【厚生年金・国民年金】60歳~89歳「平均的な人の受給額はいくら?」リスト形式で確認
- 【しくみ図で制度の基本を理解】公的年金は「国民年金と厚生年金」の2階建て
- 1階部分:「国民年金」の概要を整理
- 2階部分:「厚生年金」の概要を整理
- 公的年金額は「毎年度見直し」が行われている
- 2025年度の「国民年金と厚生年金」の年金額例はいくら?
- 【パターン別の年金額例】「いまの働き方と収入」は「老後の年金」に直結
- ケース①:男性・厚生年金期間中心
- ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- ケース③:女性・厚生年金期間中心
- ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
- ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
- 【厚生年金・国民年金】60歳代「平均的な人の受給額」はいくら?(60~69歳)
- 【厚生年金】60歳代の平均月額をチェック
- 【国民年金】60歳代の平均月額をチェック
- 【厚生年金・国民年金】70歳代「平均的な人の受給額」はいくら?(70~79歳)
- 【厚生年金】70歳代の平均月額をチェック
- 【国民年金】70歳代の平均月額をチェック
- 【厚生年金・国民年金】80歳代「平均的な人の受給額」はいくら?(80~89歳)
- 【厚生年金】80歳代の平均月額をチェック
- 【国民年金】80歳代の平均月額をチェック
- 年金は何歳から受け取るのがお得?「繰上げ・繰下げ受給」について整理
- 老齢年金は「繰上げ」「繰下げ」で受給ができるって本当?
- 【繰上げ受給のイメージ】メリット・デメリットをチェック
- 【繰下げ受給のイメージ】メリット・デメリットをチェック
老齢年金、あなたは何歳からもらう?《グラフで分かる》繰上げ・繰下げ受給の減額・増額イメージ

【厚生年金・国民年金】60歳~89歳「平均的な人の受給額はいくら?」リスト形式で確認
老後の柱となる公的年金は、仕組みが複雑に見えますが、実は現役時代の働き方や過ごし方が将来の受給額を大きく左右します。
年金は老後に突然関わるものではなく、若い頃からの加入履歴が将来の安心を形作るの制度です。
受給開始を調整する「繰上げ・繰下げ」といった戦略的な選択肢も、若いうちから仕組みを知っておくことで、そのメリットを最大限に活かしたキャリア設計や資産準備が可能になります。
この記事では、公的年金のしくみの基本や、いまのシニア世代の年金受給事情を、一次データを元に紐解きます。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【しくみ図で制度の基本を理解】公的年金は「国民年金と厚生年金」の2階建て
「日本の年金制度は2階建て」と言われるのは、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と、その上に重なる2階部分の「厚生年金」で構成されているためです。
まずは、この2つの制度の基本を押さえておきましょう。

1階部分:「国民年金」の概要を整理
・加入対象者はどんな人?:原則として日本に住む20歳から60歳未満の全員(職業や国籍は問わない)
・年金保険料はいくら?:全員一律、ただし年度ごとに改定あり(※1)
・老後の受給額はどう決まる?:保険料を全期間(480カ月)納付すれば満額の老齢基礎年金を受給できる(※2)
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
2階部分:「厚生年金」の概要を整理
・加入対象者はどんな人?:会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした方
・年金保険料はいくら?:収入に応じて(上限あり)変わる(※4)
・老後の受給額はどう決まる?:加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。
国民年金と厚生年金は、加入できる人の範囲や保険料の仕組み、将来の受給額などが異なるため、老後に得られる年金額にも差が生じます。
こうした点を理解したうえで、自分の受給額を把握し、将来の収入見通しを立てながら生活設計を考えていくことが大切です。
次章では、2025年度に1.9%増額された年金額について解説します。
公的年金額は「毎年度見直し」が行われている
2025年1月24日、厚生労働省は2025年度(令和7年度)の年金額を発表し、前年度比で1.9%の引き上げとなりました。

令和7年度の年金額の例
2025年度の「国民年金と厚生年金」の年金額例はいくら?
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
一見すると「増額」は朗報のように思えますが、物価上昇率のほうが高ければ、名目上の年金額が増えても、実際に購入できる物やサービスは減ってしまいます。
いわゆる「実質的な目減り」が生じ、年金で生活する人にとっては負担感が大きくなる可能性があるのです。
なお、今回の改定では、具体的な年金額の例に加え、夫婦の就労形態別に複数の年金額モデルも示されています。
【パターン別の年金額例】「いまの働き方と収入」は「老後の年金」に直結
厚生年金は、現役時代の働き方や収入水準によって受給額が大きく変わります。
厚生労働省が示したライフコース別の年金額モデルを見ると、厚生年金の加入期間が長く、かつ収入が高いほど、将来の年金額が高くなる傾向が明確に表れています。

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
ケース①:男性・厚生年金期間中心
年金月額:17万3457円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
・基礎年金:6万8671円
・厚生年金:10万4786円
ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万2344円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8008円
・厚生年金:1万4335円
ケース③:女性・厚生年金期間中心
年金月額:13万2117円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万566円
・厚生年金:6万1551円
ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万636円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万2151円
・厚生年金:8485円
ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心
年金月額:7万6810円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万7754円
・厚生年金:9056円
上記の年金額例から、老後に受け取る年金の水準を左右する大きなポイントは「国民年金中心か、厚生年金中心か」という加入状況の違いだと言えるでしょう。
【厚生年金・国民年金】60歳代「平均的な人の受給額」はいくら?(60~69歳)
では、現在のシニア世代が実際にどれくらいの年金を受給しているのか、厚生年金と国民年金の平均受給月額を見ていきましょう。
なお、ここで示す厚生年金の金額には、国民年金(基礎年金)分も含まれています。
【厚生年金】60歳代の平均月額をチェック

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・60歳:厚生年金9万6492円
・61歳:厚生年金10万317円
・62歳:厚生年金6万3244円
・63歳:厚生年金6万5313円
・64歳:厚生年金8万1700円
・65歳:厚生年金14万5876円
・66歳:厚生年金14万8285円
・67歳:厚生年金14万9205円
・68歳:厚生年金14万7862円
・69歳:厚生年金14万5960円
【国民年金】60歳代の平均月額をチェック

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・60歳:国民年金4万3638円
・61歳:国民年金4万4663円
・62歳:国民年金4万3477円
・63歳:国民年金4万5035円
・64歳:国民年金4万6053円
・65歳:国民年金5万9599円
・66歳:国民年金5万9510円
・67歳:国民年金5万9475円
・68歳:国民年金5万9194円
・69歳:国民年金5万8972円
現在、老齢年金の受給開始年齢は原則65歳となっており、平均的な受給額は厚生年金で約14万円、国民年金で約5万円です。
一方で、繰上げ受給を利用して早めに受け取りを始めた人や、特別支給の老齢厚生年金のうち報酬比例部分のみを受給している人が含まれるため、64歳までの受給額は65歳以降の水準より低めになります。
【厚生年金・国民年金】70歳代「平均的な人の受給額」はいくら?(70~79歳)
では次に、70歳代における年齢別の平均年金月額を確認していきましょう。
【厚生年金】70歳代の平均月額をチェック

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・70歳:厚生年金14万4773円
・71歳:厚生年金14万3521円
・72歳:厚生年金14万2248円
・73歳:厚生年金14万4251円
・74歳:厚生年金14万7684円
・75歳:厚生年金14万7455円
・76歳:厚生年金14万7152円
・77歳:厚生年金14万7070円
・78歳:厚生年金14万9232円
・79歳:厚生年金14万9883円
【国民年金】70歳代の平均月額をチェック

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・70歳:国民年金5万8956円
・71歳:国民年金5万8569円
・72歳:国民年金5万8429円
・73歳:国民年金5万8220円
・74歳:国民年金5万8070円
・75歳:国民年金5万7973円
・76歳:国民年金5万7774円
・77歳:国民年金5万7561円
・78歳:国民年金5万7119円
・79歳:国民年金5万7078円
70歳代の平均受給額は、厚生年金が14万円台、国民年金が5万7000〜8000円台となっています。
【厚生年金・国民年金】80歳代「平均的な人の受給額」はいくら?(80~89歳)
続いて、80歳代における年齢別の平均年金月額を確認していきましょう。
【厚生年金】80歳代の平均月額をチェック

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・80歳:厚生年金15万1580円
・81歳:厚生年金15万3834円
・82歳:厚生年金15万6103円
・83歳:厚生年金15万8631円
・84歳:厚生年金16万59円
・85歳:厚生年金16万1684円
・86歳:厚生年金16万1870円
・87歳:厚生年金16万2514円
・88歳:厚生年金16万3198円
・89歳:厚生年金16万2841円
【国民年金】80歳代の平均月額をチェック

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・80歳:国民年金5万6736円
・81歳:国民年金5万6487円
・82歳:国民年金5万6351円
・83歳:国民年金5万8112円
・84歳:国民年金5万7879円
・85歳:国民年金5万7693円
・86歳:国民年金5万7685円
・87歳:国民年金5万7244円
・88歳:国民年金5万7076円
・89歳:国民年金5万6796円
80歳代の平均受給額は、厚生年金が15万〜16万円台、国民年金が5万6000〜8000円台となっています。
どの年代でも平均値そのものに大きな差は見られませんが、実際の受給額は人によって大きく幅があります。
その背景には、現役時代の働き方や収入水準、保険料納付期間などが人によって異なることがあり、職種・勤続年数・加入制度の違いが積み重なることで、受給額に大きなばらつきが生じます。
自分の老後の見込み額を知りたい場合は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して確認しておくとよいでしょう。
年金は何歳から受け取るのがお得?「繰上げ・繰下げ受給」について整理
老齢年金の受給開始は原則65歳ですが、「繰上げ」や「繰下げ」によって開始時期を前後させることもできます。
ここでは、若い世代にも知っておいてほしい年金の基本事項について解説していきます。
老齢年金は「繰上げ」「繰下げ」で受給ができるって本当?
老齢年金は、自分の状況に応じて「繰上げ」や「繰下げ」を選択し、受給開始時期を調整することができます。
原則の受給開始年齢は65歳ですが、早めに受け取りたい場合は繰上げ、遅らせて増額したい場合は繰下げを選ぶことが可能です。
繰上げ受給とは?
65歳より前に受給を開始できる仕組みで、早く受け取るほど年金額は減額されます。

出所:日本年金機構「年金の繰上げ受給」
繰下げ受給とは?
66歳以降まで受給開始を遅らせると、その分だけ年金額が上乗せされます。

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」
なお、「繰上げ」「繰下げ」のどちらにもメリットとデメリットがあることも留意しておきましょう。
【繰上げ受給のイメージ】メリット・デメリットをチェック

繰上げ受給の減額イメージ
繰上げ受給のメリットは、生活費の補填や早期リタイア後の収入確保など、「年金を早く受け取りたい」というニーズに応えられる点です。
一方でデメリットは、繰上げた月数に応じて年金額が減ること、その減額が一生涯続くため、結果的に総受給額が少なくなる可能性がある点です。
【繰下げ受給のイメージ】メリット・デメリットをチェック

繰下げ受給の増額イメージ
繰下げ受給のメリットは、将来の受給額を増やせるため、長生きする可能性が高い方や老後の生活費を手厚くしたい方に適している点です。
一方のデメリットは、受給開始を遅らせる間は年金を受け取れないため、その期間の生活資金をどう確保するかを考える必要があることです。
貯蓄や他の収入源など、計画的な備えが欠かせません。
年金の受給開始時期を決める際は、自身の健康状態や家計状況などを踏まえ、慎重に判断することが重要です。
まとめにかえて
公的年金は老後に突然始まるものではなく、現役時代の働き方が直結する制度です。
老齢年金は必ずしも65歳で受け取る必要はありません。受給を早める「繰上げ受給」や、受給額を最大84%増額できる「繰下げ受給」など、健康状態や就労状況に合わせた戦略的な受け取り方もできます。
まずは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で、将来の受給見込み額を正確に把握することから始めましょう。
公的年金を確かなベースとしつつ、iDeCoや個人年金といった私的な備えを賢く組み合わせることが、令和のセカンドライフを盤石にする鍵となります。
年末年始は長期的なマネープランを見直す絶好のタイミング。新しい年に向け、まずは情報収集からスタートしてみてください。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「年金の繰上げ受給」
・日本年金機構「年金の繰下げ受給」
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