億り人投資家が毎月分配型ファンドを買わない理由「過去のリターンがいいのは、たまたまにしか思えませんでした」

 億り人会社員、橘ハルさんの連載第9回。新NISAでインデックス投資信託が主流になり、毎月分配型の投資信託を買う人を「情弱」などと揶揄(やゆ)する人がいる。ハルさんの意見は?【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025秋号」から抜粋しています】

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 SNSでは「インデックス愛」の行きすぎか、低コストのインデックス投資信託「以外」の金融商品を全否定する人がいます。

 たとえば毎月分配型の投資信託を買う人を情弱(情報弱者)のイメージでちょっぴりバカにしたり。

 私自身はインデックス投資のほうがいいと思っていますが、他人の投資にケチをつけるほどバカらしいことはないとも思っています。

 高コストの毎月分配型のアクティブ投資信託に投資したい方には、「どうぞご自由に、どれでもお好きなものを」と言います。

 買うのは自由ですが、では私自信が他の人に勧めるかと聞かれたら、答えはノーです。

 毎月、分配金を払ってくれること自体は全く問題ありません。

 気になるのはコスト。毎月分配型の投資信託は信託報酬が高いものが多く、私の選択肢には入りません。

 コスト以上のリターンがあればいいという意見もありますが、私はコストの高い投資信託が好きではないので、買いませんし、勧めません。

■過去の高リターンは偶然

 たとえば、毎月分配型の投資信託では純資産総額3兆4000億円超(2025年8月5日現在/以下同)の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」や、2兆3000億円超の「インベスコ 世界厳選株式オープン〈為替ヘッジなし〉(毎月決算型)」が人気です。

 人気の理由は、分配金利回りが高く、毎月分配金がもらえるのがうれしいからでしょう。分配金も含めた過去のリターンがよかったことでも支持されています。

 私も、これら2つの投資信託について「論争」が起こっているのをSNSで目にして、それぞれの組み入れ銘柄を確認しました。

 過去のリターンがいいのは、たまたまにしか思えませんでした。

 高コストであることが影響し、「多くのアクティブ投資信託は長期的にはインデックス投資信託に勝てない」のが現実です。

 これらの投資信託は年率2%近い信託報酬が差し引かれます。その分、間違いなくリターンを押し下げます。

 確実に毎年2%近くリターンを押し下げることが確定している時点で、過去の成績がよくても私としては「なし」です。

 もし全世界株式のインデックス投資信託で超低コストの毎⽉分配型か四半期分配型があれば、投資信託を取り崩すのが⾯倒な⼈や、分配⾦が欲しい⼈にお勧めすると思います。

取材・文/中島晶子(AERA編集部)、安住拓哉

橘ハル(たちばな・はる)億り人会社員。米国の高配当株やS&P500、全世界株式の投資信託などへの投資で、若くして億り人に。優待株も楽しむ。4人家族。X(旧ツイッター)@haru_tachibana8

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2025秋号』から抜粋

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