【厚生年金と国民年金】ふつうのシニアは平均いくらもらってる?”モデル夫婦”なら年金額は月額どれくらい?
- 日本の公的年金は「2階建て」
- 1階:全国民共通の国民年金(基礎年金)
- 2階:会社員などが加入する厚生年金
- 【2025年度】国民年金・厚生年金はいくらもらえる?
- 国民年金・厚生年金の受給額モデルケース(2025年度)
- 公的年金の「個人差」「男女差」を整理!一覧で見る
- 厚生年金の平均受給月額と分布
- 国民年金の平均受給月額と分布
- 年金、いくらもらえる?ライフコース別のモデル年金額を一覧でチェック
- モデルケース1:厚生年金中心の男性
- モデルケース2:国民年金中心の男性
- モデルケース3:厚生年金中心の女性
- モデルケース4:国民年金中心の女性
- モデルケース5:第3号被保険者期間が中心の女性
- 高齢者世帯「公的年金だけに頼っている」割合は何%?
- 総所得に占める公的年金の割合(世帯構成別)
高齢者世帯「公的年金だけに頼っている」割合は何%か

【厚生年金と国民年金】ふつうのシニアは平均いくらもらってる?”モデル夫婦”なら年金額は月額どれくらい?
年末が近づき、ふるさと納税や年末調整で今年のお金の動きを振り返っている方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、将来の生活を考えるうえで欠かせないのは、やはり公的年金制度です。
この記事では、日本の公的年金の「2階建て構造」から、2025年度の最新年金額、さらに働き方によって受け取れる年金がどう変わるのかを、具体的なデータやモデルケースを交えてわかりやすく紹介します。
ご自身の将来の年金額をイメージしながら、今後のライフプランや資産づくりの参考にしていただければ幸いです。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の公的年金は「2階建て」
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2種類で構成されており、その仕組みはしばしば「2階建て」に例えられます。

日本の公的年金制度のしくみ
1階:全国民共通の国民年金(基礎年金)
国民年金は、原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。
保険料は全国で一律となっており、毎年度見直しが行われます。2025年度の月額保険料は1万7510円です。40年間、保険料をすべて納付すると、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取ることができます。2025年度における老齢基礎年金の満額は、月額6万9308円です。
2階:会社員などが加入する厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員、そして特定適用事業所で働くパートタイマーなど、一定の条件を満たした人が国民年金に加えて加入する制度です。
・年金保険料:給与や賞与の額に応じて決まります(上限あり)。
・老後の受給額:加入期間や納めた保険料の総額によって、一人ひとり異なります。
※特定適用事業所とは、厚生年金保険の被保険者数が常時51人以上となる企業などを指します。
※厚生年金の保険料は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を掛けて算出されます。
このように、日本の公的年金制度は1階部分の「国民年金」と2階部分の「厚生年金」で構成されていますが、加入対象者や保険料の決定方法、将来の受給額には大きな違いがあります。
【2025年度】国民年金・厚生年金はいくらもらえる?
公的年金の受給額は、物価や賃金の変動を反映して毎年度改定されます。
2025年4月からの年金額がどのように改定されたかを見ていきましょう。

令和7年度の年金額の例
厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2025年度の年金額は、前年度と比較して1.9%の引き上げとなりました。
国民年金・厚生年金の受給額モデルケース(2025年度)
・国民年金(老齢基礎年金・満額1人分):月額6万9308円(前年度比+1308円)
・厚生年金(夫婦2人分):月額23万2784円(前年度比+4412円)
※昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金(満額)は、月額6万9108円(前年度比+1300円)です。
※厚生年金の金額は、平均的な収入(賞与を含む月額換算で45万5000円)の夫が40年間就業し、妻が専業主婦であったケースを想定した給付水準(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金満額の合計)です。
公的年金の「個人差」「男女差」を整理!一覧で見る
老後に受け取る年金額は、現役時代の働き方や年金への加入状況によって個人差が生まれます。
厚生年金と国民年金の平均受給月額から、どの程度の差があるのかを確認してみましょう。
厚生年金の平均受給月額と分布

厚生年金の平均額(全年齢)
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金部分を含んだ厚生年金の平均受給月額は以下の通りです。
・全体平均:14万6429円
・男性平均:16万6606円
・女性平均:10万7200円
受給額の分布(1万円ごと)
・1万円未満:4万4420人
・1万円以上~2万円未満:1万4367人
・2万円以上~3万円未満:5万231人
・3万円以上~4万円未満:9万2746人
・4万円以上~5万円未満:9万8464人
・5万円以上~6万円未満:13万6190人
・6万円以上~7万円未満:37万5940人
・7万円以上~8万円未満:63万7624人
・8万円以上~9万円未満:87万3828人
・9万円以上~10万円未満:107万9767人
・10万円以上~11万円未満:112万6181人
・11万円以上~12万円未満:105万4333人
・12万円以上~13万円未満:95万7855人
・13万円以上~14万円未満:92万3629人
・14万円以上~15万円未満:94万5907人
・15万円以上~16万円未満:98万6257人
・16万円以上~17万円未満:102万6399人
・17万円以上~18万円未満:105万3851人
・18万円以上~19万円未満:102万2699人
・19万円以上~20万円未満:93万6884人
・20万円以上~21万円未満:80万1770人
・21万円以上~22万円未満:62万6732人
・22万円以上~23万円未満:43万6137人
・23万円以上~24万円未満:28万6572人
・24万円以上~25万円未満:18万9132人
・25万円以上~26万円未満:11万9942人
・26万円以上~27万円未満:7万1648人
・27万円以上~28万円未満:4万268人
・28万円以上~29万円未満:2万1012人
・29万円以上~30万円未満:9652人
・30万円以上:1万4292人
厚生年金の全体の平均月額は14万6429円です。男女別に見ると、男性が16万6606円、女性が10万7200円と、約6万円の差があります。また、受給額は月額1万円未満から30万円を超える人まで幅広く分布しており、個人差が大きいことが特徴です。
国民年金の平均受給月額と分布

国民年金の平均額(全年齢)
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均受給月額は以下の通りです。
・全体平均:5万7584円
・男性平均:5万9965円
・女性平均:5万5777円
受給額の分布(1万円ごと)
・1万円未満:5万8811人
・1万円以上~2万円未満:24万5852人
・2万円以上~3万円未満:78万8047人
・3万円以上~4万円未満:236万5373人
・4万円以上~5万円未満:431万5062人
・5万円以上~6万円未満:743万2768人
・6万円以上~7万円未満:1597万6775人
・7万円以上:227万3098人
国民年金の平均受給月額は全体で5万円台です。最も多いボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」で、多くの人が満額に近い年金を受け取っていることが推測されます。厚生年金ほどではありませんが、国民年金でも月額1万円未満から7万円以上まで個人差が見られます。
年金、いくらもらえる?ライフコース別のモデル年金額を一覧でチェック
働き方やライフスタイルが多様化する現代において、「自分は将来いくら年金をもらえるのか」と気になる方も多いでしょう。
厚生労働省は、2025年度の年金額改定の発表に合わせ、「多様なライフコースに応じた年金額の例」を公表しています。ここでは、2025年度に65歳になる人を想定し、年金加入歴を5つのパターンに分けて年金額の概算が示されています。

ライフコース別のモデル年金額
モデルケース1:厚生年金中心の男性
年金月額:17万3457円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円(賞与含む月額換算)
・基礎年金:6万8671円
・厚生年金:10万4786円
モデルケース2:国民年金中心の男性
年金月額:6万2344円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8008円
・厚生年金:1万4335円
モデルケース3:厚生年金中心の女性
年金月額:13万2117円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万566円
・厚生年金:6万1551円
モデルケース4:国民年金中心の女性
年金月額:6万636円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万2151円
・厚生年金:8485円
モデルケース5:第3号被保険者期間が中心の女性
年金月額:7万6810円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万7754円
・厚生年金:9056円
これらのモデルケースからも、厚生年金への加入期間や現役時代の平均収入が、老後の年金月額に大きく影響することがわかります。特に、国民年金と厚生年金のどちらに主として加入していたかで、受給額が大きく変動する点が注目されます。
高齢者世帯「公的年金だけに頼っている」割合は何%?
厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯の収入実態を見ていきましょう。
※高齢者世帯とは、65歳以上の人のみで構成されるか、またはこれに18歳未満の未婚の人が加わった世帯を指します。
まず、高齢者世帯全体の平均的な所得構成を見ると、収入の63.5%を「公的年金・恩給」が占めています。次いで、仕事による収入である「稼働所得」が25.3%、「財産所得」が4.6%と続きます。
ただし、これはあくまで全体の平均値です。「公的年金・恩給を受給している世帯」に限定すると、総所得のすべてが「公적年金・恩給」である世帯が43.4%にものぼることが、同調査で明らかになっています。
総所得に占める公的年金の割合(世帯構成別)

高齢者世帯の総所得に占める「公的年金・恩給」の割合別世帯構成
・総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の世帯:43.4%
・総所得に占める公的年金・恩給の割合が80~100%未満の世帯:16.4%
・総所得に占める公的年金・恩給の割合が60~80%未満の世帯:15.2%
・総所得に占める公的年金・恩給の割合が40~60%未満の世帯:12.9%
・総所得に占める公的年金・恩給の割合が20~40%未満の世帯:8.2%
・総所得に占める公的年金・恩給の割合が20%未満の世帯:4.0%
このように、高齢者世帯全体で見ると稼働所得なども一定の割合を占めていますが、年金を受給している世帯に絞ると、その半数近くが公的年金収入のみで生活している実態が浮き彫りになります。
まとめにかえて
この記事では、公的年金の基本的な仕組みから、2025年度の受給額、そして働き方によってどれくらい差が出るのかを、さまざまなデータをもとに解説してきました。
厚生年金にどれだけ長く加入していたか、現役時代にどれくらいの収入があったか――こうした要素が、将来の年金額に大きく影響することがお分かりいただけたと思います。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、ご自身の年金見込み額を確認してみましょう。現状を把握することが第一歩です。
そのうえで、公的年金だけでは足りない分をどう補うかを考え、iDeCoや新NISAなどの制度を活用して計画的に資産形成を進めることが、安心できる老後につながります。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
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