ロシア軍、50kmを飛ぶ光ファイバードローンの運用開始

光ファイバードローンは、大きな「巻き取り器」をぶら下げている。

  • ウクライナ高官によると、ロシアは飛行距離50kmに達する光ファイバードローンの運用を開始したという。
  • 電子戦で妨害されることのないこれらのドローンは、ウクライナ側の兵站にとって脅威となっている。光ファイバードローンは、大きな「巻き取り器」をぶら下げている。
  • この50キロメートルという飛行距離は、現在知られている光ファイバードローンの多くが戦場で到達できる距離を上回っている。

ロシアは、光ファイバーケーブルで制御され、ジャミング(電子妨害)に耐える長距離ドローンの使用を開始しており、ウクライナの兵站にとって新たな脅威となっているという。

11月中旬、ウクライナの第一副首相兼デジタル改革相であるミハイロ・フェドロフ(Mykhailo Fedorov)が、通訳を介してBusiness Insiderに語ったところによると、ロシアは到達距離50kmの光ファイバードローンを戦場に投入している。ロシアによるこの種の兵器の本格的な戦闘使用をウクライナが公式に認めたのは、今回が初めてとなる。

この50kmという飛行距離は、現在知られている光ファイバードローンの多くが戦場で到達できる距離を上回っている。

フェドロフはこのドローンの新たな能力が「我々の兵站に大きな影響を与える」と述べた上で、ウクライナは光ファイバードローンに対抗する技術を開発しており、複数の旅団でその試験を進めていると付け加えた。

これまで一人称視点(FPV)ドローンは、無線通信だけで操縦されていた。だが電子戦が戦場を支配する今、無線信号は広範囲にわたって妨害されている。

光ファイバードローンは、巻き取り器に格納された細く長いケーブルで、操縦者との安定した接続を維持できる。このため電子戦による妨害を事実上受け付けず、戦闘においてさらなる脅威となっている。

光ファイバードローンは、細く長いケーブルを介して操縦者とつながっており、そのケーブルは巻き取り器に格納されている。

通常、光ファイバー式FPVドローンを迎撃する有効な手段は、ショットガンで撃ち落とすことぐらいしかない。しかし、それをするには早期の察知、迅速な反応、正確な射撃、そしてかなりの運が必要となる。

「電子戦の影響を受けない光ファイバードローンは、兵站と人員にとって極めて大きな脅威であることが明らかになった」とフェドロフは述べている。

前線の重要な補給路では、このドローンが深刻な脅威となっており、ウクライナ兵は車両を攻撃から守るために道路にネットを張らざるを得ない状況だという。

脅威ではあるが、動きは鈍い

光ファイバードローンは、ケーブルが障害物に引っかかりやすいという制約から、通常は飛行距離が短く、一般的に10〜25km程度とされている。だが、ロシアとウクライナ双方の兵器メーカーは、それぞれ飛行距離の延伸を進めている。

米シンクタンク、戦争研究所(Institute for the Study of War)の分析官は、10月の戦況評価で、ロシアの開発者が飛行距離50kmの光ファイバー式FPVドローンを導入したと報告した。ただし詳細は確認されていない。

フェドロフは、ロシアの50km級光ファイバードローンについて数週間前に初めて耳にしたと述べ、主に激戦地である東部ドネツク州で散発的な使用が確認されているとした。

このドローンは操作が比較的難しいため、頻繁には使用されていない。「風に流されやすく、重量もあり、越えなくてはならない物理的な障害も多い」と、フェドロフは説明した。

光ファイバードローンは、電子戦に妨害されることはない。

ドローンに搭載された光ファイバーケーブルの巻き取り器がかなり大きいため、ドローンの動きはやや鈍く、操作は容易ではない。しかし、フェドロフによれば「実際に運用されるようになっており、ポクロフスクでも使用されている」という。ポクロフスクとは、東部ドネツク州の戦禍にある都市で、この戦争で最も激しい戦闘が行われている場所だ。