【70歳代】いまどきシニア「平均貯蓄額・中央値」はいくら?高齢者世帯、みんなの「平均年金月額・ひと月の家計収支」もチェック
29歳以下~85歳以上まで!世間の食費はいくらほど?

【70歳代】いまどきシニア「平均貯蓄額・中央値」はいくら?高齢者世帯、みんなの「平均年金月額・ひと月の家計収支」もチェック
11月に入り、紅葉を楽しみながらも、そろそろ年末や来年の準備が気になる時期ですね。
特にシニア世代にとって、お金のことは安心して暮らすために欠かせないテーマです。最近は物価や光熱費の値上がりで、「この先、貯蓄だけで足りるのかな」「年金で生活できるのだろうか」と不安を感じる方も少なくありません。
そんなとき、実際の平均貯蓄額や年金の受給額、夫婦二人で暮らす場合の生活費の目安を知っておくと、今後の計画を立てるうえでとても参考になります。
この記事では、70歳代二人以上世帯の平均貯蓄額や中央値、シニア世代の厚生年金と国民年金の平均受給額、さらに65歳以上の無職夫婦世帯のひと月の生活費などをご紹介します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
意識しておきたい「平均寿命と健康寿命の差」
2025年6月13日、国会で年金制度改正法が成立しました。
今回の改正では、現役世代の保障強化に加え、働きながら年金を受け取るシニア世代への制度調整、さらに私的年金制度の充実まで、幅広い見直しが盛り込まれています。

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
なかでも、在職老齢年金の支給停止基準の大幅な緩和は、シニア世代の年金受給と就労の両立を後押しするものです。
実際に、総務省の「2024年(令和6年)労働力調査」によると、65歳以上の就業者数は930万人(前年比+16万人)に。シニア世代の就労は確実に増えています。
その一方で、厚生労働省の統計によれば、平均寿命(※1)と健康寿命(※2)には男性で約8年、女性で約12年の差があります。
この「平均寿命と健康寿命の差」の期間は、医療や介護が必要となる可能性が高く、老後の暮らしに備えた「お金の準備」がますます大切になってくることが分かります。
こうした背景を踏まえると、現役時代からの貯蓄や資産形成は、70歳以降の暮らしの安心感に直結するものと言えそうです。
※1 平均寿命:2022年 男性81.05歳、女性87.09歳・2023年 男性81.09歳・87.14歳(「令和5年簡易生命表の概況」)
※2 健康寿命:2022年 男性72.57歳、女性75.45歳(「健康寿命の令和4年値について」)
【70歳代・二人の老後】平均貯蓄額・中央値はいくら?
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」の「70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」をグラフを交えて確認していきます。
※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとにLIMO編集部作成
「70歳代・二人以上世帯」の平均貯蓄額は1923万円ですが、この数字は一部の富裕層によって押し上げられており、実際の生活水準とは乖離している可能性があります。
より実態に近いとされる中央値は800万円であり、多くの世帯の貯蓄額がこの水準に集中していることがうかがえます。
世帯ごとの貯蓄額分布は以下のとおりです。
・金融資産非保有:20.8%
・100万円未満:5.4%
・100~200万円未満:4.9%
・200~300万円未満:3.4%
・300~400万円未満:3.7%
・400~500万円未満:2.3%
・500~700万円未満:4.9%
・700~1000万円未満:6.4%
・1000~1500万円未満:10.2%
・1500~2000万円未満:6.6%
・2000~3000万円未満:8.9%
・3000万円以上:19.0%
・無回答:3.5%
70歳代・二人以上世帯の中で最も多いのは、金融資産を保有していない「貯蓄0円」の世帯で、全体の20.8%を占めています。一方で、3000万円以上の貯蓄を持つ世帯も19.0%存在しており、世帯間の資産状況には大きな差があることがわかります。
その他の分布を見ると、100万円未満が5.4%、100~200万円未満が4.9%、200~300万円未満が3.4%と、貯蓄が少ない世帯も一定数存在します。一方で、1000~1500万円未満が10.2%、1500~2000万円未満が6.6%、2000~3000万円未満が8.9%と、まとまった資産を保有する世帯も見られます。
このように、貯蓄額は退職金や収入履歴、相続、健康状態などによって大きく異なり、公的年金の受給額も現役時代の加入状況により個人差があります。貯蓄が少ない世帯にとっては、年金収入だけで生活を維持するのが難しいケースもあるでしょう。
老後の安定には、世帯の状況に応じた生活設計が欠かせません。たとえば、健康なうちはパートなどで収入を得たり、不動産や投資による副収入を検討したりと、早めの準備が安心につながります。
「厚生年金」みんなの”ふつう”の金額はいくら?
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金・国民年金の平均年金月額を確認しましょう。

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されていますが、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下、記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。
※記事内で紹介する厚生年金保険(第1号)の年金月額には国民年金の月額部分も含まれています。
厚生年金《平均年金月額》
・〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
厚生年金《月額階級別受給権者》
・1万円未満:4万4420人
・1万円以上~2万円未満:1万4367人
・2万円以上~3万円未満:5万231人
・3万円以上~4万円未満:9万2746人
・4万円以上~5万円未満:9万8464人
・5万円以上~6万円未満:13万6190人
・6万円以上~7万円未満:37万5940人
・7万円以上~8万円未満:63万7624人
・8万円以上~9万円未満:87万3828人
・9万円以上~10万円未満:107万9767人
・10万円以上~11万円未満:112万6181人
・11万円以上~12万円未満:105万4333人
・12万円以上~13万円未満:95万7855人
・13万円以上~14万円未満:92万3629人
・14万円以上~15万円未満:94万5907人
・15万円以上~16万円未満:98万6257人
・16万円以上~17万円未満:102万6399人
・17万円以上~18万円未満:105万3851人
・18万円以上~19万円未満:102万2699人
・19万円以上~20万円未満:93万6884人
・20万円以上~21万円未満:80万1770人
・21万円以上~22万円未満:62万6732人
・22万円以上~23万円未満:43万6137人
・23万円以上~24万円未満:28万6572人
・24万円以上~25万円未満:18万9132人
・25万円以上~26万円未満:11万9942人
・26万円以上~27万円未満:7万1648人
・27万円以上~28万円未満:4万268人
・28万円以上~29万円未満:2万1012人
・29万円以上~30万円未満:9652人
・30万円以上~:1万4292人
「国民年金」みんなの”ふつう”の金額はいくら?
厚生年金の加入期間がなかった人が受け取る、国民年金(老齢基礎年金)の月額についても見ていきます。

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
国民年金《平均年金月額》
・〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
国民年金《月額階級別受給権者》
・1万円未満:5万8811人
・1万円以上~2万円未満:24万5852人
・2万円以上~3万円未満:78万8047人
・3万円以上~4万円未満:236万5373人
・4万円以上~5万円未満:431万5062人
・5万円以上~6万円未満:743万2768人
・6万円以上~7万円未満:1597万6775人
・7万円以上~:227万3098人
「厚生年金の男性平均月額を受け取る夫」と「国民年金の女性平均月額を受け取る妻」の夫婦世帯の場合、二人分の年金受給額は月額22万2383円となります。
この「月額約22万円」という年金収入で、シニア夫婦の生活費をカバーできそうか気になる人もいるでしょう。
【65歳以上の無職・夫婦世帯】老後の生活費は「ひと月いくら?」
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の標準的な家計収支を見ていきます。

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
《収入》25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金):22万5182円
《支出》28万6877円
■うち消費支出:25万6521円
・食料:7万6352円
・住居:1万6432円
・光熱・水道:2万1919円
・家具・家事用品:1万2265円
・被服及び履物:5590円
・保健医療:1万8383円
・交通・通信:2万7768円
・教育:0円
・教養娯楽:2万5377円
・その他の消費支出:5万2433円
■うち非消費支出:3万356円
・直接税:1万1162円
・社会保険料:1万9171円
《家計収支》
・ひと月の赤字:3万4058円
・エンゲル係数(※消費支出に占める食料費の割合):29.8%
・平均消費性向(※可処分所得に対する消費支出の割合):115.3%
この世帯の毎月の収入は25万2818円で、その多くを公的年金などの社会保障給付が占めています。
一方、毎月の支出は28万6877円。内訳を見てみると、食費や住居費、光熱費など日常的な生活にかかる消費支出が25万6521円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万356円です。
その結果、月々の家計は3万4058円の赤字となっており、不足分は貯蓄を取り崩して補う必要があります。年間に換算すると、およそ40万円の取り崩しが必要になる計算です。
シニア世代は現役世代と比べて安定した収入を得る機会が限られるため、こうした慢性的な赤字は、長期的に貯蓄を大きく減らす要因となり得ます。
今ある貯蓄額を踏まえ、家計収支の見直しや、健康状態に応じた短時間の就労など、できる範囲で対策していくことが、老後の暮らしを安定させるカギとなります。
29歳以下~85歳以上まで!世間の食費はいくらほど?
家計管理の中でも、日常的に意識しやすく、工夫次第で節約しやすい支出のひとつが「食費」かもしれません。
ここで総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)」をもとに、二人以上世帯のひと月の食費の平均を見てみましょう。

出所:総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」をもとにLIMO編集部作成
全体平均 7万5258円
・~29歳 5万2413円
・30~39歳 6万9433円
・40~49歳 7万9900円
・50~59歳 8万1051円
・60~64歳 7万9831円
・65~69歳 7万7405円
・70~74歳 7万4322円
・75~79歳 6万8274円
・80~84歳 6万6257円
・85歳~ 6万3347円
二人以上世帯のひと月あたりの食費は、50歳代で約8万円と最も高く、その後は年齢とともに徐々に減少し、85歳以上では6万3347円まで下がります。これは加齢に伴う食事量や生活スタイルの変化を反映したものと考えられます。
食費は家族構成やライフステージによって大きく変動する支出項目ですが、家計に余裕が少ない世帯では「家計に占める食費の割合(エンゲル係数)」が高くなる傾向があります。
物価上昇が続く現在、食料品の価格動向に注意しながら、無理のない範囲で食生活や家計全体を見直していきましょう。
老後に向けた対策は早めに動くのが吉
年齢を重ねるごとに、病気や介護のリスクについて考える機会も増えるかもしれません。
高齢化が進む日本において、健康寿命の問題は無視できません。老後に受け取れる年金だけでは、いざというときの医療費や介護費用の負担が難しい可能性があります。
十分な資産を保有している世帯であれば問題ないですが、経済的な不安がある場合、民間の医療保険や介護保険で備えておくのもひとつです。
民間の保険は、加入時に健康状態の審査があり、場合によってはそもそも加入を断られてしまうケースもあります。早め早めの対策を心がけましょう。
参考資料
・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
・厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」
・厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
・総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」