【確定申告不要制度】ってなに?《年金を受給してる人》確定申告が「必要な人」「不要な人」の違いは?
- そもそも「確定申告」とは?
- 「年金生活者」は確定申告をする必要がある?
- 年金受給者で確定申告が「不要な人」とは?
- 「公的年金等に該当する所得」はどんなものがある?
- 公的年金等に関連する「雑所得以外の所得」はどんなものがある?
- 【シニアの年金事情】「国民年金と厚生年金」の平均受給月額を見る
- 【国民年金のみ受給】「確定申告が不要な人」はどのくらいいる?
- 【厚生年金+国民年金】「確定申告が不要な人」はどのくらいいる?
- 【年金受給者は必見】知っておくべき「確定申告」の留意点2つ
- 1:確定申告不要制度の対象でも「確定申告をしたほうが良いケース」もある
- 2:確定申告が手間と感じている方は「e-Tax」を利用しよう
- 確定申告が必要か迷った際は、早めに税務署へ相談しよう
そもそも「確定申告」とは?

【確定申告不要制度】ってなに?《年金を受給してる人》確定申告が「必要な人」「不要な人」の違いは?
年金を受給している方の中には、「自分は確定申告をする必要があるのか」と気になっている人も少なくないでしょう。
実は、年金受給者でも確定申告が「必要となるケース」と「申告しなくてよいケース」があり、その基準ははっきりと定められています。
本記事では、「確定申告不要制度」の概要と、確定申告の要否を判断するための基準について解説します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
そもそも「確定申告」とは?
確定申告とは、1年間の所得をもとに税金を計算し、納めるべき税額を確定させるための手続きです。
2025年分の申告受付期間は、2026年2月16日から3月16日までとなっています。
会社勤めをしていた方の場合、多くは年末調整で所得税の処理が完結するため、確定申告を行う機会が少なかったという人もいるでしょう。
確定申告と聞くと「フリーランス」や「個人事業主」などが行うものというイメージがあるかもしれませんが、「年金受給者」は確定申告をする必要があるのでしょうか。
「年金生活者」は確定申告をする必要がある?
結論として、年金受給者は原則として「確定申告の対象」となります。
老齢年金は老後の中心的な収入となりますが、税法上は「雑所得」として扱われるため、所得税や復興特別所得税の申告が必要です。
とはいえ、年齢を重ねるほど、税務署への訪問や書類準備といった作業が負担になりやすくなります。
そこで設けられたのが「確定申告不要制度」です。
この制度により、年金受給者は複雑な手続きを避けつつ、税金の処理を簡略化することが可能になります。
次章では、具体的にどのような場合に年金受給者が確定申告をしなくてもよいのか、その条件について解説します。
年金受給者で確定申告が「不要な人」とは?
年金を受け取っている人の申告手続きの負担を軽くするために、「公的年金等の確定申告不要制度」が用意されています。
この仕組みでは、公的年金等の年間収入が400万円以下で、さらに一定の基準を満たしている場合には、所得税と復興特別所得税の確定申告を行う必要がなくなります。

フローチャート「公的年金等の確定申告について」
対象となるのは、次の条件をすべて満たしている方です。
・公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる
・公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である
「公的年金等に該当する所得」はどんなものがある?
「公的年金等」として扱われる所得にはいくつかの種類がありますが、主なものは次のとおりです。
・国民年金や厚生年金
・共済組合から支給を受ける老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金、老齢共済年金)
・恩給(普通恩給)
・過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金
・確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金
公的年金等に関連する「雑所得以外の所得」はどんなものがある?
公的年金等とは別枠で扱われる「雑所得以外の所得」には、主に次のような項目があります。
・生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金
・給与所得
・生命保険の満期返戻金
では、どれほどの高齢者がこの「確定申告不要の対象」になるのでしょうか。
次章では、国民年金や厚生年金の受給額データを踏まえ、その実情を確認していきます。
【シニアの年金事情】「国民年金と厚生年金」の平均受給月額を見る
厚生労働省年金局が公表している「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金それぞれの平均受給月額を見ていきましょう。
また、現役時の就労形態や加入していた年金制度によって、老後に受け取る年金が「国民年金のみ」なのか「国民年金と厚生年金の両方」なのかが変わります。
自分がどの区分に当てはまるのか、事前に確認しておきましょう。
・国民年金のみ:現役時に専業主婦、自営業者、フリーランス(現役時も確定申告を行っていたケースが多い)
・国民年金+厚生年金:現役時に会社員、公務員(現役時に基本的に年末調整で完結していたケースが多い)
【国民年金のみ受給】「確定申告が不要な人」はどのくらいいる?

国民年金・男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
【国民年金の平均受給額】
・〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
【厚生年金+国民年金】「確定申告が不要な人」はどのくらいいる?

厚生年金・男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数
【厚生年金の平均受給額】
・〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金の金額を含む
国民年金の平均支給額は月額5万7584円、厚生年金は月額14万6429円とされています。
年間ベースで考えると、国民年金は約69万円、厚生年金はおよそ175万円となります。
この金額から見ると、年金のみで年間収入が400万円超となるケースは少数であり、多くの高齢者は「確定申告不要制度」の条件に該当する可能性が高いといえます。
ただし、「個人年金の受取額が多い人」や「年金に加えて給与収入がある人」などは、確定申告が必要となる場合があるため注意が必要です。
また、確定申告不要制度の対象に当てはまる場合でも、申告したほうが結果的に得になるケースがあります。
次章では、知っておくべき「確定申告」の留意点について紹介していきます。
【年金受給者は必見】知っておくべき「確定申告」の留意点2つ
では最後に、年金受給者の方が知っておくべき「確定申告」の留意点について紹介していきます。
1:確定申告不要制度の対象でも「確定申告をしたほうが良いケース」もある
確定申告不要制度の対象に当てはまる年金受給者であっても、所得税や復興特別所得税の払いすぎが生じている場合、その返金を受けるには確定申告が必要です。
実際に還付が出る可能性があるのは、次のようなケースが想定されます。
・住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合
・一定額以上の医療費を支払った場合
・災害や盗難の被害を受けた場合
申告したほうがよいか判断に迷うときは、「お近くの税務署」で相談することをおすすめします。
2:確定申告が手間と感じている方は「e-Tax」を利用しよう
「確定申告」というと、複雑で手間がかかるという印象を持つ方も多いかもしれません。
しかし近年は、スマートフォンとマイナンバーカードの連携が進んだことで、手続きそのものが以前よりずっと簡単になっています。
スマートフォンに搭載されたマイナンバーカード機能を使えば、カード本体を読み取らなくても申告書の作成やe-Taxでの送信が行えます。

e-TAXにおけるメリット
また、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、案内に沿って項目を入力していくだけで申告書が作成でき、計算も自動で行われるため誤りを防げます。
さらに、マイナポータル連携を使うと、保険料控除証明書や源泉徴収票などの情報を自動で取り込めるため、必要書類を集める手間や入力作業が大幅に省かれ、申告にかかる時間も短縮できるでしょう。
なお、申告シーズンは窓口が混み合うことが予想されるため、不安な点があれば早めに相談しておきましょう。
確定申告が必要か迷った際は、早めに税務署へ相談しよう
本記事では、「確定申告不要制度」の概要と、確定申告の要否を判断するための基準について解説していきました。
公的年金だけで生活している多くの高齢者は、制度の要件を満たすことで申告が不要となる可能性があります。
一方で、個人年金や給与収入がある場合、あるいは還付の対象となる支出がある場合は、申告したほうがお得になるケースもあります。
確定申告を負担に感じる方でも、マイナンバーカードやe-Taxを活用すれば手続きを簡単に進められます。
申告が必要か迷った際は、早めに税務署へ相談し、自分にとって最適な方法を選びましょう。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
参考資料
・国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」
・国税庁「高齢者と税(年金と税)」
・国税庁「確定申告が必要な方」
・政府広報オンライン「ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・国税庁「スマホとマイナンバーカードでe-Tax!」
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