歴代 “空自戦闘機”が勢揃い! もうすぐ開催「百里基地航空祭」で見たい展示機

茨城空港 2025年10月6日撮影 17-8437 三菱 F-4EJ改 ファントムII 航空自衛隊
航空自衛隊百里基地は、2025年12月7日(日)に「百里基地航空祭2025」を開催します。同基地に配備されている第3飛行隊のF-2A/BとT-4、百里救難隊のU-125AとUH-60Jが展示飛行を行うほか、昨年に続き2年連続でブルーインパルスも参加します。
ブルーのアクロやF-2の展示飛行にも注目ですが、年に一度の航空祭で見ておきたいのは、百里基地で展示されている保存機です。基地内には、自衛隊発足時から日本の空を護ってきた8機の展示機や、各種の記念碑などが設置されています。デモフライトの合間や帰り際などに、ぜひ機体も見学してみましょう。展示されている機体をご紹介します。
【雄飛園の展示機】
基地の正門を入り、すぐ左手には雄飛園と呼ばれる一角があり、ここに8機の展示機が設置されています。なお、ファントム以外の展示機は2022年3月ごろに風防(キャノピー)を黒く塗りつぶされました。
<武装はロケット弾だけ:F-86D (04-8197) >
F-86Dは、航空自衛隊の創成期に米空軍から122機供与され、千歳基地と小牧基地に配備されていました。また岐阜基地の実験航空隊(当時)にも若干数が配備されていました。機首にレーダーを備えた全天候戦闘機ですが、武装はコクピット下方の胴体下に見えるパッケージに収まった24発のロケット弾だけ。戦闘機なのに機銃もミサイルもない、現代の感覚からすれば、特色のある戦闘機です。
当基地の展示機は、航空自衛隊のF-86Dが一斉に運用終了となった1968年10月1日まで千歳基地第103飛行隊に所属していた機体です。展示機の中では後ほど紹介するT-33Aに次いで古い機体です。垂直尾翼には、かつて当基地に置かれていた第204飛行隊の「白頭鷲の横顔(イーグルヘッド)」が描かれています。

© FlyTeam じーく。さん茨城空港 2025年10月6日撮影 04-8197 ノースアメリカン F-86D-45 セイバー 航空自衛隊
<初代ブルーインパルスの使用機種:F-86F (92-7885)>
F-86Fは、航空自衛隊の創成期から1960年代の主力であった昼間戦闘機ですが、百里基地に配備されたことはありません。機首に6丁の12.7mm機銃を装備し、主翼下には爆弾やロケット弾なども搭載できました。また、空対空ミサイルを搭載できるように改修した機体もありました。初代ブルーインパルスの使用機種として知られています。
展示機は1959年に納入された三菱製の185番目の機体で、F-86F運用末期の1982年に用途廃止(用廃)になりました。垂直尾翼には当基地にて編成され、現在は宮崎県新田原基地に移転している第305飛行隊の「梅の花」マークが描かれています。

© FlyTeam じーく。さん茨城空港 2025年10月6日撮影 92-7885 三菱 F-86F-40 セイバー 航空自衛隊
<ジェット練習機:T-33A (51-5629)>
航空自衛隊ではT-33Aを使って1955年から1991年3月までパイロット養成を行ってきました。その任務を後継機であるT-4に譲ってからも、各部隊で訓練支援等に使われていましたが、1999年11月に発生した墜落事故がきっかけとなって全機が退役しています。
展示されている機体は1955年にアメリカから供与された68機のうちの一機で、1965年10月11日付で用廃になりました。この日には30機ものT-33A供与機が一度に用廃となっており、その多くが各地で展示機となりました。当基地で最も古い展示機で、垂直尾翼には2020年3月26日に当基地で閉隊した第501飛行隊マークのウッドペッカー(キツツキ)が描かれています。

© FlyTeam じーく。さん茨城空港 2025年10月6日撮影 51-5629 ロッキード T-33A 航空自衛隊
<「最後の有人戦闘機」と呼ばれた:F-104J (46-8630)>
非常に薄い主翼を持つマッハ2級の戦闘機です。航空自衛隊は単座のJ型を210機、複座のDJ型を20機を導入し、1962年から1987年まで運用しました。また14機は無人標的機に改造され、1997年3月まで使用しました。
本機は1964年に領収され、1983年に用廃となっています。1980年代末期には当基地の展示機になっていましたが、台座の上に据え付けられたのは1992年9月のことです。垂直尾翼には1965年に当基地で新編され、1978年に閉隊した第206飛行隊のマークを描いています。20mmバルカン砲を機首左下に備えていますが、展示機の砲口はカバーで塞がれています。

© FlyTeam Tomo-Papaさん茨城空港 2024年12月8日撮影 46-8630 三菱 F-104J スターファイター 航空自衛隊
<ブルーインパルス使用機:T-2 (29-5175)>
本機はブルーインパルス専用機として1982年に領収され、1995年末の最終訓練飛行までの13年間にわたり、国内各地で華麗な演技を披露してきた機体です。最終訓練後は第4航空団(松島基地)で学生教育に使われていましたが、2001年4月23日に当基地に飛来して用廃となりました。アクロ専用機の特徴である右エンジン排気口のスモークパイプは取り外されています。2022年3月ごろに再塗装されています。

© FlyTeam じーく。さん茨城空港 2025年10月6日撮影 29-5175 三菱 T-2 航空自衛隊
<戦後国産初の戦闘機:F-1 (60-8274)>
超音速高等練習機T-2に対地・対艦攻撃能力を付与した、戦後の国産初の戦闘機F-1。“攻撃機”あるいは“戦闘爆撃機”に相当する機体ですが、政治的な理由から“攻撃”や“爆撃”という用語が使えなかったため、日本独自の名称である“支援戦闘機”と呼ばれていました。武装は20mmバルカン砲を備え、空対空ミサイルを翼端に装着し、対艦ミサイルを2発、もしくはMk.82(500ポンド)爆弾を最大で12発搭載することができました。
展示機は1986年に納入され、2006年3月9日に築城基地第6飛行隊において航空自衛隊のF-1としての最終飛行を行った6機のうちの1機です。垂直尾翼には第6飛行隊のマークを描いています。

© FlyTeam kahluamilkさん茨城空港 2024年8月26日撮影 60-8274 三菱 F-1 航空自衛隊
<ファントム飛行隊発祥の地:F-4EJ改 (17-8437)>
航空自衛隊ではマクドネル・ダグラス社製F-4シリーズのうち、機首に20mmバルカン砲を固定装備するEJ型を140機導入して、1971年から2021年までの50年間にわたって運用しました。百里基地には1972年に臨時F-4EJ飛行隊が発足し、その後、国内初のF-4EJ飛行隊として第301飛行隊が新編されています。飛行隊マークは「筑波のガマ」に「無事カエル」の意味を持たせたカエルマークです。第301飛行隊は2021年に当基地でファントムの運用を終えましたが、三沢基地の"新生"第301飛行隊のF-35Aにカエルマークを引継いでいます。

© FlyTeam じーく。さん茨城空港 2025年10月6日撮影 17-8437 三菱 F-4EJ改 ファントムII 航空自衛隊
<国内唯一の非武装偵察型ファントム:RF-4E (47-6901)>
F-4Eファントムから機首部のバルカン砲を下ろし、代わりにカメラを搭載した偵察型ファントムです。航空自衛隊はRF-4Eを14機輸入し、1974年から2020年まで当基地の第501飛行隊で運用していました。展示機はその初号機であり、国内で唯一現存する機体です。隣に置かれているF-4EJ改と、カメラ窓のある機首部分を見比べてみましょう。なお1992年以降には、戦闘機型ファントムを改造して偵察用ポッドを搭載できるようにした偵察機"RF-4EJ"も配備されました。こちらの機体は"RF-4E"とは異なり、機首のバルカン砲やミサイル運用能力を残しています。

© FlyTeam kahluamilkさん茨城空港 2024年8月26日撮影 47-6901 マクドネル・ダグラス RF-4E ファントムII 航空自衛隊
以上、百里基地にて見ることのできる展示機を簡単に紹介しました。滑走路を挟んだ反対側、茨城空港の脇にもF-4EJ改とRF-4EJが展示されています。時間に余裕があるならば、こちらの機体も見学していきましょう。風が冷たい時期ですので、暖かい格好でお出かけください。