をiDeCoに移管し掛金拠出すると、加入期間を引き継ぐことができる。結果として、退職所得控除額を増やすことができるのだ。
勤務先の退職一時金と重複する期間はDC・iDeCoの加入期間から引かれてしまうが、退職一時金を受け取った際に「退職所得控除額」が残っている人は、iDeCoに引き継ぐことで有効利用できる選択肢があることを知っておきたい。
◆ケース3
→続ける意味はある。所得税の節税効果はゼロになったが、住民税は1万8000円節税になる。
老後資金の足しにしたい、節税効果を得たいとiDeCoで積み立てしてきた。無理なく毎月1万5000円を積み立てていたら、今年から給与収入160万円まで税金がかからない減税が始まったというニュースを見て、iDeCoを続けるのが得策かどうか迷い始めた人がいる。
給与収入160万円の人がiDeCoで月1万5000円を積み立てた場合の節税効果を見てみよう(税務上の扶養家族はなし)。
昨年までの節税効果:2万7200円(所得税9200円、住民税1万8000円)
今年からの節税効果:1万8000円(所得税ゼロ、住民税1万8000円)
所得税の減税効果はゼロになったが、住民税は1万8000円の節税効果は残る。どういうことか。
国民民主党が掲げた「年収の壁問題」に端を発した基礎控除拡大の減税措置は、「所得税だけ」なのだ。住民税の基礎控除については、地方自治体首長の反対により減税は行われていない。
iDeCoを続ける意味はある。節税効果はiDeCoのメリットの一つにすぎず、節税効果がない人がやってはいけないというルールはない。
例えば第3号被保険者(会社員、公務員の社会保険上扶養されている配偶者)は、収入がなくてもiDeCoの加入資格はある。
節税効果は少なくても、将来に向けて積み立てを続けることが大事なので、ぜひ継続を。
◆ケース4
→今年の公務員向けライフプランセミナーでこの質問が多かった。得する掛金はわからないと答えている。
公務員は、定年時に退職一時金が支給される。勤続年数が38年間の場合、退職所得控除額は2060万円。退職金の金額は自治体や職種、役職在籍年数により異なるが、2000万円前後が多い。
これまでは公務員のiDeCo掛金は少なかったので、受取り時の課税については心配する人は少なかった。ところが27年から5万4000円に拡大するため、にわかに受取り時の税金を心配する人が出てきたのだ。
掛金を増やすより、退職所得控除額の範囲内になるように少ない掛金で積み立てした方が、税金がかからずトクではないか……と質問を受ける。企業年金のない公務員は、以前からiDeCo好きが多い。
ただ、税金がかからないように掛金を設定したとしても、投資信託の運用がうまくいって思いのほか積立金が増える可能性がある。そうすると、課税の部分が出てくる。
受取り時の積立金は未来のことでわからないので、トクする掛金はわからないと答えるしかないのだ。
掛金を増やすと毎年の節税効果は大きくなるが、受取り時の課税対象は増える。掛金を少額にしておくと節税効果は少ないが、受取り時の税金は少なく抑えられる可能性はある(運用で増えたらその限りではない)。
「公務員は掛金〇万円がベスト」といった答えは出せないので、「今」と「将来」の節税効果のバランスを取りながら自分で決めるのがいいと思う。
iDeCoを始めるなら
「運営管理手数料」が無料の金融機関を選ぶ!
最後に注意点を。運用による収益の足を引っ張るのは「手数料」だ。投資信託を選ぶ際は、運用管理費用(信託報酬ともいう)の安いものを選ぶのが鉄則である。
具体的には0.3%以下のものを目安に選ぶといいだろう。インデックスファンドが人気を集めるのは、アクティブファンドに比べて手数料が安いからだ。
また、iDeCoを始めるなら、商品だけではなくiDeCoの口座にかかる手数料にも目配りが必要だ。
加入・移管手数料は2829円で、これは1回だけかかる。運用中、毎月必ずかかるのは「収納手数料105円」と「事務手数料66円」。もう一つ「運営管理手数料」があるが、これは窓口となる金融機関によって無料のところと、月300~500円かかるところとさまざまだ。
運営管理手数料は、「無料」の金融機関を選ぼう。ネット証券、大手証券会社は無料のところが大半で、銀行は無料のところが少ないが、みずほ銀行は一定残高以上で無料となるのでハードルが低い。
iDeCoの口座移管はできなくないが面倒なので、金融機関選びの段階で「運営管理手数料無料」のところをリサーチして口座開設をしたい。