12月15日は年金支給日!「標準夫婦」なら年金「約46.5万円」がもらえるカラクリとは?
標準夫婦の定義と公的年金制度の仕組みをチェック

12月15日は年金支給日!「標準夫婦」なら年金「約46.5万円」がもらえるカラクリとは?
師走に入り、2025年もいよいよ残りわずかとなりました。そろそろ「来年に向けて老後の生活設計や家計を見直しておこうかな」と考え始めている方も多いのではないでしょうか。
2025年度の公的年金額は、前年度から1.9%引き上げられており、次の年金支給日である12月15日(月)には、10月・11月分の年金がまとめて支給される予定です。
日本年金機構が公表しているモデルケース「標準夫婦」世帯では、2ヶ月分で約46万5000円が支給される見込みです。ただ、この「標準夫婦」とは具体的にどのような世帯のことを指すのか、少しイメージが湧きにくいかもしれません。
この記事では、公的年金の基本的な仕組みから、「標準夫婦」の定義、そして実際の平均受給額まで、分かりやすくまとめてご紹介します。
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日本の公的年金制度とは?「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造を解説
まず、日本の公的年金制度の基本構造について確認しておきましょう。
日本の年金制度は、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分の「厚生年金」から成り立っており、その構造から「2階建て」と呼ばれています。

国民年金は、日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象で、保険料(※1)は一律です。
一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入する制度で、保険料(※2)は収入に応じて変動します。
国民年金は、保険料を全期間(480ヶ月)納付することで、65歳から満額(※3)を受け取れます。未納期間がある場合は、その期間に応じて受給額が減額される仕組みです。
2025年度において、標準的な夫婦世帯が年金支給日に受け取る金額の目安は「約46万5000円」とされていますが、この金額の根拠について次で詳しく見ていきましょう。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円
「標準的な夫婦」の年金が約46万5000円になる理由
公的年金は、原則として偶数月の15日(※)に、前月と前々月の2ヶ月分がまとめて支給されます。
次回の支給日である12月15日(月)には、10月分と11月分の年金が支払われることになります。
日本年金機構が公表している2025年度の年金額の例は、以下の通りです。
※15日が土日・祝日の場合は、その直前の平日に支給されます。

令和7(2025)年度の年金額の例
・国民年金(老齢基礎年金):6万9308円(1人分※1)
・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円です。
※2 平均的な収入(平均標準報酬45万5000円・賞与含む月額換算)で40年間就業した場合に受給開始となる年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
このモデルでは、夫婦2人分の厚生年金と国民年金を合わせた月額が23万2784円となります。これが2ヶ月分まとめて支給されるため、支給額は「46万5568円」となり、約46万5000円の根拠となっています。
では、この「標準的」という言葉が示す夫婦世帯とは、どのようなケースを想定しているのでしょうか。
年金制度における「標準的な夫婦」のモデルケースとは?
日本年金機構の資料によると、夫婦の年金額のモデルケースは以下の前提で算出されています。
(以下引用)
平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
引用:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
(以上引用)
具体的には、夫が賞与を含む月収換算で平均45万5000円(年収約546万円)の収入を得ながら40年間会社員として働いた、という設定です。
一方で、妻は専業主婦や扶養内でパートとして働いていたケースを想定しており、厚生年金には加入せず国民年金のみを受け取る前提となっています。
この条件で計算された夫婦の合計年金額が月額23万2784円であり、これが2ヶ月に一度支給されるわけです。
ただし、この金額はあくまで「夫婦2人分」の額面である点に注意が必要です。
また、多くの場合、老齢年金からは所得税や住民税、社会保険料が天引きされます。
具体的な天引きの内訳や最終的な支給額については、毎年6月頃に送付される「年金振込通知書」で確認することをおすすめします。

年金から天引きされる税や社会保険料が記載される「年金振込通知書」
1回の支給額が「約46万5000円」と聞くと高額に思えるかもしれませんが、1人あたりの月額に換算すると、昨今の物価高を考慮すれば必ずしも余裕のある金額とは言えないかもしれません。
次に、現在のシニア世代が実際に受け取っている年金額の平均も見ていきましょう。
厚生年金・国民年金の平均受給額はいくら?実際のシニアがもらっている金額
実際に受け取る年金額は、現役時代の働き方や年金への加入状況によって大きく異なります。
ここでは、厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、60歳代から90歳代以上までを含む全受給権者の平均月額と分布を確認します。

公的年金の平均額(全年齢)
「厚生年金」の平均年金月額
・〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含みます。
「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額
・〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金分を含む)の平均月額は、男性が約16万6000円、女性が約10万7000円です。
国民年金のみを受給している場合、男女ともに平均月額は5万円台となっています。
2ヶ月に一度支給される「世帯の年金額」は大きく見えても、1人あたりの月額に直すと、年金収入だけで生活を賄える世帯は限定的かもしれません。
また、グラフが示すように受給額には大きな個人差があり、これらの数値はあくまで全体の平均値です。
ご自身の正確な年金見込額については、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、早めに確認してみてはいかがでしょうか。
【2025年度】公的年金と年金生活者支援給付金はいくら増額した?
公的年金や年金生活者支援給付金の額は、物価や賃金の変動に応じて毎年度見直されます。
ここでは、2025年度の年金額や支給水準の改定内容を確認しておきましょう。
公的年金は「1.9%」の増額改定
2025年度の公的年金額は、前年度と比較して1.9%の増額改定となりました。

令和7年4月分(6月13日(金曜)支払分)からの年金額
・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円
・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)
※昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬45万5000円・賞与含む月額換算)」で40年間就業した場合に受給開始となる年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
年金額は3年連続での引き上げとなりましたが、マクロ経済スライド(※)が発動したことにより、物価上昇率には及ばない伸び率となっています。このため、実質的な価値は目減りしている点には注意が必要です。
※マクロ経済スライド:公的年金被保険者数の変動や平均余命の伸びを考慮した「スライド調整率」を用いて、賃金・物価の伸びから一定率を差し引く仕組みです。
年金生活者支援給付金は「2.7%」の増額改定
「年金生活者支援給付金」は、所得が一定基準以下の基礎年金受給者を対象とした制度です。公的年金と同様に2ヶ月に1度、年金に上乗せして支給されます。
ただし、この給付金を受け取るためには、ご自身での申請手続きが必要となります。

年金生活者支援給付金の支給金額
・老齢年金生活者支援給付金:基準額 月額5450円
・障害年金生活者支援給付金:障害等級1級 月額6813円・2級 月額5450円
・遺族年金生活者支援給付金:月額5450円
老齢年金生活者支援給付金の場合、基準額を基に保険料の納付期間や免除期間に応じて実際の給付額が計算されるため、受給額は個人によって異なります。
まとめ:公的年金の現状を理解し、早めに老後設計を
この記事では、公的年金の基本的な仕組み、日本年金機構が示す「標準夫婦」のモデルケース、そして実際の平均受給額についてお伝えしました。
公的年金は「2階建て」の仕組みになっており、現役時代の働き方によって将来受け取れる年金額は大きく変わります。「標準夫婦」の年金額は2か月分で約46万5000円とされていますが、あくまでも一定の条件を満たしたケースの試算であり、実際の平均額とは開きがあります。
また、2025年度は年金額が引き上げられたものの、物価上昇に追いついていない実態もあります。漠然と不安を抱えるより、まずは「ねんきんネット」などを使って、ご自身の将来の受給見込みを確認してみるのがおすすめです。そのうえで、iDeCoやNISAといった制度も上手に活用しながら、早めに老後資金の計画を立てていきましょう。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・日本年金機構「年金振込通知書」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
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