老齢年金「確定申告」はしなくてもOK?「した方が良いケース」と「しなければいけないケース」、注意点も!【確定申告不要制度とは?】

確定申告不要制度の概要, 確定申告をしたほうがよいケース3つ, 確定申告をしなければならないケース, 確定申告が不要でも「住民税申告」は必要?

老齢年金「確定申告」はしなくてもOK?「した方が良いケース」と「しなければいけないケース」、注意点も!【確定申告不要制度とは?】

会社を退職して年金生活に入っても、所得が発生すれば所得税を納める必要があります。

会社員のころは年末調整によって所得税額が確定していましたが、退職後は確定申告により税額を確定させなければなりません。

年金受給者であれば、特定の条件に当てはまる場合に確定申告が不要になります。しかし、なかには申告したほうがよいケースや必ず申告しなければならないケースも存在します。

この記事では、年金受給者の確定申告が推奨されるケース・必要なケースについて解説します。

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確定申告不要制度の概要

確定申告不要制度とは、以下の2つの条件を両方とも満たす場合に、所得税の確定申告が不要となるものです。

・公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、その全部が源泉徴収の対象となる

・公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である

※公的年金等:老齢基礎年金・老齢厚生年金のほか、企業年金も含まれる

※公的年金等に係る雑所得以外の所得:生命保険の保険金や満期返戻金、給与など

確定申告不要制度の概要, 確定申告をしたほうがよいケース3つ, 確定申告をしなければならないケース, 確定申告が不要でも「住民税申告」は必要?

確定申告不要制度

年金収入が400万円以下かつ、年金以外の所得が20万円以下の場合に、確定申告が不要となります。

年金収入400万円を月額換算すると、約33万3333円以下です。

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、受給権者数1605万4729人のうち、年金を30万円以上受け取れる人は1万4292人と、全体の0.08%とごくわずかです。

そのため、年金以外に収入がなければ、基本的には多くの人が確定申告不要制度の条件に該当する可能性があります。

上記の条件に該当する人は、年金収入があっても確定申告をせずに済みます。ただし、一部のケースでは確定申告をしたほうが望ましい場合もあるのです。次章で見ていきましょう。

確定申告をしたほうがよいケース3つ

確定申告をしたほうがよいケースとしては、以下の3つが考えられます。

・高額な医療費を支払ったとき

・生命保険などの保険料を支払っているとき

・ふるさと納税をしたとき

高額な医療費を支払った場合は、確定申告をするとよいです。

医療費の金額によっては、医療費控除を適用できる場合があります。

医療費控除は、1月1日から12月31日の1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に利用できる控除制度です。

実際にかかった医療費から保険金などで補填された分を除いた金額から、10万円を差し引いた金額だけ、所得が控除されます。

また、生命保険や地震保険、個人年金保険などの保険料を支払っている場合も、確定申告をするのが望ましいです。

こうした保険料は生命保険料控除の対象になるためです。生命保険料控除は、年間の支払保険料に応じて控除額が変わり、最大で4万円の所得控除を受けられます。

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生命保険料控除

このほか、ふるさと納税をした際も確定申告をしたほうがよいでしょう。ふるさと納税による寄附金控除を受ける際は、基本的に確定申告が必要です。確定申告をしないと、翌年の所得税や住民税の控除を受けられません。

どの控除も、適用するには確定申告が必要です。上記のケースに該当する場合は、確定申告をしたほうがよいでしょう。

次章では、確定申告が必須のケースを解説します。

確定申告をしなければならないケース

確定申告をしなければならないのは、確定申告不要制度の要件を満たさない場合です。

たとえば、公的年金等の収入が400万円を超えると、確定申告が必要です。

基礎年金・厚生年金だけでなく、企業年金やiDeCoで運用したお金を受け取っている場合は、収入が400万円を超える可能性があるでしょう。

また、年金以外の所得が20万円を超えた場合も、確定申告が必要です。

老後生活でも、不動産の家賃収入や事業所得、生命保険の返戻金などにより、20万円以上の所得を得る可能性は十分考えられます。

一時的に収入が増えた場合は確定申告が必要になるため、年間の収入・所得を正しく把握するようにしましょう。

次章では、申告が不要な場合でも気をつけたいポイントを解説します。

確定申告が不要でも「住民税申告」は必要?

確定申告不要制度の条件に該当すれば、所得税の申告は必要ありません。しかし、所得によっては住民税の申告が必要になる可能性があります。所得税は国税、住民税は地方税のため、別の手続きが必要なのです。

住民税申告の手続きが必要なのは、以下のようなケースです。

・年金や年金以外の所得がわずかでも存在する場合

・国民健康保険料や後期高齢者医療保険料の軽減を受けたい人

もし確定申告をしているのであれば、所得情報が税務署から自治体へ共有されるため、別途住民税申告の手続きは必要ありません。自分が住民税申告が必要かどうか確かめたい際は、自治体の住民税窓口に問い合わせてみましょう。

まとめ

年金受給者は、年金収入400万円以下かつ、年金以外の所得が20万円以下であれば、確定申告が不要になります。

しかし、控除を受けて税負担を緩和したいのであれば、確定申告をしたほうがよいでしょう。

また、確定申告不要制度の条件に合致しない場合は、確定申告をしなければなりません。

申告期間は原則2月16日〜3月15日です。それまでに領収書などの準備を済ませておきましょう。

参考資料

・政府広報オンライン「ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度」

・厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

・国税庁「No.1140 生命保険料控除」

・平塚市「後期高齢者がいる世帯では、収入がない人も市民税・県民税申告が必要な場合があります」