【50代】老後資金の運用はどちらを重視する? 「元本確保」VS「収益期待」

【50代】老後資金の運用はどちらを重視する? 「元本確保」VS「収益期待」
「増える可能性がある商品で運用」積極的な50代は?
全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から「リスク性商品の保有意向」について50代の回答を見ていこう。
■元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有(50代単身世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※実数366)よりFinasee編集部作成
最初に単身世帯から見ていこう。調査結果によれば、「そうした商品を保有しようとは全く思わない」と回答した「消極派」は57.4%と半数を超えた。逆に「そうした商品についても、積極的に保有しようと思っている」と回答した「積極派」は12.8%にとどまった。
消極派の割合は60代(62.0%)より4.6ポイント、70代(66.1%)より8.7ポイント低い水準で、年代が上がるにつれて高まる傾向にあるようだ。老後を迎える60代以降は、働かずに年金や資産の取り崩しで生活を維持する人も増えると思われる。そのため、資産運用で積極的にリスクを取るよりは元本確保型で「守り」の運用を重視する人が多いのかもしれない。
一方で50代でも積極派は1割強、60代以降でも1割弱存在する。例えば老後資金が潤沢にあるため、余剰資金を使って積極的にリスク性商品を購入するなど、何らかの理由から積極的にリスクを取っているのかもしれない。
●前編「老後資金を増やしたいが…50代で「元本割れ」経験者はどの程度いるのか?」
元本割れ対策、50代は何か取っている?
元本割れを起こす可能性はある半面、高収益を期待できる商品を持つことについて、50代単身世帯では約6割の人が消極的だった。すなわち元本割れを避けたい人が多いと推測されるが、何か対策は取っているのだろうか。
■金融資産をより安全にするためにとった行動(50代単身世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※実数366、複数回答)よりFinasee編集部作成
金融資産を安全に保つために50代はどんな行動をとっているのか。まずは単身世帯から調査結果を見ると、最も回答率が高いのは「何もしていない」で75.1%。2位以下を大きく引き離してのトップだ。ただし、これまでの調査からそもそもリスク性商品を持っていない人もいる可能性がある。そのような人々は、「持たないこと」自体が最大の対策と考えているのかもしれない。
次いで「一金融機関に預けた預金金額が一千万円を超えないように、預け先を分散した」が10.9%。万が一、金融機関が破綻した場合でも原則として預金等は戻ってくる。ただし各種条件があり、金額面では1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1000万円までと破綻日までの利息等に限られる。そのため複数の金融機関に資金を分散することで注意しているというわけだ。
単身世帯と違いはある? 二人以上世帯のケース
50代単身世帯では、元本割れを引き起こす可能性がある一方で高収益が期待できる金融商品を持ちたくない「消極派」は約6割に上り、60代以上ではさらに増える傾向が見られた。同じ50代でも二人以上世帯では異なる特徴があるのだろうか。
■元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有(50代二人以上世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※実数1024)よりFinasee編集部作成
リスク性商品を持つことについて50代はどう考えているのか。次は二人以上世帯を見ていこう。最も回答率が高いのは「そうした商品を保有しようとは全く思わない」で49.8%と半数近く。逆に「そうした商品についても積極的に保有しようと思っている」は15.2%だった。単身世帯(消極派57.4%、積極派12.8%)に比べると、消極派は7.6ポイント少なく、逆に積極派は2.4ポイント多い。総じて単身世帯に比べてリスク性商品を持つことに前向きな世帯が多いようだ。
なお50代二人以上世帯の消極派は60代(49.8%)とまったく同じ水準、70代(57.2%)より7.4ポイント低い水準。年代が上がるにつれて消極派が増える傾向は単身世帯ほどではないが、二人以上世帯でもおおむね同様であるようだ。
50代の元本割れ対策、二人以上世帯では?
同じ50代でも単身世帯に比べると資産運用について比較的前向きな傾向がある二人以上世帯。それでは元本割れを避ける対策はどうだろうか。
単身世帯では「何もしていない」が2位を引き離してトップだったが、二人以上世帯では異なる特徴が見られるかもしれない。
■金融資産をより安全にするためにとった行動(50代二人以上世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※実数1024、複数回答)よりFinasee編集部作成
50代は金融資産を守るためにどのような行動をとっているのか。続いて二人以上世帯について見ていこう。最も回答率が高いのは「何もしていない」で67.2%。2位以下に大きく差をつけているが、単身世帯(75.1%)に比べると7.9ポイント低い水準だ。
次いで「一金融機関に預けた預金金額が一千万円を超えないように、預入れ先を分散した」は14.7%、「金融商品の安全性に関する情報を収集した」が14.3%。いずれも単身世帯に比べて、それぞれ3.8ポイント、6.1ポイント高い水準だった。家族でお金について会話する機会があるのか、対策については二人以上世帯の方が積極的な傾向にあるようだ。
物価上昇を鑑みた元本割れ対策が必要
もうじき老後を迎えることもあってか、50代でリスク性商品を持つことについては消極派が多数を占め、その傾向は60代以降でさらに強まる。それもあってか、元本割れを避けるための対策は「何もしていない」との回答が最も多く、リスク性商品を持たないこと自体が最大の対策となっている可能性もある。
しかし元本確保の代表である預貯金については、金融機関の破綻時に金額面などの条件から全額は戻ってこないケースもある。さらに昨今の物価上昇の進行度合いによっては預貯金だけでは実質的な資産価値が目減りするケースも予想される。その点でも対策が必要になってくるかもしれない。情報収集を積極的に行いつつ、預入先や金融商品の分散投資を行っていくなど、調査結果を参考に元本割れ対策を検討してみてはいかがだろうか。
<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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