「みんなで大家さん」投資トラブル、成田空港の運営会社が用地の契約を終了した背景…「遂行能力を確認できず」

「みんなで大家さん」公式Webサイト。

不動産会社「共生バンク」(東京都千代田区)の関連会社が販売する不動産投資商品「みんなで大家さん」の配当金支払いが滞るなどの投資トラブルが相次いでいる問題を巡り、成田国際空港を運営する成田空港会社(千葉県成田市、以下NAA)が「大家さん 成田シリーズ」向け開発用地の賃貸借契約を11月末で終了し、更新しないと公表した。11月27日、同社の中間決算会見で明らかにした。

NAAは2020年9月、「大家さん成田」の開発エリア全体の4割に当たる土地について、年間賃料1800万円での賃貸借契約を締結していた。NAAの藤井直樹社長は「造成工事の遂行能力を確認できなかった」と契約の終了理由について説明している。

NAA社長「資金面含め総合的に判断」

共生バンクらは「大家さん成田」の販売を通じて、成田空港周辺で大型商業施設「GATEWAY NARITA」(ゲートウェイ成田)の開発計画を進めていたが、投資家への重要事項説明などが不十分だったとして、2024年6月に東京都と大阪府から行政処分(業務一部停止処分)を受けた。

ゲートウェイ成田の開発イメージ。

「今後のゲートウェイ成田プロジェクトの事業計画等に与える影響はない」と釈明し、「皆さまの利益保護を第一優先に最善を尽くす」と強調したものの、これを機に、投資家からの解約が相次ぎ、運営元からの配当金の支払いも滞った。2025年11月には出資者1191人が総額114億円の返還を求めて、集団提訴に踏み切った。

NAAの藤井社長は「われわれは造成工事用途で土地を貸している。共生バンク側に工事の遂行能力があるか確認や話し合いの末、総合的に判断した」と説明。一因に「資金面も含まれる」と認めた。共生バンクの担当者は契約終了を受け「承知した。社内で対応を検討する」と回答したという。

開発許可を出した成田市は工事の延長許可を出しており、市とNAAで判断が分かれている。藤井社長によると、市には11月26日に契約終了の方針を伝えたという。

契約終了に伴い、共生バンク側は12月以降、工事を継続できなくなる。藤井社長は土地の今後について「12月以降は賃貸借は終了している。今後の土地の状況を見ながら適切に判断したい」とし、現状復旧を求めるかどうかについては明言を避けた。

なぜ今、契約終了?NAA「投資には無関係」強調

共生バンク側はすでに行政処分を受け、25年10月には同じく東京都と大阪府から追加で行政指導も受けた。同社は「みんなで大家さん」公式Webサイトで「当社の社会的信用を不当に害し得るもので遺憾」と反発している。

成田空港(NAA)が行政処分・指導の直後に契約を終了できなかったのはなぜか。

藤井社長は「われわれは造成目的で土地を貸し出しており、その能力があるかを判断している。過去2度、契約を延長しているが、その時点では工事の遂行能力があると判断していた」と説明した。

NAAの藤井直樹社長。

NAAは2020年10月、2023年9月までを契約期間に、共生バンクと賃貸借契約を締結。その後、25年3月末まで契約を更新し、最終的に同年11月末まで契約が延長されていた。

この事案では、出資者が集団提訴に踏み切っている。投資に直接関与していないとはいえ、土地の貸主として出資者への責任をどのように感じているのか。

この問いについて藤井社長は「『大家さん成田』が投資商品として販売されたのは、われわれとの賃貸借契約締結後。販売開始時はわれわれが貸し付けた土地が含まれておらず、共生バンク側が保有する(成田周辺の)土地が対象だった。このため、共生バンク側の商品については関係していないと考えている」とし、訴訟事案には無関係との立場を強調した。