ロシアの戦時支出ブームは終わりを迎えつつある

小売業者が語る需要の落ち込み, 経済ブームを生んだ複数の要因, ロシア経済をめぐるさらなる警告, インフレと連邦予算の不足 

ロシアの戦時支出ブームは終わりを迎えつつある

2022年にウラジーミル・プーチン大統領がウクライナへの全面的軍事侵攻を命じて以来、ロシアで続いてきた戦時経済のブームは、終わりに近づいている可能性がある。ロシアの消費者は支出を抑え始めており、これは国内経済に問題が広がりつつある兆しとも受け取れる。ただし、現在のロシアは消費の減速のほかにもさまざまな問題に直面している。

ロシア中央銀行が12月10日に公表した報告書によると、国内の多くの地域で消費支出の伸びが弱まっているという。10月と11月はいずれも需要が減少し、失業率が過去最低水準に達する一方で、インフレ予想は押し上げられたとされる。

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小売業者が語る需要の落ち込み

ロシア中央銀行は、ニュースサイト「ビジネス・インサイダー」が翻訳した報告書の中で、「全国の小売業者によれば、商品の購入はプロモーションやセール、割引が行われるときに集中する割合が高まっている。各家庭はより倹約する方向に向かっている」としている。

同メディアは、高額商品や多くの必需品ではない商品の需要が低まっていることについて、「2022年以降の消費ブームの後に訪れた明確な冷え込み」を示していると指摘した。ロシア経済は、ウクライナへの全面侵攻を開始して以降、約4年にわたって軍事支出の割合を高めている。

 

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経済ブームを生んだ複数の要因

この戦時下の経済ブームは、西側諸国による制裁、防衛支出の急増、侵攻による労働力不足とそれに伴う人材獲得競争など、複数の要因によって生み出された。「ビジネス・インサイダー」によれば、ロシア国内では賃金が上昇し、多くの家庭が消費を拡大させていたという。

しかし、状況は急速に変わりつつあるようだ。賃金の伸びは鈍化しており、複数の地域でロシア企業は人手需要の減少や、採用に対する切迫感の低下を報告している。これは同メディアが指摘する「冷え込みつつある労働市場」を反映したものだ。企業は2026年に向けて、賃金の上昇幅は控えめになると見込んでいるとされる。年末を迎える中で、ロシアの人々が支出に慎重になっている理由の一つは、こうした見通しにあるのかもしれない。

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ロシア経済をめぐるさらなる警告

ロシア中央銀行による今回の警告は、モスクワの先行きに暗雲が立ち込めていることを示す一連の報道の中で出されたものだ。ブルームバーグはロイター通信の試算として、ロシアの石油・ガス収入は2025年に約4分の1減少する見通しだと伝えている。

「産業関係者のデータや、生産・精製・供給に関する公式統計に基づく試算によれば、通年の歳入はほぼ4分の1減少し、8.44兆ルーブルに落ち込む見通しだ。これは財務省が予測していた8.65兆ルーブルを下回る」と『Reuters』は説明している。同メディアは、石油・ガス関連の歳入がロシアの連邦予算のおよそ4分の1を占めている点にも言及している。

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インフレと連邦予算の不足 

さらに、ロシアでは11月にやや落ち着いたとはいえ、インフレは依然として高止まりしている。『The Moscow Times』が12月10日に報じたところによると、ロシア連邦統計局(Rosstat)は、11月のインフレ率が10月の7.7%から6.6%に低下したと発表した。ただし、ロシアの規制当局は、この数値が目標とする4%に下がるのは2027年になると見ている。

ロシアはまた、2025年に入ってすでに500億ドルに達する財政赤字にも直面している。クレムリンは、この予算問題を税収で穴埋めする方針だ。『The Moscow Times』によれば、プーチン大統領は最近、付加価値税(VAT)を2026年から現行の20%から22%に引き上げることを承認したという。

 

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