老後の年金、いちばん高い人で「月いくら」もらっているの?【厚生年金・国民年金】平均月額
- 公的年金制度のキホン
- 年金制度は「国民年金+厚生年金」の2階建て構造
- 1階部分《国民年金》
- 2階部分《厚生年金》
- 【年金カレンダー】2025年度の年金支給日はいつ?
- 【2025年度の年金額】1.9%増額されています
- 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 将来の年金額は働き方でどう変わる?
- パターン①:男性・厚生年金期間中心
- パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- パターン③:女性・厚生年金期間中心
- パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
- 【厚生年金・国民年金】老後の年金、いちばん高い人で「月いくら」もらっているの?
- 厚生年金《平均月額&個人差》
- 国民年金《平均月額の男女差・個人差》
- 老後、所得が少ない年金受給者は「年金生活者支援給付金」の対象に
老後、所得が少ない年金受給者は「年金生活者支援給付金」の対象に

老後の年金、いちばん高い人で「月いくら」もらっているの?【厚生年金・国民年金】平均月額
来月、11月は「ねんきん月間」です。
日本年金機構と厚生労働省が協力して、国民に公的年金制度を身近に感じ、理解を深めてもらえるよう、全国のさまざまな場所で、年金事務所職員などによる年金相談や年金セミナーなどを行います。
公的年金は、国民の生活において切っても切り離せない重要な制度です。この機会に、ご自身の年金についてあらためて考えてみませんか。
この記事では、現シニア世代が受けとっている厚生年金と国民年金の平均月額を確認していきます。
また、年金額がいちばん高い人で、月いくら受けとっているのでしょうか。現役時代の働き方が将来の年金収入にどう影響するのかもあわせて見ていきましょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金制度のキホン
日本の公的年金には、老齢年金の他、ケガや病気で仕事や生活などが制限されるようになった場合に受給できる「障害年金」、一家の生計の担い手にまさかのときがあった場合に受給できる「遺族年金」という、3つの保障機能があります。
「年金」と聞くと、リタイア後に受け取る「老齢年金」をイメージする人が多いかもしれませんね。
年金制度は「国民年金+厚生年金」の2階建て構造
「2階建て構造」と呼ばれるそのしくみは、1階部分の「国民年金(基礎年金)」と2階部分の「厚生年金」から成り立ち、現役時代の働き方や過ごし方が、将来の年金水準を大きく左右する性質を持っています。
ここでは、「国民年金」と「厚生年金」の基本とあわせて、それぞれの「老齢年金の受給額」についても整理しておきましょう。

1階部分《国民年金》
加入対象者は?
・原則として日本に居住する20歳から60歳未満の全員(職業や国籍は問わない)
年金保険料は?
・全員一律、ただし年度ごとに改定あり(※1)
老齢年金の受給額は?
・保険料を全期間(480カ月)納付すれば、65歳以降で満額(※2)の老齢基礎年金を受給できる
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
2階部分《厚生年金》
加入対象者は?
・会社員や公務員、またパート等で特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした人(国民年金に上乗せで加入)
年金保険料は?
・収入に応じて(上限あり)変わる(※4)
老齢年金の受給額は?
・加入期間や納付した保険料により個人差が出る
このように、国民年金と厚生年金では、加入対象となる人、年金保険料の決まり方、老齢年金額の計算方法などが異なります。
そのため、現役時代の年金加入履歴により、実際に受け取る老齢年金額にはおのずと個人差が出てくるのです。
※3 特定適用事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
【年金カレンダー】2025年度の年金支給日はいつ?
公的年金は、原則として「偶数月の15日(※5)」に、支給月の前々月分と前月分の2カ月分を合算して支給されます(後払い方式)。
2025年度の「年金支給日」と「支給対象」の年金は以下の通りです。
・2025年6月13日(金) :4月・5月分
・2025年8月15日(金) :6月・7月分
・2025年10月15日(水) :8月・9月分
・2025年12月15日(月) :10月・11月分
・2026年2月13日(金):12月・1月分
・2026年4月15日(水):2月・3月分
※5 「15日」が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しされる
【2025年度の年金額】1.9%増額されています

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
2025年度の年金額は、前年度から1.9%の引き上げとなっており、6月に支給された「4月・5月分の年金」から増額率が適用されています。
2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
・厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
厚生労働省は今回の年金改定の公表にあたり、「多様なライフコースに応じた年金額」として現役時代の働き方や収入ごとの年金額例を提示しています。
将来の年金額は働き方でどう変わる?
年金加入期間や収入により、どのように年金額が変わっていくのでしょうか。
厚生労働省は、2025年度の年金額改定内容とともに、現役時代の年金加入状況や年収ごとの年金額例を、「多様なライフコースに応じた年金額」として公表しました。
具体的には、「2025年度に65歳になる人の場合」の年金額の概算が、公的年金加入履歴の類型・男女別に「合計5パターン」提示されています。
パターン①:男性・厚生年金期間中心
年金月額:17万3457円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
・基礎年金:6万8671円
・厚生年金:10万4786円
パターン②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万2344円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8008円
・厚生年金:1万4335円
パターン③:女性・厚生年金期間中心
年金月額:13万2117円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万566円
・厚生年金:6万1551円
パターン④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万636円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万2151円
・厚生年金:8485円
パターン⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
年金月額:7万6810円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万7754円
・厚生年金:9056円
上記はあくまでも年金額の例ですが、厚生年金の加入期間が長く、収入が高いほど、老後に受け取る年金額は多くなる傾向が見られます。
また、国民年金と厚生年金のどちらを中心に加入していたのかが、年金水準に大きな影響を与えていることも見て取れます。
【厚生年金・国民年金】老後の年金、いちばん高い人で「月いくら」もらっているの?
老後に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況により人それぞれです。ここでは、60歳~90歳以上のすべての受給権者について、厚生年金と国民年金の受給額分布を見ていきます。

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
厚生年金《平均月額&個人差》
厚生年金の平均年金月額は、全体では14万6429円でした。男女別は下記のとおりです。
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
年金月額階級ごとの受給者数
・1万円未満:4万4420人
・1万円以上~2万円未満:1万4367人
・2万円以上~3万円未満:5万231人
・3万円以上~4万円未満:9万2746人
・4万円以上~5万円未満:9万8464人
・5万円以上~6万円未満:13万6190人
・6万円以上~7万円未満:37万5940人
・7万円以上~8万円未満:63万7624人
・8万円以上~9万円未満:87万3828人
・9万円以上~10万円未満:107万9767人
・10万円以上~11万円未満:112万6181人
・11万円以上~12万円未満:105万4333人
・12万円以上~13万円未満:95万7855人
・13万円以上~14万円未満:92万3629人
・14万円以上~15万円未満:94万5907人
・15万円以上~16万円未満:98万6257人
・16万円以上~17万円未満:102万6399人
・17万円以上~18万円未満:105万3851人
・18万円以上~19万円未満:102万2699人
・19万円以上~20万円未満:93万6884人
・20万円以上~21万円未満:80万1770人
・21万円以上~22万円未満:62万6732人
・22万円以上~23万円未満:43万6137人
・23万円以上~24万円未満:28万6572人
・24万円以上~25万円未満:18万9132人
・25万円以上~26万円未満:11万9942人
・26万円以上~27万円未満:7万1648人
・27万円以上~28万円未満:4万268人
・28万円以上~29万円未満:2万1012人
・29万円以上~30万円未満:9652人
・30万円以上~:1万4292人
厚生年金の平均年金月額は、全体で見ると14万円台ですが男女差があり、男性16万円台、女性10万円台となっています。
なお、厚生年金受給権者のうち、年金額がいちばん高い人で「月額30万円」以上です。
一方で、「月額1万円に満たない」方も存在します。この大きな差は、現役時代の厚生年金の加入期間や年収といった要素が、老後の生活資金にどれだけ直接的かつ決定的に影響しているかを示しています。
国民年金《平均月額の男女差・個人差》
国民年金の平均年金月額は、全体では5万7584円でした。男女別は下記のとおりです。
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
年金月額階級ごとの受給者数
・1万円未満:5万8811人
・1万円以上~2万円未満:24万5852人
・2万円以上~3万円未満:78万8047人
・3万円以上~4万円未満:236万5373人
・4万円以上~5万円未満:431万5062人
・5万円以上~6万円未満:743万2768人
・6万円以上~7万円未満:1597万6775人
・7万円以上~:227万3098人
国民年金の平均年金月額は、男女ともに5万円台、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」です。
なお、国民年金のみの受給者のうち、年金額がいちばん高い人で「月額7万円」以上です。
一方で、「月額1万円に満たない」方も存在します。
老後、所得が少ない年金受給者は「年金生活者支援給付金」の対象に
2019年10月、年金生活者の生活をサポートする目的で「年金生活者支援給付金」が創設されました。
老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金のうち、一定の要件を満たす人がこの給付金の対象となります。
公的年金と同じ日に、同じ口座に振り込まれます。
ここでは老齢基礎年金生活者支援給付金について支給要件や給付額をご紹介します。
支給要件

老齢年金生活者支援給付金
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される
給付基準額
年金生活者支援給付金の給付額は、公的年金と同様に、賃金や物価の変動を考慮して毎年度見直しが行われます。
2025年度の老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は「月額5450円」です。
この基準額をもとに、保険料納付済期間等に応じて算出され、下記①と②の合計額となります。
①保険料納付済期間に基づく額(月額)=5,450円×保険料納付済期間÷480月 ②保険料免除期間に基づく額(月額)=11,551円(※3)×保険料免除期間÷480月
2024年3月末現在の老齢年金生活者支援給付金の平均支給額は、月額4014円です。
この給付金は要件を満たす限り継続して受けとることができるため、年金生活者にとって貴重な収入の1つとなるでしょう。
本記事で確認してきたように、公的年金は、現役時代の働き方や加入期間によって受給額が大きく変動します。
現役世代の皆さんは、「自分が将来、年金をどれくらい受けとれるのか」を把握した上で、自身の老後に向けて行動することが重要です。
参考資料
・政府広報オンライン「ねんきん月間」
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・日本年金機構 年金用語集「た行 特定事業所」
・日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」